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プロツアー『イニストラードを覆う影』
プロツアー『イニストラードを覆う影』ドラフト全勝者たち
Tobi Henke / Tr. Tetsuya Yabuki
2016年4月23日
378人のプレイヤーの中で、今大会リミテッド部門6戦全勝を果たしたプレイヤーは8人しかいない。殿堂顕彰者ジョン・フィンケル/Jon Finkel、2013-2014年度プレイヤー・オブ・ザ・イヤーのジェレミー・デザーニ/Jeremy Dezani、プラチナ・レベル・プロのマルシオ・カルヴァーロ/Marcio Carvalho、グランプリ王者のマット・セヴェラ/Matt Severaとタイラー・ライトル/Tyler Lytle、2013-2014年度ルーキー・オブ・ザ・イヤーのレイモンド・ペレスJr/Raymond Perez, Jr、グランプリ・トップ8入賞経験者のルイス・サルヴァート/Luis Salvatto、そして長年にわたりマジックを楽しみプロツアー出場経験も多数あるジョナサン・モロウスキー/Jonathan Morawski。
さて、6戦全勝。そこには一体どんな秘密があるのだろうか?
「ラッキーだったよ」とジョン・フィンケルは皮肉めいた口調で言う。「いや、冗談とかではないんだ。(練習中に)3-0できたのは1度きりだ」
彼は第1ドラフトにおいても強力な緑青のデッキを組み上げた。しかし第2ドラフトのデッキは、今大会を通しても最も印象深いもののひとつだと言えるだろう。彼は《大天使アヴァシン》1枚を除いて、黒単色のデッキを組んでみせたのだ。
「最初は黒から始めたわけじゃなかった」とフィンケルは回想する。「第1ピックは《近野の司祭》を置いて《ラムホルトの平和主義者》を取った。それから《ファルケンラスの後継者》、3手目は《エルドワルの照光》だったかな。そして、緑のカードが取れたのは、記憶が確かなら4手目の《針毛の狼》が最後だったと思う」
その後、黒のカードが次々と流れてきた。そして3つ目のパックを開封すると、《大天使アヴァシン》が登場したというわけだ。
「その時点で優秀な黒のカードが17枚ほど集まっていて、検討したい緑のカードも2枚あった。もう十分じゃないか?と思ったものだよ」と、フィンケルは続ける。「他に優れた緑のカードがあればそっちをピックしていたのだが、そのパックにはなかった」
こうして《大天使アヴァシン》をピックした彼は、《歯牙収集家》と《闇告げカラス》を流すことになった。だがそれらはのちに、9手目に戻ってきた。黒は完全に空いていたのだ。
8 《森》 8 《島》 -土地(16)- 1 《死天狗茸の栽培者》 1 《薄暮見の徴募兵》 1 《エルドワルの照光》 1 《針毛の狼》 1 《裏道の急使》 1 《墓モグラ》 1 《縫合の刻み獣》 1 《枝細工の魔女》 1 《溺墓の探検者》 1 《沈黙の観察者》 1 《もう一人の自分》 1 《ゲラルフの傑作》 1 《茨隠れの狼》 1 《巣網から見張るもの》 -クリーチャー(14)- |
2 《ウルヴェンワルド横断》 2 《ジェイスの精査》 2 《ただの風》 1 《回答の強要》 2 《目録》 1 《行方不明》 -呪文(10)- |
11 《沼》 6 《平地》 -土地(17)- 1 《療養所の骸骨》 3 《ファルケンラスの後継者》 1 《グール呼びの共犯者》 1 《オリヴィアの血誓い》 2 《闇告げカラス》 2 《吸血貴族》 1 《親切な余所者》 4 《流城の導師》 1 《灰口の雄馬》 1 《大天使アヴァシン》 1 《マウアー地所の双子》 -クリーチャー(18)- |
1 《死の重み》 1 《悪意の調合》 1 《死の円舞曲》 1 《殺人衝動》 1 《絞首》 -呪文(5)- |
マット・セヴェラがドラフトしたデッキも、実に興味深いものだ。彼は徹底的にひとつの戦略を追い求めた。2回のドラフトを合わせて《秋の憂鬱》3枚に《黴墓のゴミあさり》4枚というピックは、彼がそれだけ「昂揚」戦略を狙っていたということだ――《ガラスの破片》をピックすることも厭わないほどに!
