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プロツアー『ラヴニカのギルド』

戦略記事

プロツアー『ラヴニカのギルド』メタゲームブレイクダウン:2日目

Adam Styborski
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2018年11月10日

 

 この週末のスタンダードのデッキ選択においては、「ゴルガリ・ミッドレンジ」と「赤白アグロ」、「イゼット・ドレイク」、「赤単アグロ」が大きな人気を集め、その下にさまざまなコントロール戦略やアグロ戦略が広がっているという様相だった。

 初日の戦いを経て決まった2日目のメタゲームは、以下の通りだ。

アーキタイプ 2日目使用者数 使用率
ゴルガリ・ミッドレンジ 71 22.0%
赤白アグロ 56 17.4%
イゼット・ドレイク 45 14.0%
赤単アグロ 43 13.4%
ジェスカイ・コントロール 32 9.9%
ボロス・アグロ 12 3.7%
ボロス・天使 12 3.7%
セレズニア・トークン 10 3.1%
青単テンポ 7 2.2%
白ウィニー 6 1.9%
ディミーア・コントロール 5 1.6%
セレズニア・ミッドレンジ 5 1.6%
エスパー・コントロール 4 1.2%
ターボ・フォグ 4 1.2%
グリクシス・コントロール 3 0.9%
アブザン・ミッドレンジ 2 0.6%
ビッグ・レッド 1 0.3%
緑白アグロ 1 0.3%
ジェスカイ・ミッドレンジ 1 0.3%
ジャンド・ミッドレンジ 1 0.3%
スゥルタイ・ミッドレンジ 1 0.3%
レインボー・リッチ 0 0.0%
黒赤アグロ 0 0.0%
ナヤ・天使 0 0.0%
ナヤ・ランプ 0 0.0%
赤緑恐竜 0 0.0%
スゥルタイ・コントロール 0 0.0%

 だがこのデータだけではすべてを伝えられないだろう。2日目進出率も分析し、活躍したデッキといまひとつだったデッキを確かめてみよう。

  初日 2日目
アーキタイプ 使用者数 使用率 使用者数 使用率 進出率
ゴルガリ・ミッドレンジ 113 22.2% 71 22.0% 62.8%
赤白アグロ 81 15.9% 56 17.4% 69.1%
イゼット・ドレイク 66 12.9% 45 14.0% 68.2%
赤単アグロ 64 12.5% 43 13.4% 67.2%
ジェスカい・コントロール 56 11.0% 32 9.9% 57.1%
ボロス・天使 19 3.7% 12 3.7% 63.2%
ボロス・アグロ 18 3.5% 12 3.7% 66.7%
セレズニア・トークン 13 2.5% 10 3.1% 76.9%
青単テンポ 16 3.1% 7 2.2% 43.8%
白ウィニー 8 1.6% 6 1.9% 75.0%
ディミーア・コントロール 9 1.8% 5 1.6% 55.6%
セレズニア・ミッドレンジ 8 1.6% 5 1.6% 62.5%
ターボ・フォグ 9 1.8% 4 1.2% 44.4%
エスパー・コントロール 5 1.0% 4 1.2% 80.0%
グリクシス・コントロール 9 1.8% 3 0.9% 33.3%
アブザン・ミッドレンジ 3 0.6% 2 0.6% 66.7%
ジェスカイ・ミッドレンジ 2 0.4% 1 0.3% 50.0%
ビッグ・レッド 1 0.2% 1 0.3% 100.0%
緑白アグロ 1 0.2% 1 0.3% 100.0%
ジャンド・ミッドレンジ 1 0.2% 1 0.3% 100.0%
スゥルタイ・ミッドレンジ 1 0.2% 1 0.3% 100.0%
レインボー・リッチ 2 0.4% 0 0.0% 0.0%
黒赤アグロ 1 0.2% 0 0.0% 0.0%
ナヤ・天使 1 0.2% 0 0.0% 0.0%
ナヤ・ランプ 1 0.2% 0 0.0% 0.0%
赤緑恐竜 1 0.2% 0 0.0% 0.0%
スゥルタイ・コントロール 1 0.2% 0 0.0% 0.0%

