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世界選手権11
国別対抗戦 Round 2: スイス代表 vs. 日本代表
By Takeshi Miyasaka
互いに国別対抗戦の初戦を制して42点となり、現在3位の日本と4位のフィンランドの対戦がフィーチャーマッチに選ばれた。互いにチームメイトにアドバイスしたい彼らは、フィーチャーエリアではなく、一般のプレイエリアで隣同士にプレイできる環境を望み、その希望は叶えられた。
レガシー:Dario Vicedomini vs 藤本 知也
モダン:Matthias Künzler vs 三原 槙仁
スタンダード:Matteo Rusconi vs 石田 龍一郎
カウンター合戦に敗れたDario Vicedominiは、《霧深い雨林》をフェッチして《Tropical Island》を入手し、《タルモゴイフ》を戦場へ送り込む。
無事に設置された《騙し討ち》から飛び出す弾丸はもちろん史上最強にして最大、伝説のクリーチャー《引き裂かれし永劫、エムラクール》である。
騙し討たれたDario Vicedominiはすべてのパーマネントを失い、残りライフはわずかに3となる。墓地へ行った《引き裂かれし永劫、エムラクール》は藤本が消費したカードたちを伴ってライブラリへと舞い戻る。
自分だけリスタート、しかもライフが3というハードモードを余儀なくされたDario Vicedominiは、《霧深い雨林》をフェッチして《Volcanic Island》をインプレイ、《秘密を掘り下げる者》を召喚という 1 ターン目としてはなかなかグッドな動きをしてターンを終える。
ただ、Dario Vicedominiのライフは残り2だし、藤本は依然《騙し討ち》をコントロールしているのだが。
《渦まく知識》して《沸騰する小湖》を調達した藤本は、《精神を刻む者、ジェイス》を戦場へ降臨させる。どの能力を使用するか司令官の三原と相談し、[+2]能力で自分のライブラリを確認することに決めた。
《秘密を掘り下げる者》を変身させることができなかったDario Vicedominiだが、《精神を刻む者、ジェイス》へ殴って忠誠度を減少させてから《不毛の大地》をプレイしてターンを終える。
さすがに一人だけニューゲームは分が悪すぎるとDario Vicedominiも思っていることだろう。
危なげなくターンが帰ってきた藤本は、三原に確認を取ってから《精神を刻む者、ジェイス》の[0]能力で《渦まく知識》をし、無事に弾丸である《引き裂かれし永劫、エムラクール》を入手したのだった。
Dario Vicedomini 0-1 藤本 知也
時を同じくして石田も勝利し、日本代表は全員がそろって先勝してみせた。要所要所で三原がアドバイスを両脇を固めるチームメイトに送りながら、彼らにとって大事な勝ち星を一つずつ積み重ねている。少年マンガでよく見かけるチームプレイとはかくや、というシーンを目の前で実践されているような錯覚を感じる筆者である。
現に、3人そろってサイドボードを迎えて、対戦相手のスイスと同様に彼らの話し声でフィーチャーテーブルは賑やかになっているのだから。
スイス代表
《Volcanic Island》《渦まく知識》という立ち上がりのDario Vicedominiに対して、藤本も《霧深い雨林》をフェッチして《島》を入手し《思案》でハンドを整えるというスタートを見せる。
《Tropical Island》から《タルモゴイフ》を戦場へ投入するDario Vicedomini。藤本は《霧深い雨林》をセットし、とりあえず《思案》する。
すでにゲームを終えた両方のセンターがそれぞれのプレイヤーにアドバイスを送る形でレガシーのマッチは進行しており、レガシーに不慣れな藤本は悩むたびに三原のアドバイスを得たうえでカードを選択していた。
Dario Vicedominiの《タルモゴイフ》が藤本に3点のダメージを与えてライフは16となる。ターン終了時に藤本は《霧深い雨林》を起動するが、そこに突き刺さる《もみ消し》!
