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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:MUD(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:MUD(レガシー)
by 岩SHOW
『カラデシュ』は皆がアーティファクトを発明する次元である。そう聞いた時に、胸が躍ったプレイヤーは少なくないだろう。個人的には、フォーマットの垣根を越えてやんちゃするカードが出てきてくれないかと期待していた。アーティファクト・セットは代々壊れカードを輩出しているので......今回もそれを願った。パワフルなカードが様々なフォーマットを塗り替えてくれた方がゲームも盛り上がるからね。
で、今回は......《虚空の杯》《梅澤の十手》のようなぶっ壊れたパワーカードは存在しなかったが、シブい働きを見せるカードがレガシーにて結果を残すに至った。これは皆に伝えなくちゃ、というわけで今日紹介するデッキは「MUD」だ!
4 《古えの墳墓》 4 《裏切り者の都》 4 《埋没した廃墟》 4 《不毛の大地》 3 《幽霊街》 4 《発明博覧会》 1 《宝石の洞窟》 1 《霊界への門、神ヶ眼》 -土地(25)- 4 《金属細工師》 -クリーチャー(4)- |
4 《モックス・ダイアモンド》 2 《厳かなモノリス》 4 《世界のるつぼ》 4 《からみつく鉄線》 4 《三なる宝球》 3 《罠の橋》 1 《威圧の杖》 3 《煙突》 1 《瓶詰めの回廊》 1 《ギラプールの宇宙儀》 4 《虚空の杯》 -呪文(31)- |
4 《ファイレクシアの破棄者》 1 《幽霊街》 3 《墓掘りの檻》 3 《防御の光網》 1 《罠の橋》 2 《精神壊しの罠》 1 《瓶詰めの回廊》 -サイドボード(15)- |
「MUD」というのはエターナル・フォーマットにて古くから存在するアーティファクト主体の無色デッキで、かつてアーティファクト・カードの枠が茶色だったことから「茶単」とも呼ばれたりする。そもそもこのデッキは...2人のヴィンテージプレイヤーがそれぞれに持ち寄ったアーティファクトと土地のみで構成されたデッキの良いところを併せていって調整されたものである。
デッキ名はお互いの最初のコンセプトがろくでもない、ということからMuddy(泥だらけの意。転じてさえない・ぼんやりした・混乱したなどの意も)なデッキということで、既存の「Stax」「5/3」(※1)のような短くシンプルでスタイリッシュな名前を......ということで「MUD」と名付けられた。このデッキのポイントは《金属細工師》が採用されていること。これを用いて手札のアーティファクトを一気に戦場に展開しようというのがメインコンセプトだ。
(※1:どんなデッキかって? 詳しくはまた今度ね)
そんなヴィンテージの初代「MUD」とはその内容を大きく変化させてはいるが、《金属細工師》からの高速展開という主目的は継承しているのが今日のデッキ。《古えの墳墓》《裏切り者の都》という2マナ土地に《モックス・ダイアモンド》まで加えて、1ターン目から《金属細工師》を出してさらなるブースト、あるいは《虚空の杯》《三なる宝球》を設置して対戦相手を行動不能に陥らせようという強烈なアクションを行うことができるデッキだ。他のアーティファクトも《からみつく鉄線》《罠の橋》《煙突》と対戦相手に嫌がらせをするアーティファクトがこれでもかと詰め込まれている。
《世界のるつぼ》は《不毛の大地》《幽霊街》を回収しては投げつけて、また《煙突》による自身の被害を帳消しにするという重大な役目があるため、他ではなかなか見ない4枚という枚数が採用されている。実際にこのロックを仕掛けられると、フィニッシャーが盤面におらずとも投了したくなるものである。
で、このアーティファクト・ロックデッキに採用された『カラデシュ』のカードが何かと言うと......《発明博覧会》だ。
この新たなる伝説の土地は、アーティファクトを3つ以上コントロールしているとライフを回復させてくれるし、加えてこれを生け贄に捧げることでライブラリーから好きなアーティファクトを探して来て手札に加えるという能力も持つ。このデッキでは明確な勝ち手段と言えるカードが《威圧の杖》1枚だけなので、これをサーチできるカードが土地の枠を使いながら用意できるのは有り難い限り。
上述の《世界のるつぼ》と合わされば天下無敵。起動ごとに4マナが必要になるが、それも細工師がいれば問題なし。《罠の橋》を設置するまではライフを詰められると痛いデッキなので、地味に1点回復が効いてくるという場面もあるだろう。
もう1枚が《ギラプールの宇宙儀》だ。これさえあれば1ターンに土地を2枚戦場に出せるので、何度も出てくる《世界のるつぼ》と各種土地パッケージでたんまり悪さをしようじゃないか。またそれだけでなく、このアーティファクトは手札にカードが1枚もない状態で自身のターンのアップキープを迎えると3枚ドローという美味しすぎるボーナスを与えてくれる。この能力を活かすために採用されているのが《瓶詰めの回廊》だ。
これをコントロールしていると、対戦相手のアップキープの開始時にあなたの手札はすべて追放される。自身のアップキープにこれらは帰ってきて、ついでに1枚ドローをもたらしてくれるのだが...この能力を上手く使って、手札が0枚の状態でアップキープを迎えて3枚ドローしつつ、追放されていた手札も戻って1枚ドロー、そして通常ドローと爆発的に手札を増やすアクションをぶちかまそう。そしてそれらを《金属細工師》で公開してマナを生み出して......地獄を見せつけてやろう。自身のターンでは大量に手札をあれこれ使うのに、対戦相手のターンでは手札が0枚なので《罠の橋》がしっかりと機能するのがこれまたなんともいやらしい。
個人的には《ワームとぐろエンジン》や、アーティファクトではなくなるが《精霊龍、ウギン》のようなフィニッシュに繋がるカードをあと1~2枚採用したいなと。盤面と手札を完全に締め上げた上で《威圧の杖》で無限ライフとかやれば対戦相手の心を折ることはできるとは思うが、お互いが1ゲームずつ取り合った最終戦だと引き分けにもなりかねない。他に勝つ手段としてはロック状態に持ち込んでから《世界のるつぼ》《ギラプールの宇宙儀》を揃えて《霊界への門、神ヶ眼》を《不毛の大地》or《幽霊街》で毎ターン割り続けてスピリット・トークンを量産するというものがあるが、これもまた時間がかかるね......そこだけ気を付けてテキパキとプレイできれば、回していてここまで気持ちよくなれるデッキもそうそうない。楽しくイジワルな工匠ライフを!
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