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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:統治者ボロス(Pauper)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:統治者ボロス(Pauper)
by 岩SHOW
いよいよ明日からグランプリ! 2018年、日本国内のグランプリは京都の地にて幕を開ける! 準備はOK? このコラムでもチームデッキの一例はすでに紹介したので、もう準備万端って感じかな。
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」:3人チーム構築戦組み合わせ例 その1(スタンダード・モダン・レガシー)
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」:3人チーム構築戦組み合わせ例 その2(スタンダード・モダン・レガシー)
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」:3人チーム構築戦組み合わせ例 その3(スタンダード・モダン・レガシー)
というわけで参加者も観戦者も、あとは万全の状態で明日を迎えるのみというところ。なので......グランプリ本戦前日の今回は、サイドイベントを推す方向でやっていこうかなと。
グランプリの楽しみは本戦のみではなく、多数あるサイドイベントもその醍醐味だと僕は思っている。いつでもばっちり勝って2日目に残る人や土日両方参加できる人ばかりじゃない。でもそうでない人だってマジックを楽しみたい! そんな思いに応えるべく、グランプリ会場では2日間にわたり、開催される競技レベルの高い本戦とは別に、短いラウンド数でカジュアルにマジックを楽しめるサイドイベントがいっぱい用意されている。ちょっと時間ができた、京都は近場だから行けなくもない......そんな人は、ぜひ会場に足を運んでマジックを楽しんでいただきたい。
- グランプリ・京都2018(BIG MAGIC様 ウェブサイト)
個人的には、日曜日に開催される「Pauper」のイベントがどうなるかが気になるところだ。海外のグランプリでは、なんとこのマイナーフォーマットのイベントに200人以上のプレイヤーが参加するということもあったばかり。いま世界的に熱が上昇しているPauper、日本ではどうなるか......楽しみでしょうがない。
今日はPauperの強力デッキを1つ紹介することにしよう。これを見て会場に足を運んでくれる人がいたら......嬉しいね。というわけで、「統治者ボロス」!
2 《冠雪の平地》 2 《冠雪の山》 4 《ボロスの駐屯地》 4 《風に削られた岩山》 3 《古えの居住地》 2 《隔離されたステップ》 3 《大焼炉》 1 《ボジューカの沼》 -土地(21)- 4 《きらめく鷹》 4 《スレイベンの検査官》 4 《コーの空漁師》 3 《宮殿の歩哨》 -クリーチャー(15)- |
4 《感電破》 4 《稲妻》 1 《電謀》 4 《予言のプリズム》 3 《錬金術師の薬瓶》 3 《未達への旅》 3 《虹色の断片》 2 《金切るときの声》 -呪文(24)- |
2 《ゴリラのシャーマン》 2 《孤独な宣教師》 1 《軍旗の旗手》 2 《コーの奉納者》 4 《紅蓮破》 2 《電謀》 1 《大祖始の遺産》 1 《墓の刈り取り》 -サイドボード(15)- |
かつては「カルドーサ・ボロス」と呼ばれたデッキだ(今でもそう表記されることがある)。《カルドーサの再誕》と《胆液の水源》などのアーティファクトのシナジーを用いて盤面を作りながら手札も補充するという赤白のコントロール要素とビート要素を併せ持ったデッキだった。
その旧バージョンでも十分に強いデッキだったのだが、Magic Onlineにあるカードが降臨したことで姿かたちを変えて今のスタイルとなった。そのカードこそ、デッキ名の「統治者」へとあなたを変えてくれる1枚、《宮殿の歩哨》だ。
ターン終了時にカードを1枚引くという統治者状態にしてくれる4マナ2/4。レガシーなんかではこれだけではやや物足りないかもしれないが、Pauperであれば貴重な手札が増えるカードである。
この歩哨をはじめとし、アーティファクトを生け贄に捧げるのではなく回収するシナジーにシフトし、現在のこの「統治者ボロス」の形となったわけだ。
デッキの動きは......《予言のプリズム》《錬金術師の薬瓶》を設置したり、《スレイベンの検査官》から調査を行い1枚ドロー。
これを《きらめく鷹》《コーの空漁師》というコストで見たスペックは非常に高いもののデメリットを持っているクリーチャーの能力で手札に戻す。
本来ならばこれらのカードはパーマネントの枚数を減らしてしまう、ちょっぴりデメリットな能力なのだが......戻すものを上述のパーマネントにしてやることで、もう1回ドローできるという美味しい能力へと変換してやるというわけだ。
Pauperはコモンカードしか使えないフォーマットなので、アドバンテージを得る手段が限られてくる。カード1枚では限界があるので、こうしてシナジーで補ってやることが大切なのだ。このデッキはまさしく、カード同士の組み合わせでちっぽけなコモンから爆発的なアドバンテージを稼ぎ出す、見た目よりも何倍もパワフルなデッキなのだ。
赤と白が合わさることで、除去能力は大変高いものとなっている。確実にクリーチャーを消し去る《未達への旅》に、プレイヤーに撃ち込んでゲームを速やかに終わらせることのできる《感電破》と《稲妻》。
申し分のないラインナップであり、ドローシナジーによりで常時これらを手札に抱えることができるようになっている。これらで相手を妨害しつつ、コーや鷹で空から殴る、というのが理想の動きだ。
このデッキはフラッシュバックという方法でもアドバンテージを取ってくる。《虹色の断片》は除去を耐えきった相手のクリーチャーによる攻撃を無効化し、無傷で迎撃も可能で......フラッシュバックにマナが不要という驚異的な1枚。
同じくフラッシュバックにマナが不要な《金切るときの声》は、もともとアンコモンのカードだけあって、《未練ある魂》のように戦場をトークンで覆いつくす。
大体はこれらトークンなどのクリーチャーで盤面を固め、統治者にもなって手札たっぷりと体制が整ったところで「この牙城を崩すのは無理だな」と観念した相手が投了する。実際に、何度も何度も諦めさせられたものだ......。
毎ターンカードがグルグルと回転しひたすらにアドバンテージを稼いでいく、動かしていて楽しい、そしてとても強いPauperを代表するデッキの1つだ。日本のPauper界が盛り上がれば、このデッキもますます注目されることとなるだろう。
気になってきた? 家にあるコモンで作れそうって方は、この機会にぜひ組んでみて......間に合いそうならグランプリ会場へGO! グランプリに参加されるすべての方が、マジック欲をたっぷりと満たせ良き思い出になる、そんな週末になるように祈っております!
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