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Formal Magic Quiz
競技レベルのイベントについて
競技レベルのイベントについて
by testing(レベル3ジャッジ)
皆さんは普段、店舗で行われている大会やフライデー・ナイト・マジックに参加していることでしょう。マジックのイベントはそれらだけではなく、グランプリ・トライアルやプロツアー予備予選(PPTQ)といった店舗で行われる競技性の高いイベントがあります。それらのイベントは『ルール適用度 競技』で行われます。このルール適用度は、もっと大規模なイベントであるワールド・マジック・カップ予選や、グランプリでも採用されます。
今回の記事は、そのような競技レベルのイベントに参加する場合に、どのような点に気をつければよいかを解説します。
ルール適用度
マジックの認定大会には、ルールをどのくらい厳密に適用するべきか、という度合いによって、プレイヤーとジャッジの間でとられる手続きが異なります。その適用の度合いを「ルール適用度(REL)」と呼びます。
イベントのRELは、『一般』、『競技』、『プロ』という3つに分類されています。後に示したものほど、ルールの厳密度が増し、立ち振る舞いや技術的な正しさが要求されます。
一般REL
日常的にお店で行わなれている大会で適用されます。通常の大会やプレリリースイベント、フライデー・ナイト・マジック、ゲームデーなど、皆さんが一番多く経験するルール適用度でもあります。
「ゲームは楽しむべきもの」であり、紳士的な態度をとることが重要視されます。ゲームルールを逸脱した行動を取ることはできませんが、ルールを知らなかったり、間違えたからといって、過度に責められることはありません。
競技REL
高額な賞品やプレミア・イベントへの招待がかかった大会に適用されます。グランプリ・トライアル、プロツアー予備予選(PPTQ)、ワールド・マジック・カップ予選、グランプリ、その他大規模イベントなどがこれにあたります。
一般RELとは異なり、参加するプレイヤーはルールや罰則について十分知っているとみなされます。ルールの間違いや非紳士的な行為は、処罰の対象となる場合があります。しかし、うっかりミスのような過失については、それほど厳しく罰せられることはありません。また、より遠方から馴染みのないプレイヤーが来訪するため、振る舞いについても一般RELよりさらに紳士的なものが要求されます。
プロREL
より高額な賞品がかかった大会に適用されます。グランプリ(2日目)、プロツアー本戦、世界選手権などがこれにあたります。
基本的なことは競技RELと同じです。しかし、プロRELでは、競技RELよりもさらに厳密なゲーム運びや、紳士的な振る舞いが望まれます。
競技RELで気をつけること
競技RELのイベントに参加するプレイヤーが、気をつけることは多くあります。その中のいくつかを取り上げます。まずは、イベント前に気をつけることからです。
デッキリストとあなたのデッキ
競技RELでは、デッキリストを使用します。これは、イベントで使用されるカードの担保となります。従って、このデッキリストが間違っていた場合、与えられる罰則は重いものになります。
デッキリストの書き方については、過去に書いた下記の記事をご参照ください。
デッキリストを書いた後は、あなたの使用するデッキと間違いが無いかどうかをチェックしましょう。この時、マナ・コスト順に並べて書いておくと、あなたが見直す際にチェックすることも容易になります。友人とリストとデッキを交換しあって、互いに見直すのも良いでしょう。(リストに書かれているカード名が判別できるか、という簡単な確認もできます)
ゲーム中、使用してよいのはメインデッキとサイドボードのカードのみです。その他のマジックのカードは、全く別のところへ片付けておきましょう。あなたのデッキケースの中には、「メインデッキ」「サイドボード」以外のマジックのカードは入れないようにしましょう。トークン・カードなど、例外となるものもあります。詳しくは マジック:ザ・ギャザリング イベント規定(MTR) 3.15 を参照してください。
加えて、あなたのデッキにはあなたの所有物であると示すことのできるもの(名刺やDCIカードなど)を入れておくと、万が一の時にあなたの元へ戻ってくる確率が増えます。ご検討ください。
ゲーム中に気をつけること
競技RELのイベント中に気をつけることは多くありますが、その中でも注意するべき点を下記に挙げます。これらは大会開始時にヘッドジャッジからアナウンスされることもあります。
1)シャッフル
あなたがデッキをシャッフルしたなら、対戦相手にデッキを提示し、あなたのデッキをシャッフルしてもらいましょう。逆に、対戦相手のデッキをシャッフルするように求められたなら、あなたは対戦相手のデッキをシャッフルしましょう。これは義務です。
対戦相手のデッキをシャッフルする場合、取りこぼさないように注意しましょう。ひょっとすると、対戦相手のデッキは、あなたの考えるよりも高額で希少かもしれません。手荒に扱わないようにしましょう。
2)コミュニケーション
何かを行う場合、対戦相手に、「いつ」「何を」行うのかをはっきりと示し、コミュニケーションを積極的に取りましょう。
ドロー・ステップやアップキープ・ステップなど、いつもと異なるタイミングで何かをする場合や、相手の一連の行動に割り込む場合などに、「いつの時点で何をしたいか」を告げるのは、ゲームの状態を把握し、正しいプレイを行うために必要なことです。
