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EVENT COVERAGE
プロツアー『イクサラン』
準決勝:John Rolf(アメリカ) vs. Pascal Maynard(カナダ)
Corbin Hosler / Tr. Chikara Aoki
2017年11月5日
ジョン・ロルフ/John Rolf(ラムナプ・レッド)vs. パスカル・メイナード/Pascal Maynard(白青・王神の贈り物)
パスカル・メイナードはプロツアー『イクサラン』で反逆を貫いた。フィールドのほぼ半分がエネルギー関連のデッキに占められていたが、メイナードは環境に対してポジションの良くない「白青・王神の贈り物」を持ち込んだのだ。
メイナードのデッキが準決勝にいないと思われていたのなら、ジョン・ロルフはそもそも準決勝にいないと思われていただろう。ネブラスカ州オマハ生まれのロルフは2度のグランプリトップ8を果たしているものの、プロツアーでのトップ8はまだなかった。
アルバカーキですべてが変わった。両者とも準々決勝では印象的な勝利を収めた。メイナードは準々決勝で敗退したプロツアー『ゲートウォッチの誓い』よりもひとつ上に行き、ロルフは緊張した素振りも見せずにドイツのクリスティアン・ホーク/Christian Hauckを下した。
ロルフは昨シーズンのスタンダードで決定的なアーキタイプだった「ラムナプ・レッド」を使っている。《熱烈の神ハゾレト》を主体とした速攻クリーチャーとブロック阻害クリーチャーに、『イクサラン』からライフ獲得を阻害する《暴れ回るフェロキドン》が加わった。ロルフはトップ8でただ1人の「ラムナプ・レッド」プレイヤーであったが、今週末のデッキ使用者数は全体の2番目だった。
ゲーム展開
両者マリガンから始まった準決勝だが、お互いに良いスタートを切る。メイナードが《査問長官》から《アズカンタの探索》を出す一方で、ロルフは2ターン目の《地揺すりのケンラ》で最初の血飛沫を引き出す。
《聖なる猫》は一見無害ながらこのマッチアップでは重要なカードで、メイナードは《地揺すりのケンラ》をブロックするため、3ターン目に不朽で戦場に出す。ロルフにとっては運悪く、《査問長官》のお説教がメイナードの《アズカンタの探索》を変身させて「マナ加速」となり、5ターン目に《発明の天使》がさらなるブロッカーと絆魂持ちを増やす。
《発明の天使》は《稲妻の一撃》で落とされるものの、すぐに2体目が続く。それも除去されるが霊気装置・トークンを残していくだけでも十分だ。しかし、《熱烈の神ハゾレト》と「永遠」の《地揺すりのケンラ》がチャンプ・ブロックを強いて、メイナードを守勢に追いやる。
しかし《王神の贈り物》がすべてを変える。《発明の天使》が大きくなって戻り、絆魂もついているとあってはロルフはお手上げ。カードを片付けて第2ゲームに備えた。
第2ゲームはロルフの《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》がビートダウンを始め、《過酷な指導者》が続く。その間、メイナードは最初の2ターンをゲームプランの用意に費やす。《王神の贈り物》を墓地に送り、《聖なる猫》を時間稼ぎのブロッカーとして出した。
大きな決定機は第4ターンに訪れた。メイナードは《復元》で《王神の贈り物》を戦場に出してロルフの《削剥》で対応されるのを嫌い、《聖なる猫》を不朽することのみを選択した。次のロルフの攻撃でメイナードのライフは10になり、帰ってきたターンにメイナードは《復元》を唱える。
予想通り《王神の贈り物》は《削剥》され、《熱烈の神ハゾレト》が圧力をかける。チャンプ・ブロックでメイナードのライフは4に留まり、2枚目の《復元》により《王神の贈り物》が《発明の天使》を戻し、2枚目の《聖なる猫》が続く。
メイナードは文字通りにも比喩的にもライフを戻した。次の攻撃でライフを16点とし、ロルフは自分のドロー・ステップに投了した。
第3ゲームにロルフはやっと1マナクリーチャー、今回は《ボーマットの急使》を出せた。メイナードの《査問長官》は《ショック》で対応し、《領事の権限》には《暴れ回るフェロキドン》が応える。
3枚目の土地がなく、《聖なる猫》でライフを得られず、《ボーマットの急使》の下にカードが積み上がっており、メイナードは奈落の底にいるようだ。3枚目の土地と《機知の勇者》でライブラリーを掘り進めたが、4枚目の土地がなかったメイナードはロルフの軍勢の前に投了を余儀なくされた。