「もってたー。」と苦笑いする藤本と三原。「まあ、しゃーないよ。」という三原のなぐさめに頷きながら、残った《島》で《渦まく知識》をプレイ。いくつかの選択肢を三原に提示して、確認を取りながらカードをライブラリへと戻す。
「ディスカード。」と発声してDario Vicedominiの了解を取ってから、藤本はあふれた手札から《引き裂かれし永劫、エムラクール》を捨ててライブラリを回復させる。
ソーサリーを失った《タルモゴイフ》は藤本に2点のダメージを与えてライフを14とする。《古えの墳墓》をセットからライフを12に減らしつつ《実物提示教育》をプレイする藤本だが、Dario Vicedominiは《赤霊破》でがっちりキャッチ。
ソーサリーをふたたび獲得した《タルモゴイフ》が 3/4 に成長して藤本のライフを9とする。Dario Vicedominiは《思案》すると《沸騰する小湖》を入手、これをフェッチして《Tropical Island》を戦場へ。
藤本は《渦まく知識》で手札の内容を整えると《Volcanic Island》をプレイしてターンを終える。Dario Vicedominiは《タルモゴイフ》をレッドゾーンに送り込み、藤本のライフを6に落とし込む。
ここで石田がマッチに勝利して日本チームが勝利が決まった! ・・・が、黙って目線で藤本にプレイを続けるよう促すスパルタな三原。スイス側も止める気は無いようで、そのままゲームは続いていく。
三原 「いいからお前は練習しろ。」
藤本 「わかりました。」
そう答えると、ターン終了時に《渦まく知識》をプレイする。Dario Vicedominiはしばらく考えていたが、これにはなにもしないことを選ぶ。メインにライフを4に減らしながらの《実物提示教育》をプレイする藤本。
Dario Vicedominiもチームメイトと相談しながらこれをどうするか悩んでいる。お互いにとって実戦がなによりの練習の場、ということなのだろう。早口な上に異国の言葉で何を言っているかはわからないが、カウンターをするだろうことだけは雰囲気で分かった。
結局《目くらまし》を追放して《Force of Will》することを選んだDario Vicedominiに対し、藤本もいちおう《赤霊破》してみるが、さらに《瞬唱の魔道士》をコストにした《Force of Will》でカウンターし、レガシーのスコアをタイに戻すことに成功したスイスチームだった。
Dario Vicedomini 1-1 藤本 知也
すでにチームの勝敗は決まっているが、練習のためにチームメイトからプレイすることを要求されているレガシー担当の両者。
当然のようにサイドボードが行われ、スイスチームはジャッジに「これ(チームの勝敗は決まってても)プレイしてていいんだよね?」と確認する念の入りようである。
そんなスパルタなチームメイトにたいして勝利を捧げられるのは、藤本か、Dario Vicedominiか。
モダン:Matthias Künzler vs 三原 槙仁 Game 1
三原が《霧深い雨林》、Matthias Künzlerが《蒸気孔》から《血清の幻視》という立ち上がり。 三原は《島》をプレイすると《霧深い雨林》をフェッチして《島》をサーチしてから《呪文滑り》をプレイ。 Matthias Künzlerは《ギタクシア派の調査》で三原のハンドを確認し、ついで《血清の幻視》でライブラリを掘り進めてから《霧深い雨林》をプレイ。フェッチして《島》を入手してライブラリを再構成し、さらに《血清の幻視》をプレイしてターンを終える。 《蒸気孔》をプレイしてターンを返した三原は、Matthias Künzlerのアップキープに《詐欺師の総督》を瞬速でプレイしてMatthias Künzlerの《蒸気孔》をタップしてマナを縛る。 そのままターンを返すだけのMatthias Künzlerに対して三原は《欠片の双子》を《詐欺師の総督》にエンチャントして、4ターンキルを決めたのだった。 Matthias Künzler 0-1 三原 槙仁レガシー:Dario Vicedomini vs 藤本 知也 Game 1
先攻の藤本は《沸騰する小湖》フェッチから《Volcanic Island》をセットして《思案》をプレイ、対するDario Vicedominiも同じく《Volcanic Island》から《思案》という鏡うちでスタートするレガシー対決。 続く2ターン目に藤本は《島》をセットするのみ、Dario Vicedominiは《不毛の大地》をセットしてターンを終える。 藤本は《古えの墳墓》をセットするとフルタップして《騙し討ち》をプレイ! たまらずDario Vicedominiは《目くらまし》するが、藤本も《目くらまし》で通しにかかる。そこへDario Vicedominiは《Force of Will》するが、藤本もこれに《Force of Will》を合わせてみせるという、これぞまさにレガシー!というカウンター合戦のすえ、《騙し討ち》が戦場へ着地する。モダン:Matthias Künzler vs 三原 槙仁 Game 2