 マッチ・ポイント12点獲得、つまり4勝4敗の成績を境に足切りが行われ、全体の約63%が2日目へ進出した。その数字が、うまくいったデッキとそうでないデッキを見る基準だ。

  • 「ゴルガリ・ミッドレンジ」は2日目も使用率トップを維持したが、2日目進出率は平均程度に留まった。今大会の最大勢力はまさに平均的な進出率を記録したが、サンプルの多さを鑑みればまったく珍しいことではない。「ゴルガリ・ミッドレンジ」は多くの人気を集めたものの、大活躍とまではいかなかったようだ。
  • コントロールは芳しくない結果に。テンポを活かして攻め立てる「イゼット・ドレイク」から軽量クリーチャーで地上を駆ける「赤白」、「ボロス」、「赤単」まで、多種多様なアグロ戦略がさまざまな角度からプレッシャーをかけてくるこの環境では、そのすべてを対処するのは極めて難しい。《遁走する蒸気族》を活かして《残骸の漂着》を乗り越えて勝てる「赤単」がいる一方で「ボロス・アグロ」は「教導」を活かして戦場を4/4で埋め尽くすため、常に有効なカードがないのだ。だがそれでもなお、結構な数が2日目にいることは無視できないだろう。「ジェスカイ・コントロール」や「グリクシス・コントロール」、「ディミーア・コントロール」はどれも平均進出率を下回る結果になったが、「エスパー・コントロール」は使用者がわずかながら80%の進出率を記録している。もしかしたら、この週末は「白青黒」のコントロールが正解だったのだろうか?
  • アグロ・デッキが優位に立った。アグロ・デッキの中でも使用者数上位の「赤白アグロ」、「赤単アグロ」、「ボロス・アグロ」はどれも平均進出率を上回る結果を出した。その理由としては、現行スタンダード環境においてアグレッシブな戦略が良い立ち位置にあることが挙げられるが、恐らくその多様性も一因となっているだろう。先に挙げた3デッキに、青の妨害手段を駆使してまた別の角度から攻める「イゼット・ドレイク」が加わり、アグロ戦略はかなり複雑になっている。そのため、すべてのアグロ戦略をひとまとめに対処できる手段がないのだ。
  • 2日目進出率最下位は「青単テンポ」。すべてのアグロ戦略が平均進出率を上回ったかといえばそうではなく、「青単テンポ」は期待されていた結果を出せなかったようだ。こちらも決して無視できない使用者数を持つものの、2日目進出率を下げた理由がドラフトの失敗だけとは思えない。この《》を用いるアグロ戦略がトップ8に入るのは難しいかと思われる。
  • 「セレズニア・トークン」が躍進を遂げた。目覚ましい2日目進出率を記録したことから、今大会では《平地》と《》を使うこのデッキがかなり良い選択だったと伺える。横に広く展開する戦略は強さ、持続力ともに申し分なく、アグレッシブなデッキの勢いを弱めながらも、コントロール・デッキに対しては特定の回答を迫り続ける。《協約の魂、イマーラ》から始めてトークンを生み出し続け、そして《大集団の行進》へつなげば、攻撃でもブロックでも大量のライフを得ることができるだろう。そして全体除去を連打されなければ、戦場を完全に制圧できる。

 「ゴルガリ・ミッドレンジ」とアグロ・デッキ、それからコントロール・デッキはトップ8入賞が期待できる。残る枠はこの2日目の戦い次第で、どのデッキにも可能性はあるだろう――最後まで目が離せない1日になりそうだ。

(Tr. Tetsuya Yabuki)

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RESULTS

対戦結果 順位
最終
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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