第4ゲームを先手で始めたメイナードだが、ロルフが《損魂魔道士》、《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》と唱える一方で、1ターン目と2ターン目には何もプレイするものがなく、最初のアクションである《機知の勇者》でクリーチャーも《王神の贈り物》も墓地に送ることが叶わない。
メイナードは《博覧会場の警備員》で《暴れ回るフェロキドン》を追放し、《査問長官》で《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》と潜在的な《屍肉あさりの地》ににらみをきかせる。次のターンに《発明の天使》が唱えられると、《削剥》で《博覧会場の警備員》が除去されて《暴れ回るフェロキドン》が戻り、天使が連れきた霊気装置・トークンでダメージがメイナードに飛ぶ。
それでも、メイナードは《暴れ回るフェロキドン》を除去し、《機知の勇者》を追加する。ロルフには攻撃していない《ボーマットの急使》と《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》がいるだけで、メイナードの《機知の勇者》、霊気装置・トークンと《聖なる猫》・トークンに直面する。さらなる4/4の《機知の勇者》・トークンがロルフの前に登攀困難の壁として立ちはだかる。
何かしてくれるとすれば《反逆の先導者、チャンドラ》だ。《反逆の先導者、チャンドラ》はメイナードのクリーチャーを1体除去し、ブロッカーさえいればこの赤い紅蓮術士は攻撃せずとも勝利することができる。
《反逆の先導者、チャンドラ》は除去できなかったものの、《発明の天使》という最高の回答をしたメイナードはロルフの2体のクリーチャーを排除し、続く《機知の勇者》で手札を整える。
攻勢を増すメイナードは《敵意ある砂漠》を起動し、《機知の勇者》とトークン1体をブロックに残して攻撃する。ロルフは最後の手札の《削剥》で《発明の天使》を除去したが、次のドローは役に立たず、プロツアー『イクサラン』決勝に進むパスカル・メイナードに手を差し伸べた。
マッチのあとに歓談する2人をカメラのフラッシュが包み、メイナードは決勝への準備をしながら簡潔にプロツアー・サンデーを要約した。
「普段はあまり笑わないんだけれど、今日はこぼれてしまうね。」
パスカル・メイナードがジョン・ロルフを3勝1敗で下し、決勝に進む!
14 《山》 4 《ラムナプの遺跡》 4 《陽焼けした砂漠》 2 《屍肉あさりの地》 -土地(24)- 4 《ボーマットの急使》 4 《損魂魔道士》 4 《地揺すりのケンラ》 3 《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》 2 《過酷な指導者》 3 《アン一門の壊し屋》 2 《暴れ回るフェロキドン》 4 《熱烈の神ハゾレト》 -クリーチャー(26)- |
4 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 2 《削剥》 -呪文(10)- |
3 《ピア・ナラー》 2 《暴れ回るフェロキドン》 2 《栄光をもたらすもの》 2 《チャンドラの敗北》 2 《削剥》 2 《霊気圏の収集艇》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
7 《島》 6 《平地》 4 《氷河の城砦》 3 《灌漑農地》 2 《イプヌの細流》 -土地(22)- 4 《査問長官》 4 《聖なる猫》 4 《機知の勇者》 4 《発明の天使》 -クリーチャー(16)- |
2 《選択》 4 《航路の作成》 4 《巧みな軍略》 2 《アズカンタの探索》 4 《復元》 2 《排斥》 4 《王神の贈り物》 -呪文(22)- |
4 《博覧会場の警備員》 3 《賞罰の天使》 1 《領事の権限》 2 《ジェイスの敗北》 2 《否認》 1 《燻蒸》 1 《領事の旗艦、スカイソブリン》 1 《敵意ある砂漠》 -サイドボード(15)- |
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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