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週刊デッキ構築劇場

第51回:井川良彦のデッキ構築劇場・不朽の1枚コンボ

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週刊デッキ構築劇場

2012.03.05

第51回:井川良彦のデッキ構築劇場・不朽の1枚コンボ

演者紹介:井川 良彦

 2007年の横浜でプロツアーに初参加、「初の海外旅行は、マジックのプロツアーで行きたい」という自身の言葉を2010年のプロツアー・サンディエゴで実現、海外緒戦にしてトップ8入賞を決めてみせた「驚嘆の男(ザ・ワンダーリング・ワン)」。
 その後も、伊藤 敦・高橋 純也と組んだ調整チーム『神様へのブラフ』で切磋琢磨し、日本選手権2011で4位に入賞するなど、多忙な日々にあってもフォーマットを問わずマジックに取り組む、情熱あふれるプレイヤー・ライターである。


 皆さん初めまして。井川良彦です。

 この度、縁あってこの「デッキ構築劇場」で書かせて頂くことになりました。よろしくお願いします!
 鍛冶さんの記事に名前が出てきた通り、11月にMOを始めてからはすっかりMO界の住人になってしまいましたが、
 ここでは現実世界に帰還して、ちょっと変わったデッキを皆さんに紹介していきたいと思います。


 さかのぼること約7年。
 横浜で行われた2005年の世界選手権では、4人の日本勢がトップ8に入賞しました。
 その中には、鍛冶友浩さん、浅原晃さんという、いまの構築劇場を支えるライターがいるではありませんか!
 こうして、構築劇場を書くのも何かのご縁。
 今回は、その中でも浅原さんのデッキをリスペクトして、構築に挑んでみたいと思います。

浅原 晃『G.o.D.』
世界選手権2005 4位 / スタンダード(当時)[MO] [ARENA]
7 《
3 《平地
4 《聖なる鋳造所
4 《アダーカー荒原
4 《氷の橋、天戸
1 《すべてを護るもの、母聖樹

-土地(23)-



-クリーチャー(0)-
4 《不朽の理想
4 《ボロスの印鑑
4 《友なる石
4 《手練
4 《時間の把握
1 《強迫的な研究
4 《神の怒り
4 《信仰の足枷
3 《ドラゴン変化
3 《押収
1 《象牙の仮面
1 《ズアーの運命支配

-呪文(37)-
4 《マナ漏出
4 《紅蓮地獄
4 《防御の光網
1 《世界の源獣
1 《特権階級
1 《象牙の仮面

-サイドボード(15)-

 マナブースト、ドローサポートを駆使し、ひたすらにゴール=《不朽の理想》を目指すデッキです。
 一度《不朽の理想》を唱えると、《ドラゴン変化》《独房監禁》《精神の檻、迷心》が相手を圧殺。

 そう、この《不朽の理想》デッキは、《不朽の理想》をプレイ=ほぼ勝利といえる、「実質1枚」コンボデッキだったのです。

 この1枚コンボは非常に強力であり、《不朽の理想》はその後のエクステンデッド環境でも猛威を振るいました。
 「世界一周」の記事でおなじみの中村修平さんがプロツアー・ヴァレンシア2007で《不朽の理想》の前に敗れた(当時の試合記事・英語)のは記憶に新しいですね。


 そして時は流れ、2012年。
 ついに《不朽の理想》が、しかも2マナも軽くなって帰ってきました!!!!

 それはこちら!

 つぶらな瞳に愛らしい姿。
 にもかかわらず、1/2とそこらへんのゴブリンを蹴散らすたくましいパワータフネス!
 マナコストに至っては、ファイナルズでも雄姿を見せたことのある《従者》の半分!
 キュートあーんどストローーーーーーング!!

 
 

 おっと失礼。

 可愛いカードランキング用の原稿と間違えてしまいました。

 

 本命はこちらです!!!!

 いかにも何かが出そうな夜道をとぼとぼと歩く、ちょっと寂しげなイラストのこのカード。
 毎ターン「呪い」を戦場に出し、相手を苦しめ続ける様は、まさに新時代の《不朽の理想》と言えるでしょう!
 イニストラードで新登場、そして闇の隆盛でその数を増した「呪い」のサブタイプを持つカードをひたすら集めれば、デッキの完成です。

 さぁ、対戦相手を呪って呪って呪いまくりましょう!

EVONY DEVIL[MO] [ARENA]
4 《
3 《
4 《竜髑髏の山頂
4 《黒割れの崖
4 《進化する未開地
4 《墨蛾の生息地

-土地(23)-



-クリーチャー(0)-
4 《貫かれた心臓の呪い
2 《渇きの呪い
4 《不幸の呪い
2 《死の支配の呪い
1 《流血の呪い
2 《うろつく餌食の呪い
4 《信仰無き物あさり
4 《感電破
2 《鞭打ち炎
2 《金屑の嵐
4 《太陽の宝球
4 《清純のタリスマン
2 《ヴェールのリリアナ

-呪文(37)-
4 《堀葬の儀式
4 《大修道士、エリシュ・ノーン
4 《業火のタイタン
1 《核の占い師、ジン=ギタクシアス
1 《ヴェールのリリアナ
1 《平地

-サイドボード(15)-


 一度《不幸の呪い》をプレイしたなら、相手の命はもはや風前の灯です!

