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ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

今日の1枚:欠片の双子

浅原 晃

 今日は「双子の日」なのじゃ。1874年の12月13日、「双生児、三つ子出産の場合は、前産を兄姉と定む」と布告があったことで制定された日じゃ。そこで、今回は双子……と言いつつ、三つ子も四つ子も、1億子も生み出していったエンチャント、《欠片の双子》を紹介していくぞい。

 《欠片の双子》は『エルドラージ覚醒』のエンチャント(オーラ)じゃ。自身のコピーを作る能力を与えるエンチャントでな、作ったコピーはターン終了時には消えてしまうものの、継続的なアドバンテージを得られるカードと言えるじゃろう。とはいえ、大元のクリーチャーを除去されたら一網打尽じゃから、長期的に運用するというのは難しい部分もあったのじゃな。

 しかし、《やっかい児》や《詐欺師の総督》などのアンタップ能力を持つクリーチャーに《欠片の双子》が付くとじゃ、オリジナルがコピーを作り、そのコピーがオリジナルをアンタップして、また、オリジナルがコピーをと、無限にコピーが作れたのじゃ。コピーは速攻を持つから、無限のコピー軍団が相手をタコ殴りしてそのターン中にKO、と、そんな瞬殺デッキが生まれたのじゃ。

 このコンボはスタンダードで活躍し、モダンでも少ない枚数で成立するコンボじゃったから、広く活躍したのじゃ。この手のコンボは、亜種も多く存在しておるぞい、《鏡割りのキキジキ》と《修復の天使》、《サヒーリ・ライ》と《守護フェリダー》などは、無限のコピーで相手に殴りかかるコンボの系譜と言えるじゃろう。

 しかしのう、話は少し変わるんじゃが、自身のコピーが作れるとして、そのコピーが完璧じゃとしたら、本人との違いは何じゃろうな? そんな思考実験をなぜかふと思ってしまったのじゃな。ふぉっふぉっふぉ、わしなら複製が作れたら、このコラムを代理で書かせて楽をするぞい。しかも、コラム(ターン)終了時に消えるなら、人件費もかからなくて一石二鳥……おや、わしの体が、消えかかっておる? なぜじゃ? まさか、わしがそのコピー? そんなはずは……わ、わしはオリジナルのはずじゃ! む? そこで、ふぉっふぉっふぉと笑っている白いフードの男、何者じゃ! ま、まさか、お前はわしの……。

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