- HOME
- >
- EVENT COVERAGE
- >
- プロツアー『マジック・オリジン』
- >
- デッキテク:黒緑「悪魔の契約」
EVENT COVERAGE
プロツアー『マジック・オリジン』
デッキテク:黒緑「悪魔の契約」
Corbin Hosler / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru
2015年8月1日
《悪魔の契約》。これほど「デッキを組みたくなる」カードは、現在のスタンダード環境では見つけられないだろう。『マジック・オリジン』の4マナ・エンチャントで、カードパワーは誰が見てもすさまじいものだが、多くのプレイヤーにとってこのカードが内包しているリスクは乗り越えられないほどのものでもある。自分のカードで負けになるリスクを避けるため、このプロツアーに向かうプレイヤーのほとんどは他のカードに目を向けた。
アントニオ・デル・モラル・レオン/Antonio Del Moral León は、その例外だった。
スペイン人の彼は、『マジック・オリジン』のプレビューでこのカードを一目見た瞬間に惚れ込んでいた。
「これはこのデッキ最強のカードで、第4ターンにできる最高の行動だ。このアドバンテージは無視できないね」 彼は言う。
その通り。しかし、《悪魔の契約》そのものには何の疑いもない。問題は、どうやって取り除くか、さらに言えばどうやって必要なときに手札に戻すかなのだ。デル・モラル・レオンが創造力を見せる必要があるのはその点だった。
「最初は、《払拭の光》で除去できると思ったから、白から手をつけたんだ。でも1週間もしたら、誰かにそれはできないって言われたのさ。だから、黒緑に決めたんだ」 ばつの悪そうな表情で、彼はそう認めた。
《悪魔の契約》を携えてプロツアー『マジック・オリジン』に挑んだのはデル・モラル・レオンだけではなかったが、《侵入する生物種》というかなり有効なテクニックを持ち込んだのは彼だけだった。
実際、このデッキの鍵の1つであるのは、『基本セット2015』の忘れ去られたカードだった《侵入する生物種》だった。必要なときに《悪魔の契約》を拾うのはもちろん、再び変異で唱えて墓地にあるカードを手札に戻せるように、《棲み家の防御者》をいったん手札に戻すことも何度もあった。
「他の人たちは《悪魔の契約》を青黒で使っていたけれど、それだと赤デッキに弱くなるんだ。僕たちは緑を使っていたので、赤相手に本当に頼りになる《クルフィックスの狩猟者》がプレイできた」
《侵入する生物種》を選んだだけではまだ半分だった。その後、デル・モラル・レオンはどちらも引かなかった時にも負けないよう、充分安定した「コンボ」を作らなければならなかった。彼が見出したのは、『マジック・オリジン』の、これもまた見落とされていたクリーチャーだった。
「《森林の怒声吠え》は必要なものを引いてこれる、本当にいいカードさ。それに、大型クリーチャーでもある」
このカードでデッキの全てが繋がった。《侵入する生物種》を探してきて《悪魔の契約》を戻すだけでなく(便利なことに、土地が順当に並んでいればこの2枚を唱えられる)、シルバーバレットとして仕込んである《再利用の賢者》、あるいはいつでも強い《クルフィックスの狩猟者》、さらには手札に《侵入する生物種》が残っていて《棲み家の防御者》を次のターンに戻せる状態なら《棲み家の防御者》を持ってきてもいい。そして、プロツアー『運命再編』の王者いわく、攻撃して6点与えることもできる、と。
デッキを統合する最後の鍵は《巨森の予見者、ニッサ》だった。序盤に出ることができれば、《森林の怒声吠え》をきちんと唱えるために不可欠な土地をデッキから持ってくるという役割を果たしてくれる。一方、長期戦になれば、デル・モラル・レオンに必要な、バンクーバーで見せたような攻撃的な柔軟性をもたらしてくれるのだ。
黒から《思考囲い》での妨害や数枚の除去呪文を入れれば、序盤をしのげて、かつ《巨森の予見者、ニッサ》《悪魔の契約》《精霊龍、ウギン》のおかげで環境最強の長期戦の準備もできる黒緑デッキの完成だ。バンクーバーでの12回戦終了時点で9勝3敗の成績を残し、トップ8にも充分手が届く、デル・モラル・レオンのデッキはこちら。
5 《沼》 4 《森》 4 《ジャングルのうろ穴》 4 《ラノワールの荒原》 4 《疾病の神殿》 1 《華やかな宮殿》 1 《神秘の神殿》 1 《静寂の神殿》 1 《精霊龍の安息地》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(26)- 2 《棲み家の防御者》 4 《クルフィックスの狩猟者》 2 《侵入する生物種》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 1 《再利用の賢者》 3 《森林の怒声吠え》 -クリーチャー(14)- |
4 《思考囲い》 2 《胆汁病》 2 《究極の価格》 4 《英雄の破滅》 1 《骨読み》 4 《悪魔の契約》 2 《衰滅》 1 《精霊龍、ウギン》 -呪文(20)- |
1 《エレボスの代行者》 2 《強迫》 1 《自然に帰れ》 3 《悲哀まみれ》 1 《骨読み》 2 《命運の核心》 2 《精神染み》 1 《リリアナ・ヴェス》 1 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 1 《精霊龍、ウギン》 -サイドボード(15)- |
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
RANKING ランキング
NEWEST 最新の記事
-
2024.11.12観戦記事
The Week That Was: 熱烈な勇者の帰還|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.27観戦記事
第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権 決勝戦|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.26トピック
第30回マジック世界選手権 トップ8プロフィールとデッキリスト|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.26観戦記事
Magic World Championship 30 Day Two Highlights|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.25観戦記事
Magic World Championship 30 Day One Highlights|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.25戦略記事
The Spiciest Decklists of Magic World Championship 30|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権