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第62回:カジュアルなデッキの組み方例

クロタカ


 読者の皆さん、こんにちは。統率者戦大好き!クロタカ(@clotaka1)です。

 2025年も残りあと数日となりましたが、皆さんは統率者戦を楽しんでいますか?僕の方はと言うと、今年から「統率者戦ブラケット(ベータ版)」が導入されて、ブラケットごとのグループ分けがしやすくなった影響で今までよりも楽しくプレイできています。

 ブラケットはとても素晴らしいマッチメイキング・システムですが、それでも「ブラケット2などのカジュアルなブラケットのデッキを組みたいけど、デッキの組み方がいまいちよくわからない」という方々が一定数いるのではないでしょうか。

 そこで今回は、いつものコラムとは趣向を変えて「カジュアルな統率者戦デッキの組み方例」を紹介します。

※本記事をご覧いただくにあたって※

  • 本記事内で使用する「カジュアル」という語句は「ゲームに勝利することよりも、勝利以外の目的をもってゲームを楽しむことを重視している」という意味合いで使用しています。また、ゲームに勝利するつもりが全くないということではありません。あくまで勝利をどの程度重視するか、という比重がブラケット1~5で異なるという前提でご覧ください。
  • マーク・ローズウォーター/Mark Rosewater氏のコラム「Making Magic -マジック開発秘話-:カジュアル・プレイ」の「定義3 ― 競技性がない」の部分を参考にしています。
  • 統率者戦ブラケットは2025年10月21日更新時点の内容に準拠しています。
  • 本記事で提示する組み方例は、あくまでクロタカ個人の一意見となります。
 

目次


 

ブラケット2のデッキを組む際のおすすめポイント

 今回の記事では「統率者戦ブラケット(ベータ版)」の中でも、交流を楽しみつつ最終的には勝利を目指す過程も楽しむことができる、5つのブラケットの中でもカジュアル寄りの「ブラケット2」のデッキを組む際のおすすめポイントを紹介します。もちろん、必ずしもこう組まないといけないわけではないですよ!

統率者ダメージでの勝利を目指す

 統率者戦では、同一の統率者からゲーム中に累計21点以上の戦闘ダメージを与えられたプレイヤーは、そのゲームに敗北します。

 例えばパワー7の《不死鳥王、オザイ》が3回戦闘ダメージを与えると、戦闘ダメージを与えられたプレイヤーはゲームに敗北します。

 

 これをデッキの勝ちパターンに据えると、ちょうどいいターン数でゲームが決着すると感じています(ブラケット2では、誰かが勝つか負けるまでに少なくとも8ターンプレイできることが期待されています)。攻撃された対戦相手側は、クリーチャーでブロックしたり、《流刑への道》などのクリーチャー除去カードで対処しやすく、妨害も比較的簡単です。

 

 もしパワーが低く統率者ダメージでの勝利を狙いづらい統率者の場合は、《再鍛の黒き剣》や《ロクソドンの戦槌》などのパワーを上げる装備品がおすすめです!

 
最終的に40点ダメージを与える

 統率者戦の初期ライフである40を最終的に0にするため対戦相手にダメージを与えたり、ライフを失わせる、統率者戦で一番シンプルな戦略です。40というライフは結構多くて、これを0にするのは中々大変です。なので、前述した「統率者ダメージでの勝利」と同様に、これを目指すとちょうどいいターン数でゲームが決着すると感じています。

 どうしても基準となる8ターンから決着が早くなり過ぎる場合は、必要なカード枚数に関わらず、デッキ内に無限コンボを入れないようにすることをおすすめしています。(無限コンボの例:《威名のソルジャー、セフィロス》+《墓所這い》+《巣穴の魂商人》の無限ライフドレインコンボ)

回転

 それとは逆に大きく遅れてしまう場合は、以下のような勝ちパターンを搭載するのがオススメです!

①クリーチャーを戦場に並べ、《踏み荒らし》や《圧倒する暴走》などで自陣クリーチャー全体を強化する

 

②土地などから大量にマナを加え、《ヤヤの焼身猛火》や《瀉血》などで対戦相手全員にダメージを与えるorライフを失わせる

 
強いカードよりも好きなカードを優先していい

 例えばアニメシリーズ「アバター 伝説の少年アン」が好きで《恐れを知らぬ者、カタラ》のデッキを組む場合、ブラケット2において強力なドローカードである《同族の発見》よりも、『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』に収録されている《侵略作戦》の方を優先していいと思っています。

 

 好きなテーマ……他にも「FINAL FANTASY」シリーズのカードで固めたデッキなどは、使っていてとても楽しいものです。

回転

 必ずしも強くはないけど、好きなカードが活躍したり、許容されやすい点が、ブラケット2の良いところだと感じています。

統率者と相性の良いカードを入れる

 統率者と相性の良いカードを使うと、遊んでいてとても楽しいです。例えば《恐れを知らぬ者、カタラ》は、誘発型能力を持つ同盟者クリーチャー全般と好相性です(《気の技の達人、アン》など)。

 

