READING

読み物

ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

今日の1枚:謎めいた命令

浅原 晃

 えーと、このセットは何が付いてくるんじゃ? ポテトにアップルパイにナゲットに、ハンバーガーも含めて、どれか2つ選んでいい? どれが、正解かわからーーん!

 ふぉっふぉっふぉ、選択肢が多いのも考えものじゃな。選べるのはいいことじゃが、わしは比較するとなかなか決めれん質でな。また、決まったら決まったで、あっちの選択肢の方が良かったか……なんて後悔をしてしまいがちじゃ。しかし、こういう時にしっかりと正解を選べることは人生においても、そして、マジックにおいても大事なんじゃな。

 そこで、今日はちゃんと選ぶことの大事さを教えてくれるカード、2008年12月12~14日に行われていた世界選手権2008から、《謎めいた命令》を紹介していくぞい。

 世界選手権2008は「青黒フェアリー」が大活躍したトーナメントじゃった。「MoMAの冬」になぞらえて、「フェアリーの冬」なんて呼ばれ方もしたくらいなんじゃ。

 「青黒フェアリー」は《苦花》を中心とした攻撃的な動きで相手に制限をかけ、瞬速クリーチャーで相手を翻弄する、そんな器用な戦い方ができるデッキじゃった。そして、器用さの極め付けはすべてのモードが優秀な《謎めいた命令》じゃろう。

 打ち消し、ドロー、バウンス、そして、タップと4つのうちから2つを選ぶのじゃが、このカードの使い方でプレイヤーの力量が分かる、そう言われたカードなのじゃ。選択肢の多さは効果の幅の広さを表すと同時に、間違った選択肢が多く存在しているとも言えるからのう。使い方の基本知識、試合の経験、そして、場面場面でのひらめき、その三要素が要求される難易度の高いカードだったのじゃ。その分、しっかりと使えた時にはあらゆる局面に対応できるくらいの活躍によって、フェアリー・デッキを支えたのじゃ。

 つまり、負けないこと、逃げ出さないこと、投げ出さないこと、限られた時間で多くの選択肢から正解を導くこと、それが大事なのじゃ。もちろん、この能力はマジックを飛び越えて、ファストフードの注文にも役に立つんじゃな。ということで、わしは、決めたぞい! ポテトにナゲットの揚げ物被せコンボじゃ! そして、天ぷらにスイカ、うなぎに梅干しもウーバーイーツで注文! 一緒に平らげるぞい! ふぉっふぉっふぉ、この選択肢で間違いないんじゃ!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索