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EVENT COVERAGE
プロツアー『イニストラードを覆う影』
準決勝:Seth Manfield(アメリカ) vs. Steve Rubin(アメリカ)
Tobi Henke / Tr. Tetsuya Yabuki
2016年4月24日
セス・マンフィールド/Seth Manfield(エスパー・コントロール) vs. スティーヴ・ルービン/Steve Rubin(緑白トークン)
準決勝第1試合では、アンドレア・メングッチ/Andrea Mengucciが八十岡 翔太を3勝2敗という接戦の末に下した。今こそ、メングッチと彼の操る「バント・カンパニー」との雌雄を決する戦いに挑む相手を決めるときだ。
もうひとつの決勝の席を争うのは、スティーヴ・ルービンとセス・マンフィールドの両名。このふたりにブラッド・ネルソン/Brad Nelsonを加えた3人は、最近チームを結成した。だが今大会に向けてはうまくチームとして機能せず、それぞれが別のグループで練習を行うことになった。3人がみな別のチームの御旗を掲げ、別のデッキを使用しているにも関わらず、こうして全員トップ8の舞台で相見えることになるとは、なんとも面白い話だ。
現世界王者であるセス・マンフィールドは、チーム「East West Bowl」謹製のプレインズウォーカーを中心にした「エスパー・コントロール」を選択。プラチナ・レベル・プロのスティーヴ・ルービンは、チーム「Face-to-Face Games」の面々が使用している「緑白トークン」デッキを操る。このマッチアップは、攻める側と守る側という陣営がはっきりしているものの、デッキリストを見るにある特徴をともにしていた――両プレイヤーともプレインズウォーカーを8枚採用しており、消耗戦に強い構成をしているのだ。
ゲーム展開
ルービンが序盤に展開したクリーチャーたちではマンフィールドが4ターン目に繰り出した《卓絶のナーセット》を倒すことはできず、さらに《次元の激高》を受けて全滅の憂き目にあった。空いた隙に《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を着地させたルービンだったが、マンフィールドはナーセットの[-2]能力に続いて《闇の誓願》を放ち、《破滅の道》を持ってくるとそれで《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を退場させた。状況はルービンにとってかなり厳しいものになる。
クリーチャーと除去呪文の応酬の中で、《卓絶のナーセット》がカード・アドバンテージを稼ぎ出した。ルービンの繰り出した2枚目の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と同盟者・トークンが《シルムガルの命令》1枚で対処されると、ついに彼の脅威を繰り出す手が止まった。戦場に残る脅威といえば《ウェストヴェイルの修道院》のみだ。
だが、毎ターン1/1トークンを生み出すくらいでは、マンフィールドのプレインズウォーカーたち――《秘密の解明者、ジェイス》に《死の宿敵、ソリン》まで加えた「スーパー・フレンズ」と渡り合うことはできなかった。やがて、《終止符のスフィンクス》がこのゲームに終止符を打つことになった。
2ゲーム目、ルービンは《搭載歩行機械》2枚を続けて繰り出し、それぞれに2個目の+1/+1カウンターを置きにいった。しかし1体は能力の起動に応じて《闇の掌握》を受け、もう1体も2枚目の《闇の掌握》で対処された。
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は《呪文萎れ》を受けたが、2枚目が通った。《衰滅》を受け、ルービンの盤面には《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》だけが残る。だがギデオンの攻撃でマンフィールドのライフは大きく削られ、彼はこれに対処する手段がなかった。《荒野の確保》も通り、ルービンは素早くゲームを奪ったのだった。
3ゲーム目は、互いにプレインズウォーカーを倒し合う展開になった。まずはマンフィールドの《ヴリンの神童、ジェイス》が《石の宣告》で追放され、ルービンの植物・トークンに守られた《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》は《苦渋の破棄》を受けた。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》も同じ運命をたどり、2枚目の《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》は《破滅の道》へ送られる。
そうしながら、マンフィールドは《ヴリンの神童、ジェイス》の「変身」に成功したものの、《森の代言者》による攻撃を受け続けていた。ルービンが繰り出した2枚目の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》に対しては、《束縛なきテレパス、ジェイス》の[-3]能力で墓地から《破滅の道》を差し向けた。