 もし統率者と相性が良さそうなカードが見つかったら、デッキに入れてみるのをおすすめしています。ただし、相性の良過ぎるカードばかりを入れているとブラケット3や4に近づいてしまうため、やり過ぎは禁物です。(例えば《恐れを知らぬ者、カタラ》の同盟者デッキに《矢来を上げよ》を入れた結果、一方的過ぎるゲームになってしまうなど)

 

 やり過ぎかどうかの判断に迷った時は、一度使ってみて、対戦相手の反応次第で今後も入れるか、やっぱり外すかを決めてみるのも選択肢のひとつかと思います。(対戦相手から良いリアクション→今後も入れる/対戦相手の反応があまり良くない→別のカードに変えてみる)

土地サーチ以外のサーチカードをあまり入れない

 今回お話する土地サーチカードとは、《一繋がりの根》、《探検の地図》、《寓話の小道》などのデッキから土地カードだけを探すカードのことです。

 

 そして土地サーチ以外のサーチカードは《不気味な教示者》、《石鍛冶の神秘家》、《歯と爪》などのデッキから土地以外のカードを探すカードです。

 

 上記のような土地以外のサーチカードは、強力なカードを探してゲームが早期に決着してしまうことがあるため、あまり入れない方がいいと思っています。

 あくまで個人的な意見ですが、3枚以下におさえておくのがいいでしょう。

カードの役割ごとに一定の枚数を入れる

 デッキを使っていて「ずっと土地しか引かない」「全然土地を引かない」など、デッキが上手く回らないことがあると、どうしても楽しくない・つまらないという状況になりがちです。そこで、そのような事態になるべくならないように、カードの役割ごとに一定の枚数を入れることをおすすめしています。以下が推奨採用枚数です。

  • マナ加速 10枚程度

土地を探して戦場に出すカード(《耕作》など)、マナを加えるアーティファクト(《秘儀の印鑑》など)

 
  • ドロー 10枚程度

カードを引くカード(《神秘の合流点》など)、通称「衝動的ドロー」(《追放されし王子、ズーコ》など)

 
  • 除去 5〜10枚程度

パーマネントを追放or破壊するカード(《剣を鍬に》、《神の怒り》など)

 
  • 土地 40枚程度

 《魔女の結界師》などの両面カードは、除去能力を持つ《魔女の結界師》か、土地としてマナを加えられる《魔女恵みの草地》としてもプレイでき、とても便利でおすすめのカードです。

回転

 
  • 残りはお好みで 30枚程度

 

ブラケット2のサンプルデッキリスト

 おすすめポイントを踏まえて作成した《恐れを知らぬ者、カタラ》のブラケット2デッキを紹介します。

 
「《恐れを知らぬ者、カタラ》」、製作者:クロタカ[MO] [ARENA]
1 《恐れを知らぬ者、カタラ
-統率者(1)-

5 《平地
4 《
6 《
1 《放棄された気の寺
1 《アグナ・ケラ
1 《同盟者の宿営地
1 《バーシンセー
1 《豪勢な大通り
1 《繁殖池
1 《梢の眺望
1 《統率の塔
1 《さびれた浜
1 《夢根の滝
1 《寓話の小道
1 《溢れかえる岸辺
1 《神聖なる泉
1 《茶屋「ジャスミンの龍」
1 《クローサの境界
1 《霧深い雨林
1 《草茂る農地
1 《祖先の道
1 《大草原の川
1 《回復の温泉
1 《雲海
1 《スパーラの本部
1 《寺院の庭
1 《吹きさらしの荒野
-土地(39)-

1 《土の王国の守護者たち
1 《土の将軍の副官
1 《発憤した反乱者
1 《侵略の援軍
1 《カザンドゥの刃の達人
1 《南極の航海者
1 《水の部族の結集者
1 《万事お見通しの占い師
1 《浮世離れした薬草師
1 《獣呼びの学者
1 《万里の渓谷の案内人
1 《ヘイラバズのドルイド
1 《秘められた才能、ハル
1 《素早き救済者、アン
1 《土の王国の牢番
1 《カビーラの福音者
1 《機略縦横な戦略家、サカ
1 《白蓮会の増援
1 《水の技の天才、カタラ
1 《点穴使い、タイリー
1 《タジュールの射手
1 《最後の気のベンダー、アン
1 《アンの親友、アッパ
1 《不動の守護者、アッパ
1 《無私なる指揮官、ハコダ
1 《城壁の聖騎士
1 《魔女の結界師
1 《青い仮面の男
1 《土の王国の将軍
1 《土の王
1 《気の技の達人、アン
1 《岐路に立つアン
1 《勇ましき癒し手、カタラ
1 《水の部族の希望、カタラ
1 《ピエン・ダオ師
1 《海門の伝承師
1 《海景の曲芸士
1 《タジュールの戦呼び
1 《変わり樹のレインジャー
1 《アンとカタラ
1 《忠実な空飛ぶバイソン、アッパ
1 《用心深い獣、アッパ
-クリーチャー(42)-
1 《アバターの境地へ
1 《剣を鍬に
1 《金属の技の原点
1 《内にいる獣
1 《神秘の合流点
1 《共同戦線
1 《一繋がりの根
1 《モモの物語
1 《アバターの怒り
1 《神の怒り
1 《気のベンダーの位に至る
1 《水のベンダーの位に至る
1 《土のベンダーの位に至る
1 《サカの突撃
1 《侵略作戦
1 《太陽の指輪
1 《秘儀の印鑑
1 《ベンダーの水袋
-呪文(18)-

