- HOME
- >
- READING
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ビックリ魂剥ぎ(モダン)
READING
岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ビックリ魂剥ぎ(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ビックリ魂剥ぎ(モダン)
by 岩SHOW
マジックとは自由だ。カードプールやルールという制限はあるが、その中で何をするかはその人の自由。どんなデッキを組んだって、誰に文句を言われることもない......デッキ構築とは自己表現、一種のアートだ。
時折、芸術作品としか言いようのないビューティフルなデッキが世にその姿を現す。目の当たりにした時にテンションを否応なしに上げられるリストとの出会い、それが僕がマジックを20年近くプレイし続けている理由の1つである。顔も知らない人でも、リストを見ればどんな人物かが垣間見えるというものだ。
今日も人を楽しませるショーマンシップに溢れたデッキ/プレイヤーを見つけたので紹介させていただこう。《精神を刻む者、ジェイス》と《血編み髪のエルフ》が解禁される直前に開催されたグランプリ・リヨン2018、そのフィーチャーマッチで世界をアッと驚かせたアンドレアス・シュルテ/Andreas Schulteの「Soulflayer Surprise」......邦題をつけるなら「ビックリ魂剥ぎ」ってところか? リストはほんとにビックリするものになってるぞ!
1 《森》 1 《沼》 2 《草むした墓》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《血の墓所》 1 《神無き祭殿》 4 《新緑の地下墓地》 4 《血染めのぬかるみ》 1 《樹木茂る山麓》 1 《花盛りの湿地》 2 《黒割れの崖》 -土地(19)- 3 《火花の精霊》 4 《恐血鬼》 4 《ロッテスのトロール》 4 《森の女人像》 1 《ファルケンラスの貴種》 4 《魂剥ぎ》 4 《ドラグスコルの肉裂き》 4 《原初の夜明け、ゼタルパ》 -クリーチャー(28)- |
4 《信仰無き物あさり》 4 《忌まわしい回収》 2 《神々との融和》 3 《未練ある魂》 -呪文(13)- |
3 《凶暴な召喚》 2 《稲妻の斧》 3 《突然の衰微》 3 《集団的蛮行》 2 《古えの遺恨》 1 《未練ある魂》 1 《摩耗 // 損耗》 -サイドボード(15)- |
《ドラグスコルの肉裂き》《原初の夜明け、ゼタルパ》と、とんでもない重量級クリーチャーがMAX4枚ずつ投入されている! これだけでも、重すぎるカードは使えないというモダンの固定観念を打ち砕く十分なサプライズだが、これをどうしようかというと《魂剥ぎ》の探査能力に充てて、今週のビックリどっきり超生命体を作り上げようというのだからその発想に恐れ入る。このリストは夢の具現化と言っても決して大げさではあるまい。
モダンの定番カードである《信仰無き物あさり》に加えて《忌まわしい回収》《神々との融和》、さらに《ロッテスのトロール》まで揃えて、クリーチャーを墓地に送り込む手段は完備。
上記の呪文で《魂剥ぎ》を探しながら、ドラグスコルやゼタルパを墓地に送り込み、これらを餌にキーワード能力の塊となったデーモンを生み出して圧倒する、というのがゲームプランだ。このデッキでの《魂剥ぎ》は最大で以下のようなスペックとなる。
{B}{B} 4/4 飛行 二段攻撃 速攻 呪禁 破壊不能 絆魂 トランプル 警戒
まさしく僕の考えたスーパークリーチャー! この妄想の実現も、このデッキなら可能なのだ。1回攻撃すればお互いのライフに16点もの差がつく、除去耐性と回避性能を持ち合わせた怪物......君も戦場に出したくないかい? だったらこのデッキを使うしかないって!
《森の女人像》の採用はこのデッキの選択肢を広げている。
《魂剥ぎ》に呪禁という最高の除去耐性を与える餌になる上に、特にサイドボード後のゲームで墓地対策となる《虚空の力線》や《安らかなる眠り》を設置された際にはドラグスコルやゼタルパを唱えて戦うための助けとなる。これらのカードがただのコンボパーツではなく、しっかりと1枚のカードとして運用できるように設計する。ビックリの中にも冷静さを忘れない構築は素晴らしい。
シュルテはこのデッキを用いて第7回戦まで無敗で勝ち上がっている。モダンという荒々しい環境で、オリジナルデッキでここまで突き進むのは「カッコイイ」としか言いようがない。最終的な成績は9勝6敗。本人いわく、《火花の精霊》も悪いカードではなかったが、同じ1マナ圏で速攻持ちであれば《狂信的扇動者》を採用した方が良い結果に繋がったかもしれないと振り返っている。
また、まだまだこのデッキには改良の余地がある、選択肢は無数にあると語っていた。このデッキに感銘を受けたプレイヤーも多いことだろう、これからますますブラッシュアップされた《魂剥ぎ》デッキが登場してくるのかもしれない。
最後にシュルテ本人の体験談でまとめたいと思う。彼は《忌まわしい回収》《神々との融和》などの墓地にカードを置く呪文を解決した後、そのまま優先権を対戦相手に渡すことなく《魂剥ぎ》を唱え、墓地を探査コストに充てることで《虚無の呪文爆弾》や《外科的摘出》による墓地への干渉をさせない動きをしてきたとのこと。その際に対戦相手から「それ(探査)をする前に呪文爆弾起動」など何度も言われ、その度にジャッジを呼んで妨害可能なタイミングが存在しないことを説明してもらったという。
墓地対策をこれらのカードに任せているプレイヤーは、相手がタイムラグなしの《魂剥ぎ》というベストな動きをしてきた場合は干渉できないということに気を付けて! 逆に使う側も《信仰無き物あさり》解決後に《ロッテスのトロール》の能力起動とかやっちゃうとプラン崩壊する恐れがあることを覚えておこう!
RANKING ランキング
-
広報室
年末年始もマジックづくし!「お年玉キャンペーン」&「プレマ&スリーブゲット!年末/年始スタンダード」開催決定|こちらマジック広報室!!
-
戦略記事
とことん!スタンダー道!アルカニス降臨、3枚ドローはこうして狙え!(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
今週のCool Deck:海賊デッキ&兎デッキ、プレイされた国にも注目!(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
NEWEST 最新の読み物
-
2024.12.20読み物
第51回:0から始める統率者戦|クロタカの統率者図書館
-
2024.12.19戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.19コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
2024.12.18戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.18広報室
2024年12月18日号|週刊マジックニュース
-
2024.12.17戦略記事
魂剥ぎ参戦!トレンドは新生化との組み合わせ(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事