9 《森》 7 《島》 -土地(16)- 2 《壌土のドライアド》 1 《スレイベンのガーゴイル》 2 《内陸の木こり》 1 《ラムホルトの平和主義者》 1 《黴墓のゴミあさり》 2 《縫合の刻み獣》 2 《招かれざる霊》 1 《ナッターノールズの隠遁者》 1 《縫い翼のスカーブ》 -クリーチャー(13)- |
1 《未知との対決》 1 《忘れられていた家宝》 1 《ガラスの破片》 1 《発生の器》 1 《狙いは高く》 1 《継続する調査》 1 《回答の強要》 1 《狂気の一咬み》 2 《秋の憂鬱》 1 《疑惑の裏付け》 -呪文(11)- |
8 《森》 7 《沼》 1 《穢れた果樹園》 -土地(16)- 3 《黴墓のゴミあさり》 1 《薄暮見の徴募兵》 1 《偏執的な皮剥ぎ人》 2 《裏道の急使》 1 《闇告げカラス》 1 《鬱後家蜘蛛》 2 《マルコフの戦慄騎士》 1 《グール馬》 1 《マウアー地所の双子》 -クリーチャー(13)- |
4 《死の重み》 1 《ウルヴェンワルド横断》 1 《発生の器》 1 《狙いは高く》 1 《奇怪な突然変異》 1 《死の円舞曲》 1 《狂気の一咬み》 1 《秋の憂鬱》 -呪文(11)- |
全勝した《ガラスの破片》入りの「昂揚」デッキをさらにご紹介しよう。
8 《平地》 7 《沼》 1 《放棄された聖域》 -土地(16)- 1 《療養所の骸骨》 1 《スレイベンの検査官》 1 《倒し霊》 1 《町のゴシップ屋》 1 《グール呼びの共犯者》 1 《腐臭ネズミ》 1 《物騒な群衆》 1 《不屈の聖戦士》 1 《親切な余所者》 1 《敬虔な福音者》 1 《歯牙収集家》 1 《薬剤師の霊》 1 《鼓舞する隊長》 1 《遁走する馬車》 3 《遠沼の猟犬》 -クリーチャー(17)- |
1 《死の重み》 1 《爆発性の機器》 1 《ガラスの破片》 1 《合鍵》 1 《腕っぷし》 1 《刺し込む光》 1 《餌食》 -呪文(7)- |
9 《山》 7 《森》 -土地(16)- 2 《村の伝書士》 1 《傲慢な新生子》 1 《燃えさし眼の狼》 1 《内陸の木こり》 1 《ラムホルトの平和主義者》 1 《苛虐な魔道士》 1 《首折れ路の乗り手》 1 《枝細工の魔女》 2 《ヴォルダーレンの決闘者》 1 《巨体の悪魔》 1 《孤独な狩人》 1 《上弦の月の教団》 -クリーチャー(14)- |
1 《忘れられていた家宝》 1 《アドレナリン作用》 2 《無差別な怒り》 1 《狙いは高く》 1 《溶岩の地割れ》 1 《月夜の狩り》 1 《信条の香炉》 1 《癇しゃく》 1 《悪意ある動機》 -呪文(10)- |
《遠沼の猟犬》を駆使したのは、(先ほど見ていただいた)タイラー・ライトルのデッキだけではない。レイモンド・ペレスJrもまた、「白黒『昂揚』」デッキに複数枚採用している。
8 《平地》 8 《沼》 1 《放棄された聖域》 -土地(17)- 1 《療養所の骸骨》 1 《スレイベンの検査官》 1 《町のゴシップ屋》 2 《腐臭ネズミ》 1 《グール呼びの共犯者》 1 《ムーアランドの流れ者》 1 《枝細工の魔女》 1 《荒原のカカシ》 1 《薬剤師の霊》 1 《灰口の雄馬》 2 《遠沼の猟犬》 1 《マウアー地所の双子》 1 《ドラグスコルの騎兵》 -クリーチャー(15)- |
