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ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

今日の1枚:世界喰らいのドラゴン

浅原 晃

 噂によれば、古代ローマでは食通の貴族は食べては吐いて食べては吐いてと繰り返していたそうじゃ。これは、美味しいものをたくさん食べる無限ループコンボらしいのじゃが、胃腸に負担がかかってしまうからのう、わしはちょっと遠慮したいんじゃな。

 今日は「胃腸の日」じゃ、胃に(12)良い(11)ということで、日ごろから胃腸を大切にしようとな、そういうことなのじゃ。古代ローマの無限コンボのようなことは控えて……ふぉっふぉっふぉ、そうじゃな、今日紹介するカードが決まったぞい。無限に食べては吐き出す、古代ローマイズムの継承者、《世界喰らいのドラゴン》じゃ。

 《世界喰らいのドラゴン》はその名の通り、世界を食べ尽くしてしまうドラゴンじゃ。マジックでは世界とは戦場のことじゃから、戦場の自分のパーマネントを全部追放してしまうのじゃな。その大いなるデメリットに比べて、メリットはどうかと言うと、それなりにサイズが大きい、以上じゃな。死亡すれば、おえっと世界を吐き出して帰ってくるものの、《平和な心》を付けられようもんなら、食べるだけ食べて何もせずに終了なのじゃ。

 というわけでな、普通に使う人はまずおらんかったのじゃが、ここで古代ローマ人の思想がヒントとなったのじゃ。食べて吐いて食べて吐いてを繰り返したら、無限ループじゃね? そこで考案されたのが《動く死体》とのコンボなのじゃ。墓地に落ちた《世界喰らいのドラゴン》を《動く死体》で戦場に釣り上げる、戦場に出たときの全部食べる過程で《動く死体》も食べられるため、《世界喰らいのドラゴン》は墓地に落ちる。そうしたら、全部吐き出して《動く死体》も戻ってくるため、また釣り上げる、とループするのじゃ。この食べて吐いて食べて吐いての過程で土地が無限に出入りするため、マナが無限に出せるのじゃな。この無限マナでフィニッシュを決める、「ワールドゴージャー」と呼ばれるデッキが生まれたのじゃ。

 ふぉっふぉっふぉ、そんな話をしていたら、ちょっと吐き気がして来たぞい……わしも、古代ローマイズムかって? 違うぞい、わしは賞味期限ちょっと切れてても多分大丈夫イズムの継承者なんじゃな、もしや、さっき食べた《パイ包み》が当たったかのう……いや、ニッサのナメクジ料理か……。

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