だがルービンのトークンと《森の代言者》は生きており、《束縛なきテレパス、ジェイス》を退場させつつマンフィールドのライフを残り10点にした。続けて《優雅な鷺、シガルダ》と《死の宿敵、ソリン》が実質的に1対1交換を取り、3/3で戦場に現れた《搭載歩行機械》がマンフィールドにプレッシャーを与え続けた。
やがて、ルービンが序盤に繰り出した2体の植物・トークンと《搭載歩行機械》、それにもう2体のクリーチャーを生け贄に《不敬の皇子、オーメンダール》を呼び出すと、マンフィールドは投了を余儀なくされたのだった。
これで後がなくなったマンフィールドだが、4ゲーム目は少なくとも先手で動ける。ルービンが2体目のクリーチャー――1ターン目に繰り出して以来となる2枚目の《スレイベンの検査官》を着地させる頃には、マンフィールドの盤面には《ゲトの裏切り者、カリタス》がいた。
《ゲトの裏切り者、カリタス》の攻撃は止められず、マンフィールドはさらに《卓絶のナーセット》と《ヴリンの神童、ジェイス》を盤面に追加した。そして《苦渋の破棄》の再利用がルービンをさらに追い詰める。彼は様々なサイズの《搭載歩行機械》を繰り出したものの、(《苦渋の破棄》や《ゲトの裏切り者、カリタス》によって)トークンを生み出せず、盤面の取り返しは不可能だった。
あと1ゲーム。ルービンは再び先手の恩恵を受け、それを最大限に活かした。彼は再度2ターン目、3ターン目と続けて《搭載歩行機械》を繰り出し、マンフィールドの3ターン目のアップキープに1体目を2/2に育てた。
マンフィールドはこれに対応してアクションを起こさず、青マナ源の確保にも失敗したため《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を止めることもできなかった。4ターン目には《詰まった河口》から《衰滅》を放つことができたが、まだルービンの盤面には3体の飛行機械と《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》がいる。そして《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》がそれらに力を与え、一挙12点でマンフィールドのライフは残り5点となった。
《シルムガルの命令》で《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と飛行機械1体を除去したマンフィールドだが、続く攻撃で残りライフ1点。マジック・コミュニティ全体が固唾を飲んで見守る。
ルービンはターンを渡した。
マンフィールドは6枚目の土地を置き、ターンを返した。ターン終了時、ルービンが《大天使アヴァシン》を唱えた。
マンフィールドは右手を差し出し、「グッドゲーム」と声をかけたのだった。
試合後、ルービンにこの試合の相性を尋ねてみた。これだけの接戦を彼は予想していたのだろうか?
「大きく有利とまでは言えませんね」とルービンは答えた。彼は、サイドボードの影響が大きかったと言う。この試合では、効果的でないカードを抜きながら決め手となるカードを入れることができたそうだ。それから彼は、先手の大切さを強調した。「先手が取れたゲームはすべて勝ちましたから」
今大会も残るはあと1試合。ルービンは決勝で当たる「バント・カンパニー」との相性を考え、言った。次もまた接戦になるだろう、と......
スティーヴ・ルービンがセス・マンフィールドを3勝2敗で下し、決勝へ!
6 《沼》 3 《島》 1 《平地》 4 《窪み渓谷》 1 《詰まった河口》 4 《大草原の川》 4 《乱脈な気孔》 4 《進化する未開地》 -土地(27)- 1 《終止符のスフィンクス》 -クリーチャー(1)- |
4 《予期》 4 《闇の掌握》 4 《究極の価格》 2 《破滅の道》 2 《呪文萎れ》 4 《衰滅》 2 《闇の誓願》 1 《次元の激高》 1 《シルムガルの命令》 3 《卓絶のナーセット》 2 《秘密の解明者、ジェイス》 1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 2 《死の宿敵、ソリン》 -呪文(32)- |
3 《ヴリンの神童、ジェイス》 2 《ゲトの裏切り者、カリタス》 2 《龍王オジュタイ》 2 《強迫》 2 《否認》 1 《精神背信》 2 《苦渋の破棄》 1 《無限の抹消》 -サイドボード(15)- |
7 《森》 7 《平地》 4 《梢の眺望》 4 《要塞化した村》 3 《ウェストヴェイルの修道院》 -土地(25)- 4 《スレイベンの検査官》 4 《森の代言者》 4 《大天使アヴァシン》 4 《搭載歩行機械》 -クリーチャー(16)- |
3 《ニッサの誓い》 4 《ドロモカの命令》 2 《荒野の確保》 1 《進化の飛躍》 1 《停滞の罠》 4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(19)- |
2 《ラムホルトの平和主義者》 1 《優雅な鷺、シガルダ》 1 《保護者、リンヴァーラ》 3 《石の宣告》 2 《翼切り》 1 《進化の飛躍》 1 《荒野の確保》 1 《隔離の場》 3 《悲劇的な傲慢》 -サイドボード(15)- |
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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