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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:奇跡コントロール(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:奇跡コントロール(レガシー)
by 岩SHOW
え、もう11月なの? 驚いて汗をかいてしまう10月末。1年というサイクルがもはや短すぎる。倍くらいにならないですかね......とにもかくにも11月、グランプリ・千葉2016が目の前に迫ってきた。鬼が笑うくらい先の話だと思っていたんだが......参加受付を済ませてまだ準備をしていない方、ボチボチこういうのを使おうか・ああいうのはやめておこうかとデッキ選択に差し掛かる頃合いではなかろうかとご提案。
例えばこれがスタンダードのグランプリだったならば、もっと直前まで環境の変化を見定めてから最適なデッキを選択するというのが有効だとは思うが......千葉のフォーマットはレガシーだ。レガシーのメタゲームは......そうそう動くものではない。
前回の日本国内でのレガシー・グランプリであったグランプリ・京都2015の頃はまだ《時を越えた探索》が使用可能な世界だったので、そのころと比べると活躍しているデッキの構造は多少異なるが......トーナメントの上位に勝ち上がってくるデッキの顔ぶれに大して変化は起きていない。グランプリで勝つために大事なことは、それらのデッキをやり込んで正しいプレイングを常に行えるように身体に覚え込ませること......だと思う。
使用されているデッキに大きな変化はない、と言ってもその内容は細部まで見ると流行り廃りは存在する。今回は以前紹介したレガシー環境の王者「奇跡コントロール」の最新のリストを紹介しよう!
4 《島》 2 《平地》 1 《山》 3 《Tundra》 1 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 2 《乾燥台地》 -土地(21)- 3 《瞬唱の魔道士》 2 《僧院の導師》 -クリーチャー(5)- |
4 《師範の占い独楽》 4 《渦まく知識》 4 《剣を鍬に》 3 《思案》 3 《相殺》 2 《対抗呪文》 1 《予報》 1 《議会の採決》 4 《意志の力》 4 《終末》 1 《天使への願い》 1 《仕組まれた爆薬》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(34)- |
1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《外科的摘出》 3 《狼狽の嵐》 2 《紅蓮破》 1 《赤霊破》 2 《基本に帰れ》 2 《罠の橋》 1 《天使への願い》 2 《摩耗 // 損耗》 -サイドボード(15)- |
こちらは日本国内で定期的に開催されるレガシーの大型イベント、BIG MAGIC Sunday Legacyにて準優勝した「奇跡コントロール」である。このデッキは《師範の占い独楽》でライブラリーを操作してドローの質を高めつつ、《相殺》というエンチャントとこれを組み合わせることで対戦相手が呪文を唱えてもこちらはカードを消費することなくそれを打ち消す、というハーフ・ロック状態(※1)に持ち込んで行動を抑制することを基本戦術としている。
(※1:読んで字のごとく半分ロック状態。ロックは音楽ジャンルではなくLock、封じられているということ。対戦相手の行動を一部制限する戦略のこと。「ソフトロック」と呼ぶことも)
奇跡の名の通り、『アヴァシンの帰還』で登場した奇跡呪文が採用されている点もポイント。《終末》は1マナですべてのクリーチャーを除去してしまうとんでもない呪文だ。《天使への願い》は普通に唱えるとコストがものすごく重いが、奇跡コストであれば4マナで4/4飛行を2体呼び出せたりとマナ効率が非常に優れたフィニッシャーとなる。
これらの奇跡呪文を《師範の占い独楽》を用いて適切なタイミングで使用していくのだ。手札に引いてしまわないようにライブラリーの一番上には来ないように並べ替え、対戦相手のターンに独楽のカードを1枚引く能力を起動すればインスタント・タイミングで用いることもできる。もし手札に来てしまっても《渦まく知識》《精神を刻む者、ジェイス》でライブラリーに戻してやれば良い。
この「奇跡コントロール」が以前に紹介したものと異なる点は、基本土地を《山》まで採用していること。レガシー最強ともいえる1マナカウンター《紅蓮破》《赤霊破》と、アーティファクト対策である《摩耗 // 損耗》を用いるために赤を足しているデッキなのだが、このためにわざわざ《山》まで採用することはない(《Volcanic Island》で事足りるため)。
わざわざ赤マナのために基本土地の種類を増やしているのは、サイドボードに《基本に帰れ》を採用しているからだ。基本でない土地を用いる相手が多いレガシーにおいては、これを設置することで完全に行動不能に陥ってしまうデッキも少なくない。以前は特殊な土地は《血染めの月》でいじめるのが定番だったが、《基本に帰れ》で赤マナを用いることすらも許さないスタイルにシフトしたんだなぁと。既に完成しているデッキをプレイヤー達が細かい工夫で昇華させている姿が見えて、なんとも美しいなぁと。
《予報》も最近の「奇跡コントロール」の定番になってきたね。自身のライブラリーの一番上の不要カードを排除したり、同系戦で対戦相手が《師範の占い独楽》のドロー能力を使って独楽をトップに置いた際にそれを墓地に送ったり......これに2枚ドローのオマケがついてくるのだからたまらないね。
使用するにしても相対する側になるにしても、グランプリに挑むのであればこのデッキのことはよく知っておく必要がある。手っ取り早いのはお近くの歴戦の奇跡ユーザーにいろいろと教えてもらうことだ。奇跡を起こすプレイヤーたちから、テクニックを授けていただこうじゃないか。アリガタヤー。
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