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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青白石鍛冶(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青白石鍛冶(レガシー)
by 岩SHOW
《師範の占い独楽》が禁止されても「奇跡コントロール」の血脈が断たれたわけではなく、Magic Online上では新型の「奇跡コントロール」が勝ち星を記録し続けたのは以前にも述べた通りだ。
ただ、やはりリアルで、そして大型トーナメントで勝ってこそ環境の強豪デッキとして認知することができるというもの。グランプリ・ラスベガス2017のレガシーでは世界の注目を集めることとなったわけだが......初日全勝、第11回戦終了時でも2人だけの全勝者の1人として快進撃を見せつけのだが、最終的にTOP8入賞ならず。無念ッッ! なのだが......青白のコントロールデッキ自体は戦果を挙げているではないか。それもなかなかにオールド・スクールな姿である。
4 《島》 2 《平地》 4 《Tundra》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 2 《湿地の干潟》 4 《不毛の大地》 -土地(24)- 4 《瞬唱の魔道士》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《真の名の宿敵》 -クリーチャー(12)- |
4 《渦まく知識》 4 《剣を鍬に》 2 《狼狽の嵐》 3 《対抗呪文》 2 《議会の採決》 4 《意志の力》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(24)- |
4 《封じ込める僧侶》 3 《外科的摘出》 2 《狼狽の嵐》 3 《解呪》 3 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
このデッキは《石鍛冶の神秘家》を軸とした「青白石鍛冶」とでも呼ぶべきリストだ。いや~、なんというか懐かしいね。この手のデッキは《石鍛冶の神秘家》と《殴打頭蓋》が揃ったタイミングのレガシーで見る機会がとても多く、そして当時のスタンダードと同様に活躍していたものである。
そこから少し経って《死儀礼のシャーマン》が登場すると、これを採用した「エスパー石鍛冶」へとその構成はシフトしていくことになる。この辺りから、レガシーでも最近のクリーチャーがめちゃくちゃ強い!という認識が広まったように記憶している。歴史のあるデッキなのだ。
デッキの目指すところはシンプルなものだ。早いターンに《石鍛冶の神秘家》を出し、その誘発型能力で《殴打頭蓋》・相手によっては《梅澤の十手》をサーチし、石鍛冶の起動型能力で戦場に出し、殴っていく。その間に相手のアクションは打ち消し&除去で封じていく。
頭蓋も十手も、どちらも装備してから2度ほど殴ればこちらのライフが減らなくなり、ダメージレースを完全に破壊することができる。バーンのようなデッキはお手上げだ。相手優位のレースから抜け出そうとこちらが動けば《意志の力》などが飛んでくる。さながら蟻地獄のような攻めである。脱出不能! このデッキとよくマッチングしていた時期は心が折れたものである。
そんな「青白石鍛冶」の最新型、作りも真っすぐなもので、変な寄り道をせずに石鍛冶Win一直線な作りは好感が持てる。特に《真の名の宿敵》4枚という徹底っぷりがたまらないね!
このクリーチャーはプロテクション(選ばれたプレイヤー)という唯一無二の絶対的な除去耐性・回避能力の持ち主。装備品を付けるのにはこれ以上おあつらえ向きのヤツもいないってなもんだ。3マナ3/1、これが《殴打頭蓋》を装備して7/5警戒絆魂となった時、世界は終わる。案外簡単に決まるからなぁ。クリーチャー主体のデッキはこれが決まったら、まあ抜け出せる可能性は一縷の望みに過ぎないのでさっさと投了して次のゲームに行った方が良いかもしれない。アーティファクト対策をしこたま追加してサイド後に臨もう。
《真の名の宿敵》がここまで大胆に取られたデッキが勝ったのには理由がある......と思う。そもそも宿敵が苦手としていた唯一ともいえるレガシーのカードは《終末》。サイド後には《毒の濁流》なんかも刺さることがあるが、メインから唱えられる可能性のある呪文としてはやはり《終末》が最も多く見るものだった。たった1マナで処理されてしまう3マナのクリーチャーは頼りなかったものだが、その天敵は冒頭で述べたように大きく数を減らしている。
だったらいけるぜ!とクリーチャーを主体とした戦略がレガシー環境に広まったのであれば、最強のブロッカーと拘束不能なアタッカーである宿敵が活躍するのは自明の理。温故知新、古きデッキを現代風にアレンジすることで、環境にフィットしたデッキが誕生した!のかもしれない。
レガシーはこういうのがあるから面白いね。これも《師範の占い独楽》がブイブイ言わせていたままの世界では見ることができなかったかもしれないわけで、今のレガシーは本当に良い環境になったんじゃないかと思っている。もう諦めたり忘れ去られたりしたデッキを、今一度掘り起こしてみるのも良いよね。例えば、《ヤヴィマヤの火》なんかを......これは長くなりそうだから別の時に話そうか。
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