 


 

各カードの役割分類①

除去(10)
ドロー(13)
マナ加速(10)
サーチ(1)
クリーチャー強化(7)
クリーチャー・トークン生成(6)
土の技(3)
気の技(6)
ライブラリートップの呪文を唱える(1)
回避能力付与(3)
絆魂付与(1)
除去対策(2)
分類外の同盟者(1)

※土地のほとんどはマナを加える効果なので割愛しました。


 

ブラケット3のサンプルデッキリスト

 「もし《恐れを知らぬ者、カタラ》デッキをブラケット3にする場合、どうすればいいんだろう?」と気になる方もいるかと思いますので、最後に《恐れを知らぬ者、カタラ》をブラケット3仕様にカスタマイズしたデッキを紹介します。

「《恐れを知らぬ者、カタラ》」、製作者:クロタカ[MO] [ARENA]
1 《恐れを知らぬ者、カタラ
-統率者(1)-

3 《平地
2 《
6 《
1 《耐え抜くもの、母聖樹
1 《魂の洞窟
1 《皇国の地、永岩城
1 《マナの合流点
1 《豪勢な大通り
1 《繁殖池
1 《英雄の公有地
1 《統率の塔
1 《さびれた浜
1 《夢根の滝
1 《ミナス・ティリス
1 《溢れかえる岸辺
1 《神聖なる泉
1 《茶屋「ジャスミンの龍」
1 《クローサの境界
1 《霧深い雨林
1 《草茂る農地
1 《祖先の道
1 《天上都市、大田原
1 《回復の温泉
1 《雲海
1 《スパーラの本部
1 《寺院の庭
1 《吹きさらしの荒野
1 《虹色の眺望
-土地(36)-

1 《土の王国の守護者たち
1 《極楽鳥
1 《貴族の教主
1 《喜ぶハーフリング
1 《土の将軍の副官
1 《発憤した反乱者
1 《侵略の援軍
1 《カザンドゥの刃の達人
1 《南極の航海者
1 《万事お見通しの占い師
1 《ジュワーの多相の戦士
1 《獣呼びの学者
1 《万里の渓谷の案内人
1 《ヘイラバズのドルイド
1 《秘められた才能、ハル
1 《金属ミミック
1 《素早き救済者、アン
1 《カビーラの福音者
1 《魂寄せ
1 《領界渡り
1 《玻璃池のミミック
1 《水の技の天才、カタラ
1 《点穴使い、タイリー
1 《タジュールの射手
1 《不動の守護者、アッパ
1 《無私なる指揮官、ハコダ
1 《城壁の聖騎士
1 《魔女の結界師
1 《青い仮面の男
1 《永劫の好奇心
1 《深海住まいのタッサ
1 《土の王
1 《土の技の達人、トフ
1 《うろつく玉座
1 《岐路に立つアン
1 《水の部族の希望、カタラ
1 《タジュールの戦呼び
1 《アンとカタラ
1 《太陽のタイタン
1 《幻術士、ポル・ジャマール
1 《フレイアリーズの信奉者
1 《用心深い獣、アッパ
-クリーチャー(42)-
1 《剣を鍬に
1 《エラダムリーの呼び声
1 《サイクロンの裂け目
1 《テフェリーの防御
1 《激情の後見
1 《内にいる獣
1 《アクローマの意志
1 《活性の力
1 《神秘の合流点
1 《同族の召喚
1 《共同戦線
1 《遥か見
1 《調和
1 《矢来を上げよ
1 《海門修復
1 《サカの突撃
1 《同族の発見
1 《太陽の指輪
1 《秘儀の印鑑
1 《稲妻のすね当て
1 《太祖の象徴
-呪文(21)-

 


 

各カードの役割分類②

除去(12)
ドロー(13)
マナ加速(11)
サーチ(2)
クリーチャー強化(5)
クリーチャー・トークン生成(6)
土の技(2)
気の技(2)
ライブラリートップの呪文を唱える(2)
回避能力付与(2)
絆魂付与(1)
追加誘発(1)
明滅(2)
クリーチャーコピー(2)
墓地からパーマネントを戦場に戻す(1)
打ち消し(1)
除去対策(2)
分類外の同盟者(1)

※土地のほとんどはマナを加える効果なので割愛しました。


 

ブラケット3への変更ポイント

 ブラケット2からブラケット3へ組み替えるにあたり、主に以下の部分を変更しました。

 
 
 
 

 もしブラケット3への組み換えを検討する際は、程度感の参考にしてもらえると幸いです。


 今回のコラムはこれでおしまいです。今年も1年「クロタカの統率者図書館」を読んでいただきありがとうございました。

 それではまた、来年のコラムでお会いしましょう。お楽しみに!

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