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ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

今日の1枚:夜のスピリット

浅原 晃

 今日は最も夜の長い日、冬至なのじゃ。そして、こんな夜の長い日には、「あいつ」が出るかもしれんのう、ふぉっふぉっふぉ、わしもたまには怖い話をしてみようかのう。今日、特別に紹介するのは伝説の殺戮生物と恐れられた、夜の象徴、《夜のスピリット》じゃ。

 《夜のスピリット》はドミナリアの悪夢、そんなクリーチャーじゃ。文献によれば、猫に似た部分もあるのじゃが、完全なる殺戮兵器であり、それが現れたところには死と破壊のみが残されていく、そう言われておるのじゃ。

 その恐ろしさは、カードの性能にも表れておるんじゃな。9マナの超重量級のコストに飛行、トランプル、速攻、プロテクション(黒)、攻撃時に先制攻撃と、『ミラージュ』当時のクリーチャーとしては能力が盛りだくさんについておってのう。そして、重いならば釣ればいいじゃないと思っても、当時のリアニメイトカードの1つ、《動く死体》はプロテクション(黒)によって外れるから、簡単には呼び出せないという気位の高さも備えておった。

 マジック初の合体カードでもあってな、《吐息の盗人》《残忍な影》《アーボーグの豹》の3体を生け贄に捧げればライブラリーから呼び出せるロマンもあったのう、ふぉっふぉっふぉ、もちろん、なかなかうまくはいかんかったがな。じゃが、後に登場した《繰り返す悪夢》ではリアニメイトはできるようになってな、《適者生存》と《繰り返す悪夢》を使った「ナイトメア・サバイバル」、《ドルイドの誓い》デッキのフィニッシャーなどで活躍したのじゃ。

 そしてその伝説から、ドミナリアでは悪い子には《夜のスピリット》がやってきて、殺してしまう……なんていう話もされておったりおらなかったりなんじゃな。ふぉっふぉっふぉ、安心せい、それも、当時の話、今はもう伝説にしか残ってない生物じゃから、出ては来ないぞい。

 そんな噂をしていると《夜のスピリット》が出るぞって? おぬし、逆にわしを怖がらせようとしておるな? いやいや、ないない、そんなこと、ないな……おや、外でやたら猛々しい猫の鳴き声がするのう? えーと、念のため、文献で対処法を調べておくとするか……あったぞい、対策はと……遺言を書いておくとな。ふぉっふぉっふぉ、では、わしは遺言をしたためてくるぞい。

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