1 《血統の呼び出し》 1 《邪悪の暴露》 1 《死の円舞曲》 1 《刺し込む光》 1 《天使の粛清》 1 《突き刺さる雨》 1 《絞首》 1 《死の宿敵、ソリン》 -呪文(8)- |
9 《沼》 8 《山》 -土地(17)- 1 《甘やかす貴種》 1 《グール呼びの共犯者》 1 《つぶやく悪鬼》 1 《トロスタッドの死騎手》 1 《貪欲な求血者》 1 《苛虐な魔道士》 1 《血狂いの吸血鬼》 1 《歯牙収集家》 1 《灰口の雄馬》 1 《流城の導師》 2 《マウアー地所の双子》 1 《グール馬》 1 《モークラットの屍蛞蝓》 -クリーチャー(14)- |
1 《死の重み》 1 《アドレナリン作用》 1 《死の円舞曲》 1 《苦しめる声》 2 《癇しゃく》 1 《ギサの召集》 1 《床下から》 1 《絞首》 -呪文(9)- |
一方、ジェレミー・デザーニは青赤と黒赤で全勝を果たした。第1ドラフトのデッキは11枚ものインスタントとソーサリーを活かしたものであり、《苛虐な魔道士》3枚に《薄暮のニブリス》、《逸脱した研究者》、さらには《氷の中の存在》まで擁している。
第2ドラフトのデッキは、《十三恐怖症》が目を引く、見るからに強力なものだ。また、どちらのデッキにも《悪魔の遊び場》が入っているのも興味深い。これで彼が赤好きだと見なすのは、安易すぎるだろうか?
「ああ、そうだよ。赤は大好きな色だ」と、デザーニは答えた。「どの色よりもね」
10 《山》 7 《島》 -土地(17)- 1 《傲慢な新生子》 3 《苛虐な魔道士》 1 《氷の中の存在》 1 《血狂いの吸血鬼》 1 《薄暮のニブリス》 1 《罪を誘うもの》 1 《逸脱した研究者》 1 《忘れられた作品》 1 《狂気の預言者》 1 《ヴォルダーレンの決闘者》 -クリーチャー(12)- |
1 《アドレナリン作用》 2 《回答の強要》 2 《苦しめる声》 1 《ただの風》 1 《収まらぬ思い》 1 《行方不明》 1 《熟読》 1 《灰と化す》 1 《悪魔の遊び場》 -呪文(11)- |
9 《沼》 8 《山》 -土地(17)- 1 《傲慢な新生子》 3 《腐臭ネズミ》 1 《精神病棟の訪問者》 1 《燃えさし眼の狼》 1 《オリヴィアの血誓い》 1 《貪欲な求血者》 2 《吠え群れの狼》 2 《吸血貴族》 1 《闇告げカラス》 1 《戦墓の巨人》 1 《狂気の預言者》 -クリーチャー(15)- |
1 《死の重み》 1 《奇怪な突然変異》 1 《悪意ある動機》 1 《十三恐怖症》 3 《灰と化す》 1 《悪魔の遊び場》 -呪文(8)- |
マルシオ・カルヴァーロは、黒赤のテンポ・デッキと黒緑の「昂揚」デッキで全勝を達成した。
8 《島》 8 《山》 -土地(16)- 2 《隠れるホムンクルス》 1 《貪欲な求血者》 1 《苛虐な魔道士》 1 《災いの狼》 2 《血狂いの吸血鬼》 2 《薄暮のニブリス》 2 《縫合の刻み獣》 2 《招かれざる霊》 1 《無謀な識者》 1 《沈黙の観察者》 -クリーチャー(15)- |
1 《稲妻の斧》 2 《抗えない抑止》 1 《かそけき翼》 1 《無差別な怒り》 2 《霊魂破》 1 《癇しゃく》 1 《熟読》 -呪文(9)- |