 《渇きの呪い》、《貫かれた心臓の呪い》、といったダメージソース、そしてその威力を倍増させる《流血の呪い》が次々と並び、相手のライフをあっという間に0にしてくれます。

 2ターン目に《貫かれた心臓の呪い》をプレイされて、
「赤呪いwww一勝もらったwwww」
 と内心ほくそ笑んだであろう対戦相手も、数ターン後には完全体フリーザを前にしたべジータのように心から震えることになるのです。
 あぁ、なんて罪なカードなんでしょう。

 《不幸の呪い》には、、という制限があります。
 そのため、先に「呪い」を手札からプレイして設置してしまうと、後々持ってこられるものが少なくなってしまいます。
 これを避けるために、中盤に引いた《貫かれた心臓の呪い》《渇きの呪い》はあわててプレイせず、《不幸の呪い》でサーチした後に手札から2枚目をプレイする、というテクニックも覚えておくと良いかもしれません。

 また、盤面によっては、攻めよりも守りを優先して《死の支配の呪い》を場に出し、対戦相手の戦力を削ることも大事でしょう。
 にっくき《ムーアランドの憑依地》も《墨蛾の生息地》も、これ一枚で万事解決!
 普通に手札に来ても嬉しい、数少ない「呪い」の1枚です(笑)。

 手札に溜まった不要な「呪い」は、《信仰無き物あさり》で新しいカードに変えるか、《ヴェールのリリアナ》の餌にしてしまいましょう。
 《不幸の呪い》は1枚あれば十分ですからね。

 この《信仰無き物あさり》は、その昔マッドネスデッキを支え、今もレガシーの発掘デッキの要として活躍している《入念な研究》のアッパーバージョン。
 その能力は勿論、重過ぎないフラッシュバックコストが光りますね。環境を問わず、これからよく見かける1枚になるでしょう。

 元祖《不朽の理想》とは違い、《精神の檻、迷心》《象牙の仮面》といった守りのカードが《死の支配の呪い》しか存在しないので、ある程度の除去が必要になってきます。

 また、《不朽の理想》より2マナ軽いとはいえ、《不幸の呪い》は5マナとなかなかの重さなので、マナブーストは欠かせないでしょう。
 ということでマナブースト、除去の選択は世界選手権、プロツアー・闇の隆盛と立て続けに制した赤緑ケッシグを参考にしてみました。
 《ヴェールのリリアナ》を使えるのは黒ならではの特権ですね。どうしても触れない《最後のトロール、スラーン》もコレで解決。
 《金屑の嵐》からの《ヴェールのリリアナ》で相手の軍勢を壊滅させてしまいましょう。
 次の「アヴァシンの帰還」で《独房監禁》のような「呪い」が出てくれることに期待!!

 《うろつく餌食の呪い》は基本的には《渇きの呪い》の枚数稼ぎ、要するにただの軽い「呪い」でしかありません。
 同様に、《墨蛾の生息地》も「呪い」で相手を殺すまでのチャンプブロッカーでしかありません。

 しかし、この2枚が揃った瞬間、ゲームが大きく変わります!
 なんとたった4回殴るだけで毒殺が可能なのです!
 「呪い」と「毒殺」との両面攻撃に、対戦相手は為す術もなく倒れていくでしょう。

 サイドボードからは、《信仰無き物あさり》や《ヴェールのリリアナ》を活かして、リアニメイト要素を含んだコントロールデッキに転身!
 《ヴェールのリリアナ》《信仰無き物あさり》を絡めて《堀葬の儀式》で釣るも良し、
 マナブーストを絡めて赤緑ケッシグのに4ターン目《業火のタイタン》で勝つも良し。
 相手のエンチャント破壊を嘲笑いながら、素敵なファッティ達で叩き潰しましょう!!!


 いかがだったでしょうか?
 メインボードが奇抜な時こそ、サイドボードの15枚の枠が非常に大事になってきます。
 3ゲーム目までもつれ込んだとき、「次はどっちだ!?」と相手を悩ませることができたらこちらのペース。泰然自若に、堂々と構えて相手を迎え討ちましょう!

 「リアニメイト戦略なんて邪道だ!!」と思われる方には、

4 《チャンドラのフェニックス
4 《ゾンビの横行
4 《墓所這い

 がオススメ。

 《ゾンビの横行》《信仰無き物あさり》でのディスカード能力と、墓地から回収できる能力をフルに生かしながら戦うのも面白そうですね。
 モダン環境なら《ゴブリンの太守スクイー》や《恐血鬼》なども使えるので、ひょっとしたらひょっとするかも??


 そんなこんなで今回はここまで。
 また次回お会いしましょう!

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