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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:スモールポックス(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:スモールポックス(モダン)
by 岩SHOW
前回、モダンは皆がやりたいことをやれる良いフォーマットだという話で幕を閉じたわけだが、今回はその続きである。
僕はグランプリ・ラスベガス2017モダンに参加したわけだが、この時に使用したデッキは「タイタン・シフト」だ。モダンの有力デッキにも挙げるくらい、個人的には強いデッキだと思っている。あとは大好きな《原始のタイタン》が使えるのも良い。ただ、普通じゃつまらないので、ちょっとした工夫を施してみた。これが僕の「やりたいこと」ポイントだ。
普通のデッキをチョイといじる、大抵はマイナスだが、好きなデッキに好きなカードを放り込んで新しいものにすることほど楽しいこともない。そんなわけで、《コラガンの命令》を足してみた。黒はこれのためだけに足してある。まず、だれも予想しないであろう1枚。《桜族の長老》《ウッド・エルフ》を回収しつつ手札破壊や2点除去となる。手札破壊デッキに捨てさせられたタイタンを拾っても良いし、「親和」に対しての耐性も上がる。良いことばっかり! 何よりカッコイイ! と思って持ち込んでみたのだが、一度も《コラガンの命令》を引くことなく、普通のデッキで普通に負けて終わってしまった。悲しい! もうちょっと時間をかけて綺麗な形にしてみたかったなぁという思いもある。
同トーナメントで活躍した、オリジナリティ追求デッキを見ていると、殊更そういった感情が沸いてくるものだ。例えばこのデッキなんか、良い感じだ。
2 《沼》 1 《平地》 3 《神無き祭殿》 3 《湿地の干潟》 4 《悪臭の荒野》 4 《乱脈な気孔》 4 《トロウケアの敷石》 3 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(24)- 4 《恐血鬼》 -クリーチャー(4)- |
4 《致命的な一押し》 4 《コジレックの審問》 3 《思考囲い》 4 《小悪疫》 2 《集団的蛮行》 4 《未練ある魂》 1 《苦渋の破棄》 1 《滅び》 4 《ヴェールのリリアナ》 3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 2 《真面目な訪問者、ソリン》 -呪文(32)- |
2 《大爆発の魔道士》 1 《外科的摘出》 1 《暗黒破》 2 《疑念の影》 2 《石のような静寂》 1 《集団的蛮行》 4 《虚空の力線》 2 《滅び》 -サイドボード(15)- |
白黒のトークンデッキのようにも見えるが、然にあらず。プレインズウォーカー・コントロール......とも言い切れない。《小悪疫》デッキということにしておこうか。実際、《小悪疫》と噛み合うカードが多数採用されているしね。
《小悪疫》はすべてのプレイヤーからライフ1点・クリーチャー1体・土地1枚・手札1枚を奪う。こちらは《小悪疫》の分カードも消費しているので、真面目に全部相手と一緒に付き合うと損しかしない。なので、クリーチャーをそもそも用いないデッキにするなどの工夫が求められるカードである。このデッキで用いられるクリーチャーは複数生み出されるトークンか《恐血鬼》。これなら損失は0に抑えられる。
そして手札。捨てるカードを《未練ある魂》にすれば......こちらも損失実質0! さらに生け贄に捧げる土地が《トロウケアの敷石》だと...これまた0! 唱えたこちらが何の被害もなく、相手だけが苦しむ。そんな究極の光景を拝むことができるぞ。
デッキとしては手札破壊を中心に、対戦相手のリソースを奪っていく、ややスローなゲーム展開となる。《小悪疫》によりこちらだけ被害はなく、相手は3枚のカードを失うという状況に持ち込んでやりたい。少しずつ、確実に相手の戦力を刻み、磨り潰していこう。
自然とカード枚数の差がついて、疲弊した対戦相手に《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》で勝負を決める! そんな風に意識してプレイすれば、このデッキの本領を発揮できるだろう。もちろん相手が早い段階で土地が詰まったりすれば、《未練ある魂》とギデオンで早いターンからめった打ちにもできる。その辺は臨機応変に。
プレインズウォーカーという《小悪疫》に引っかからないパーマネントで勝負するのもこのデッキの特徴。黒いモダンのデッキの代名詞、《ヴェールのリリアナ》で手札もクリーチャーも叩き落としてやろう。ギデオンは言うに及ばずのスーパー・フィニッシャー! そして珍しいカード《真面目な訪問者、ソリン》、これが地味ながら強い。
序盤は受けに回りがちなこのデッキのライフを回復させてくれるし、クリーチャーのパワーを上昇させてゲームが無駄に長引かないようにしてくれる。《未練ある魂》との相性も抜群! 自身もトークンを生み出すことができ、1枚でゲームに勝てるタイプのカードだ。時間を稼ぎまくって、その[-6]能力を決めてやれば、さすがにクリーチャーで勝利するタイプのデッキは心が折れて投了となるだろう。
《小悪疫》とプレインズウォーカー、モダンならではの組み合わせで3000人を超えるグランプリで12位という成績は素晴らしい。皆の好きなプレインズウォーカーだって、使ってみると案外モダンの環境にフィットしているかもしれない。試さずに諦めるともったいない! 時間がある今のような期間にこそ、そういった実験的なことをやってみるのを強く勧めたい。まずは軸にしたい好きなカードを全部並べてみよう! 収拾がつかなくなって寝る→翌朝、なんとなく夢で見た良いアイディアが思い出せない、というのも含めてワンセットだ!
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