9 《沼》 7 《森》 1 《穢れた果樹園》 -土地(17)- 1 《精神病棟の訪問者》 1 《死天狗茸の栽培者》 1 《グール呼びの共犯者》 1 《針毛の狼》 1 《腐臭ネズミ》 1 《闇告げカラス》 1 《鬱後家蜘蛛》 1 《歯牙収集家》 2 《神出鬼没な拷問者》 1 《孤独な狩人》 1 《古き知恵の賢者》 1 《モークラットの屍蛞蝓》 -クリーチャー(13)- |
2 《発生の器》 1 《爆発性の機器》 1 《忘れられていた家宝》 1 《狙いは高く》 1 《奇怪な突然変異》 1 《死の円舞曲》 1 《秋の憂鬱》 1 《ギサの召集》 1 《道理を超えた力》 -呪文(10)- |
ルイス・サルヴァートの無敗デッキは、緑白と白青だ。
9 《森》 7 《平地》 1 《ねじれ地帯》 -土地(17)- 1 《薄暮見の徴募兵》 1 《偏執的な皮剥ぎ人》 1 《針毛の狼》 1 《物騒な群衆》 1 《裏道の急使》 1 《ナッターノールズの隠遁者》 1 《戦闘的な審問官》 1 《敬虔な福音者》 2 《アヴァシン教の宣教師》 2 《群れの守護獣》 1 《剛胆な補給兵》 1 《孤独な狩人》 1 《茨隠れの狼》 1 《巣網から見張るもの》 -クリーチャー(16)- |
1 《忘れられていた家宝》 1 《腕っぷし》 2 《狙いは高く》 1 《信条の香炉》 1 《刹那の器》 1 《天使の粛清》 -呪文(7)- |
8 《島》 8 《平地》 1 《港町》 -土地(17)- 1 《スレイベンの検査官》 1 《倒し霊》 2 《氷の中の存在》 1 《ムーアランドの流れ者》 1 《薄暮のニブリス》 1 《霊体の羊飼い》 2 《沈黙の観察者》 1 《薬剤師の霊》 1 《縫い翼のスカーブ》 2 《嵐乗りの精霊》 1 《眠れぬ者の使者》 -クリーチャー(14)- |
1 《ただの風》 1 《収まらぬ思い》 1 《刺し込む光》 1 《永遠の見守り》 1 《目録》 1 《銀の一撃》 1 《教団の歓迎》 2 《熟読》 -呪文(9)- |
そしてジョナサン・モロウスキーは、《戦争に向かう者、オリヴィア》と《大天使アヴァシン》動員したのだった。
9 《山》 8 《沼》 -土地(17)- 1 《療養所の骸骨》 1 《村の伝書士》 1 《ファルケンラスの後継者》 1 《ケッシグの鍛冶場主》 1 《オリヴィアの血誓い》 1 《貪欲な求血者》 1 《災いの狼》 1 《既決殺人犯》 1 《吠え群れの狼》 1 《親切な余所者》 1 《戦争に向かう者、オリヴィア》 1 《歯牙収集家》 1 《枝細工の魔女》 1 《灰口の雄馬》 1 《流城の導師》 1 《手に負えない若輩》 1 《マウアー地所の双子》 -クリーチャー(17)- |
1 《奇怪な突然変異》 1 《死の円舞曲》 1 《苦しめる声》 1 《放たれた怒り》 1 《悪意ある動機》 1 《絞首》 -呪文(6)- |
9 《平地》 8 《島》 -土地(17)- 1 《スレイベンの検査官》 2 《ムーアランドの流れ者》 2 《聖戦士の相棒》 2 《薄暮のニブリス》 1 《不屈の聖戦士》 1 《溺墓の探検者》 1 《忘れられた作品》 1 《沈黙の観察者》 2 《嵐乗りの精霊》 1 《大天使アヴァシン》 -クリーチャー(14)- |
2 《ジェイスの精査》 1 《抗えない抑止》 1 《邪悪の暴露》 1 《ただの風》 1 《天使の粛清》 1 《金縛り》 1 《執念》 1 《行方不明》 -呪文(9)- |
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