先攻のMatthias Künzlerは《島》から《血清の幻視》という立ち上がり。一方の三原は《島》セットからマナを支払って《ギタクシア派の調査》というライフを守るプレイング。 ふたたび《血清の幻視》をプレイしたMatthias Künzlerは、《蒸気孔》セットから《ギタクシア派の調査》をプレイして、こちらも相手のハンドを確認しておく。 三原は《血清の幻視》プレイから《霧深い雨林》をセットしてターンを返す。《島》をセットするのみでMatthias Künzlerがターンを終えると、ターン終了時に三原は《霧深い雨林》をフェッチして《蒸気孔》をインプレイ、メインで《燃え柳の木立ち》とマナを充実させる。 Matthias Künzlerは三原のターン終了時に《深遠の覗き見》をプレイして《ギタクシア派の調査》を入手する。 Matthias Künzlerのアップキープに《詐欺師の総督》を瞬速でプレイした三原は、Matthias Künzlerの《蒸気孔》をタップしてマナを縛る。 Matthias Künzlerはペイライフして《ギタクシア派の調査》をプレイして三原のハンドをもう一度確認してターンを終える。三原はかまわずフルタップして《欠片の双子》を《詐欺師の総督》にプレイ! 頼りがいのある日本のエースが、連続で4ターンキルを決めてみせた。 Matthias Künzler 0-2 三原 槙仁レガシー:Dario Vicedomini vs 藤本 知也 Game 2
レガシー:Dario Vicedomini vs 藤本 知也 Game 3
先攻の藤本は《島》から《思案》という立ち上がり。一方《Volcanic Island》をプレイするのみのDario Vicedomini。藤本は《沸騰する小湖》を追加してターンを終える。 ターン終了時にDario Vicedominiが《渦まく知識》すると、三原が「スタック!」と発言して、ちょっと慌てる藤本。サイドボード中に指摘されたプレイについて忘れかけていたらしい。「練習していて良かったね」と三原につっこまれながら、対応して《渦まく知識》をプレイする藤本、ついで《もみ消し》されないうちに《沸騰する小湖》を《Volcanic Island》へ変換する。 Dario Vicedominiはメインで《不毛の大地》をプレイして藤本が入手したばかりの《Volcanic Island》を破壊すると《秘密を掘り下げる者》を召喚する。 おかわりの《Volcanic Island》を手札からプレイしてターンを返すだけの藤本に対して、Dario Vicedominiはアップキープにみごと《秘密を掘り下げる者》を《昆虫の逸脱者》へと変身させ、またも《不毛の大地》で藤本の《Volcanic Island》を破壊する。 対応して《赤霊破》で《昆虫の逸脱者》を破壊しようと試みるが、これは《呪文嵌め》を切っての《Force of Will》でカウンターされる。変身したばかりの《昆虫の逸脱者》がレッドゾーンへ送り込まれて藤本のライフは 16 へ。 今度は《古えの墳墓》をセットする藤本は、これもみたび襲いかかる《不毛の大地》によって失うこととなった。《昆虫の逸脱者》に襲われ藤本のライフは 13 となる。 藤本は苦笑しながら《古えの墳墓》をプレイし、ペイライフしながら《実物提示教育》するが、Dario Vicedominiは《目くらまし》でカウンター。 《昆虫の逸脱者》が攻撃して藤本のライフはすでに8。Dario Vicedominiは《目くらまし》で手札に戻した《Volcanic Island》をプレイすると《思案》し、チームメイトと相談しながらプレイを考える。チームメイトと相談できるのはチーム戦の醍醐味である。 もはやライフに猶予のない藤本は、《沸騰する小湖》をセットしてから、ライフを6に減らしながらの《実物提示教育》を再び。Dario Vicedominiはしばらく考えるがこれを通す。 それぞれ提示したカードは《引き裂かれし永劫、エムラクール》と《沸騰する小湖》。Dario Vicedominiは提示した《沸騰する小湖》をフェッチするが、スタックして藤本も《沸騰する小湖》をフェッチして《Volcanic Island》をサーチ。藤本のライフは5となる。Dario Vicedominiは《Tropical Island》をサーチして、目の前に佇む怪物へ挑む手段を考える。 祈るようにDario Vicedominiの動向を見守る藤本に、Dario Vicedominiは手札から引いてきた《Volcanic Island》をプレイすると右手を差し出した。 Dario Vicedomini 1-2 藤本 知也 日本代表完全勝利!RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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