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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Walking Dead(モダン)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Walking Dead(モダン)

by 岩SHOW

2016年1月22日

 奇妙な怪物に心酔したヤローがクリーチャーの死体を持ち去り、蘇らせている。ヤツはその動く死体――ゾンビを自身の糧にさえしている。なんてこった。

2016年4月8日

 ゾンビどもは数を増やし、勢いを増している。避難所となっていた教会も遂にヤツらの手に落ちてしまった。畜生!潰しても潰しても蘇ってきやがる。何か手はないのか。

2016年7月22日

 ゾンビ・アポカリプスもいよいよ大詰めだ。ヤツらは集団行動をとるようになり、墓を暴いて死体を掘り返す者まで現れた。人類は黙って最期を受け入れるしかないのか。ただ、ゾンビの主な標的はどうやら人類よりはあのバカデカいクラゲのようだ。

2016年9月30日

 人類が作り出した兵器のおかげでゾンビの猛攻は抑えられた。しかしヘリコプターを乗り回す者も現れたらしく、空中から投下されるゾンビには絶えず注意が必要である。

2017年1月20日

 戦艦の甲板から蹴り落される事件が多発。注意されたし。


Nick Vallas - 「Walking Dead」
StarCityGames.com Modern Classic Worcester 6位 / モダン (2017年4月9日)[MO] [ARENA]
14 《
4 《血染めのぬかるみ
3 《変わり谷
2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ

-土地(23)-

4 《墓所這い
3 《墓所破り
4 《恐血鬼
4 《才気ある霊基体
4 《無情な死者
3 《ゲラルフの伝書使
1 《ゲトの裏切り者、カリタス
1 《アスフォデルの灰色商人

-クリーチャー(24)-
4 《致命的な一押し
4 《思考囲い
2 《集団的蛮行
2 《四肢切断
1 《ヴェールのリリアナ

-呪文(13)-
2 《ファイレクシアの抹消者
2 《外科的摘出
2 《集団的蛮行
1 《漸増爆弾
2 《滅び
2 《鞭打ち悶え
4 《幽霊街

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 前半、何を伝えたかったのかというと......ここ1年でゾンビデッキは強化されたよ!という喜びを、時系列に沿って某サバイバルホラーのファイル風にね...自分でも何がしたかったかはよくわからない。先日開催されたStarCityGames.com Modern Classicで「黒単ゾンビ」が6位に入賞していた。351名参加の大会でのこの順位であるからして、立派な成績である。これは、いちゾンビ好きとして紹介しないわけにはいかないなと。ゾンビ映画も好きだし、ゾンビカードも大好きだ!という人にはぜひこういったデッキを使ってほしいよね。

 黒単という開き直りっぷりも美しい。やはりゾンビは黒いデッキでこそ映える。多色=土地によるライフ損失が大きく、殴り合いになった際にこれが命取りになりかねない。健康的に《》を並べるヘルシーゾンビ生活、言葉の意味が分からなくて素敵だ。黒単の墓地活用ビートダウンであり、真面目に盤面を作って戦う、俗に言う「フェアデッキ」である。

 開幕からマナ・カーブに沿ってゾンビを出してガシガシ殴っていく。単純明快だ。《墓所這い》《無情な死者》《恐血鬼》と、いずれももしブロックされて相討ちになったり《稲妻》《致命的な一押し》されても安心なクリーチャーを並べて突撃させていこう。もしこれらが死亡する(ゾンビなんだけども)ことがあっても、それぞれ戦場に戻ってくる能力を持っているため、常に戦場をクリーチャーで満たすことができる。

 これらは同時に《墓所破り》ともシナジーを形成しているのも見過ごせないポイント。手札から捨ててゾンビ・トークンを生み出しつつ、墓地からコイツらを蘇らせればカード1枚でクリーチャー2体分だ。こういう小さなお得を積み重ねつつ、戦場をコツコツ有利にしていこう。

 何度でも蘇るこれらのゾンビと《ゲラルフの伝書使》などが並べば《ゲトの裏切り者、カリタス》が食べ放題の大暴れになったり。この吸血鬼が育てば「バーン」なんかに負けることは無くなるね。また、《罠の橋》を設置してひきこもる類のコントロール相手に対しての《アスフォデルの灰色商人》という攻撃以外のダメージ源が確保されているのは好いたらしい。

 《恐血鬼》、《ゲトの血の長、カリタス》とともにゾンビでないクリーチャーだが採用されている《才気ある霊基体》もシブい仕事をしてくれるだろう。特に流行りの《死の影》に対して接死ブロッカーとして立ちはだかってくれるのが素晴らしい。

 呪文群も黒が誇る素晴らしいカードが目白押し。「とりあえずビール」感覚で投げ込む《思考囲い》、続く《集団的蛮行》で手札を攻め、クリーチャーは《致命的な一押し》《四肢切断》でシャットアウト。蛮行は何でもできる上にゾンビーズとシナジーを形成しているのも良いね。個人的にはメインから3~4枚投入したいくらいだ。

 プレインズウォーカーは定番の《ヴェールのリリアナ》。これもメタゲームによって枚数を増やしても良いし、《最後の望み、リリアナ》とスイッチしても良いだろう。サイドボードに採用して使い分けるのが一番スマートかな。

 黒単なのでサイドボードはどうしても若干弱い。それは否めない。いっそ色を足して強化を図るか、ここは各人の好みに任せたいところ。黒単ならではの《鞭打ち悶え》はカッコイイ。《才気ある霊基体》につければダメージレースの破壊者となれる。《幽霊街》4枚はどうしても《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》のような土地を主軸としたデッキに勝ちたいという強い意志が具現化したもの。サイドインする際には呪文としてカウントするのが吉。

 『アモンケット』でも新顔のゾンビがズラズラと出てきて、これからもっとホットになっていきそうなゾンビ界隈。歩き回る死者の群れ、肉貪る怪物たち。抗うか率いるか、答えは神戸の地にて......

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