特に、ライフの変動や、マナ・プールに残っているマナは、宣言する必要があります。よくある例は以下のようなものです。
- 「《溢れかえる岸辺》を起動して、(私のライフは)19点です。」
- 「《世界を喰らう者、ポルクラノス》を唱えて、まだ{G}だけ残っています。」
相手が何をやっているのかわからなかったり、ライフの食い違いが起こっていた場合は、ジャッジを呼びましょう。
3)遅いプレイ
各ラウンドには制限時間があります。相手の進行が遅いと感じたのなら、まずは「早く進めてくれませんか?」など、コミュニケーションを取りましょう(先ほど書いたとおりですね)。それでもゲームが進まない場合、ジャッジを呼び対処してもらいましょう。
どれくらいの時間であれば「遅いプレイ」とみなされるか、という基準はありません。ですが、あなたが相手の進行を待つことにうんざりし始めたのなら、それは遅いプレイである可能性があります。
あなたは対戦相手を待たさないように、キビキビとした進行をするように心がけましょう。なお、「とるべき選択肢が多くて考えたい。」「状況が微妙だから考えたい。」という類の理由は、遅いプレイへの免罪符ではありません。
4)電子機器
競技RELでは、電子機器の使用は禁止されています(スマートフォン、携帯電話など)。これは、ドラフト中、デッキの作成中、マッチの進行中に適用されます。(MTR2.12 電子機器)
例外は、急な着信通話を受けたい場合のみです。その際には、対戦相手に許可を取りましょう。必要なら、ジャッジを呼んで指示をもらいましょう。(席を一時的に離れるなど)
電子機器を使用して、オラクル・テキストを参照したい場合もあるかもしれません。その場合は、ジャッジを呼んでオラクル・テキストを見せてもらいましょう。いずれにせよ、競技RELでは電子機器の使用はできません。
競技RELとジャッジ
競技RELのイベントには、必ず認定ジャッジが存在します。プレイヤーの皆さんは、イベント進行中に何かトラブルがあった場合は、勝手にプレイヤー同士で解決せず、ジャッジを呼ぶことが求められます。
ジャッジは、トラブルを収束し、円滑にイベントを進めるために存在します。ジャッジを呼ぶことに、何もためらう必要はありません。
ジャッジはプレイヤーに対していくつかの質問をします。その際には、正直に話しましょう。対戦相手に聞かれたくない情報がある場合は、ジャッジにそのことを話せば、応じてくれます。
『何かあったら、まず、ジャッジを呼ぶこと。』 これが大事です。できれば、はっきりとした声で、手を挙げていただけると、ジャッジがあなたを発見しやすくなります。
観客としての振る舞い
あなたが観客である場合でも、マッチの進行中は静かに観戦する必要があります。大きなリアクションなどで騒いではいけません。
観客として観戦中に、そのゲームに異常が起こっていることに気づいた場合、ジャッジをお呼びください。ゲームをいったん止めてもらい、必ず、ジャッジを介して異常を説明しましょう。
どこがおかしいのかを、直にプレイヤーに言ってはいけません。さもなければ、あなたはマッチ外から助言をした、と判断されてしまう可能性もあります。
上告
ジャッジの裁定に納得がいかない場合は、ヘッドジャッジへの上告を行うことができます。その裁定を出したジャッジに対して、上告することを申し出ましょう。
ヘッドジャッジの裁定は、そのイベントにおける最終決定であり、覆されることはありません。
失格
下記の項目に該当することを行った場合、そのプレイヤーは失格(DQ)となります。
決して、行ってはいけません。もし、あなたがこれらの行動を見かけたのなら、即座にジャッジを呼びましょう。
買収
何らかの提案や受け渡しにより、マッチの結果を操作することは買収です。
- 「決勝ラウンドに出たいので、トップ8の賞品渡しますから投了してくれません?」
- 「あなたの勝ちでいいですから、賞品のパックを少し頂けませんか?」
などは、決して許されない行為です。即座にジャッジを呼びましょう。
捏造
マッチの結果をマジックのゲームでない方法で決めようとするのは捏造です。
- 「もう時間ないし、引き分けだと両方決勝に残れませんから、ダイス振って決めましょう。」
などは、マッチの結果を不正に捏造しています。提案を出されたら、即座にジャッジを呼びましょう。
故意の違反
ルールを知りながらそれを破ったり、スタッフやジャッジに嘘をついたりするのは、イベントの公平性を損なう行為です。それらは故意の違反行為であり、許されるものではありません。
以上は――残念ながら――よく見られる典型的な「失格」にあたる行動です。繰り返しになりますが、このような行為を見かけたら、即座にジャッジを呼びましょう。
イベントの完全性
競技RELは一般RELと異なり、心がける点は多くあります。ですが、それらはイベントの完全性を守るためにあります。そうすることにより、参加する全てのプレイヤーが、どの競技RELのイベントにおいても、公平な機会をもってゲームに臨むことができます。
と、同時に、競技RELはルールに詳しくない人にとっても助けがあります。何か誤りを犯したとしても、即敗北につながるようなことはあまりありません。そして、ジャッジがもしあなたに懲罰を出したとしても、その誤りを繰り返さなければよいのです。
誤りを反省し、紳士的に振る舞おうとするプレイヤーに対して、私たちジャッジは常に味方です。ぜひ、ためらわず、ジャッジを呼んでください。
それではまた、どこかのイベントでお会いしましょう。
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