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EVENT COVERAGE
プロツアー『マジック・オリジン』
バンクーバー・マリガン・ルール
Marc Calderaro / Tr. Yusuke Yoshikawa
2015年7月31日
プロツアーに行くことを考えるとき、そこにはさまざまな側面がある。多くの新カードが加わったフォーマットを2つプレイテストすることは冗談では済まされない。通常、それ以上を加えることはプレイヤーにとって大きな重荷になる。しかし、このプロツアー『マジック・オリジン』では、重荷としか思えない新趣向が加えられた。それが、「バンクーバー・マリガン」だ。
本プロツアーは、今や伝統となった「パリ」マリガンへの変更を加える最初のお披露目となる。ともすれば、今後も続いていく新しい基本の始まりとなるかもしれない。
ルールの変更はとてもシンプルだ。初手の7枚が気に入らない場合、パリ・マリガンではデッキを切り直して再度初手を引くことが許されているが、そのたびに手札が1枚少なくなる。この手順は手札が0枚になるまで繰り返すことができる。バンクーバー・マリガンでもこれは同じだが、双方のプレイヤーがマリガンを完了した時点で、手札が6枚以下になっているプレイヤーは、占術1を行なうことができるようになった。ライブラリーの一番上のカードを見て、気に入らなければ、それを一番下に送ることができるのだ。
以下に、正確なルールをヘレン・バーゴット/Helene Beregotの記事から引用する。
103.4. 各プレイヤーは初期手札枚数に等しい枚数のカードを引く。初期手札枚数は通常7枚である(ただし効果によって初期手札枚数が変わることがある)。最初の手札が満足できるものでなかったプレイヤーは、マリガンを行なうことができる。まず、開始プレイヤーがマリガンを行なうかどうかを決め、その後、ターン順に各プレイヤーが同様の選択を行なう。全プレイヤーが選択を終えた後、マリガンすることを選んだプレイヤーは同時にマリガンを行なう。マリガンとは、手札をライブラリーに加えて切り直し、そして1枚少ない枚数の新しい手札を引くことである。これ以上マリガンをしないと決めたら、そのカードがそのプレイヤーの開始時の手札となり、それ以降マリガンをすることはできない。この手順は、すべてのプレイヤーがマリガンしなくなるまで繰り返される。(手札が0枚になった場合、そのプレイヤーはそれ以上マリガンすることはできない。)その後、開始プレイヤーからターン順に、開始時の手札が初期手札枚数よりも少ないプレイヤーは占術1を行ってもよい。
プロたちから聞こえる反応は圧倒的にポジティブなものだった。世界ランキング23位の八十岡翔太は、この変更がコントロールよりもアグロ戦略に利するものだと言っていたが、「それでもコントロールをプレイするけどね」と笑った。プロツアー殿堂顕彰者にして、グランプリ・ダラス/フォートワースでグランプリ7勝目を挙げたばかりの中村修平も大賛成だった。そして、世界ランキング20位のマイク・シグリスト/Mike Sigristも大げさにサムズアップをしてみせた。
彼の言によれば、この変更は6枚へとマリガンを選択するプレイヤーの数にわずかな影響を与えるだけだが、6枚から5枚を選ぶプレイヤーについては顕著だろう、そしてそれは良さそうだとのことだった。この所感は驚くべきものではなかった。なぜなら、それこそがこのルールの意図するところだからだ。
開発部のメンバーであるサム・ストッダートは、このルールの目的が複数回のマリガンによって「ゲームにならない」ゲームの数を最小化することにあると述べた。「我々は、マリガンを選ぶプレイヤーに相応のペナルティを受けてほしい、一貫性には利益を与えたいと変わらずに思っていますが......(パリ・マリガンのルール下での)ペナルティは大きすぎるのです。」 続けて、7枚をキープすることが飛び抜けて良いことには変わらず、単色の戦略で構築したり、土地の配分を適切にすることでキープ率を上げることが7枚を維持する最高の方法であることも変わらないと話した。5枚へマリガンした際の実際の勝率は劇的には変わらないかもしれないものの、そうしたゲームも、より楽しいマジックのゲームに近づくことを願っている、と。
ほぼ全員がこの変更を好ましく思っていることに不思議はない。
この変更が永続的なものになるかは、今後の経過次第だ。しかし、あくまでプロツアーでの観点ながら、今までのところはプレイヤーにとって背負う重荷であるよりも、楽しさをもたらすものであるようだ。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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