- HOME
- >
- EVENT COVERAGE
- >
- プロツアー『ローウィンの昏明』
- >
- メタゲーム・メンター:「プロツアー『ローウィンの昏明』」スタンダード・トップデッキ予想
EVENT COVERAGE
プロツアー『ローウィンの昏明』

メタゲーム・メンター:「プロツアー『ローウィンの昏明』」スタンダード・トップデッキ予想
2026年1月30日
こんにちは! プロツアーへの道のりにおけるトップデッキと最新の構築動向を毎週案内する「Metagame Mentor」へようこそ。『ローウィンの昏明』の発売に伴い、刺激的なスタンダードのシーズンへ踏み出すことになる。そして次の2つの週末は、結果に目が離せない週末となるはずである。
- 1月24~25日:地域チャンピオンシップの新たなスタンダード・ラウンドが、「SCG CON Portland」で開催される米国地域チャンピオンシップから幕を開ける。このシーズンの地域チャンピオンシップは、5月の「プロツアー『ストリクスヘイヴンの秘密』」へと繋がっていく。
- 1月30日~2月1日:賞金総額50万ドルと世界最強クラスのプレイヤーが集う「プロツアー『ローウィンの昏明』」が開幕する。詳細は観戦ガイドを参照してくれ。
どちらのイベントも、主役となるのは『ローウィンの昏明』が参入したスタンダードだ。今後の動向をいち早く伝えるため、本記事ではセット発売直前のスタンダード・メタゲームの現状を確認しつつ、『マジック』最新セットから注目すべき新カードを数枚取り上げる。
『ローウィンの昏明』前のスタンダード・メタゲーム
スタンダードは『マジック』のローテーションするカードプールから60枚以上のデッキを作成して戦うフォーマットだ。現在は『エルドレインの森』以降のスタンダード対応セットが使用可能となっている。「マジック・スポットライト:アバター」以降にメタゲームがどのように変化したかを分析するため、シミック・ウロボロイドの強さが広く理解されるようになった後の、成功したトーナメント・デッキ500以上を分析した。私のデータセットには、1月11日から1月18日に開催された「Magic Online」スケジュール・イベントで公開された全リストに加え、フランス・リヨンでの地域チャンピオンシップ特別予選(スタンダード)と、ジョージア州アトランタでのスーパーサンデー地域チャンピオンシップ予選のデッキリストも含まれている。
上位テーブルを支配しているデッキがどれであるかを示すため、各デッキに対し、補正後純勝利数(勝利数から敗北数を差し引いた値で、負の値は0に補正する)に基づいてポイントを割り当てた。このポイントを全イベントで合算することで、各アーキタイプが占める「補正後純勝利数」の総量に対する割合は、人気と成績を単一の包括的な指標、すなわち「勝者メタゲームでのシェア率」へと融合させたものになる。
| アーキタイプ | 勝者メタゲームでのシェア率 |
|---|---|
| 1. シミック・ウロボロイド | 23.8% ↑↑ |
| 2. イゼット講義 | 18.7% |
| 3. ジェスカイ・コントロール | 10.9% |
| 4. セレズニア上陸 | 8.2% ↑↑ |
| 5. ディミーア・ミッドレンジ | 6.9% ↓↓ |
| 6. 赤単アグロ | 5.5% |
| 7. ボロス・アグロ | 3.6% |
| 8. 緑単上陸 | 2.3% |
| 9. エスパー・ピクシー | 2.3% |
| 10. イゼット・ブリンク | 1.9% |
| 11. ティムール講義 | 1.7% |
| 12. アゾリウス・フラッシュ | 1.6% |
| 13. ゴルガリ・デーモン | 1.6% |
| 14. ゴルガリ・ウロボロイド | 1.6% |
| 15. バント気の技 | 1.5% |
| 16. ディミーア・バウンス | 1.5% |
| 17. スゥルタイ・リアニメイト | 0.8% ↓↓ |
| 18. その他 | 5.7% |
「その他」カテゴリには、ティムール・ウロボロイド、イゼット果敢、シミック全知、イゼット・ルーティング、ゴルガリ上陸、アゾリウス・コントロール、ボロス・トークン、同盟者、ボロス・ドラゴンなどのデッキが含まれる。
「マジック・スポットライト:アバター」の余波を受けて、その週末で最も強い成績を残した2つ、シミック・ウロボロイドとセレズニア上陸は、翌週にかけて人気が急上昇した。これは驚くに値しない。というのも、最新の成功したデッキは常に注目を集めるからである。だが同時に、スタンダードが月ごとにいかに急速に進化してきたかをも浮き彫りにしている。
12月の「第31回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権」では、参加者は《アナグマモグラの仔》に備え、軽い除去と適切なタイミングでの全体除去を用意していた。結果はアナグマモグラの仔デッキにとっては厳しいものとなり、非アナグマモグラの仔デッキに対する勝率は39%にとどまった。だが1月の「マジック・スポットライト:アバター」ではフィールドがイゼット講義を狙う方向へと舵を切り、その結果アナグマモグラの仔デッキが大いに活躍できる隙が生まれた。彼らは非アナグマモグラの仔デッキを相手にした対戦での勝率は56%となった。そして今、サイクルは再び回り、アナグマモグラの仔は非常に大きな標的にされており、『ローウィンの昏明』スタンダードへ向かうにあたっては立ち位置が不利になる可能性がある。それでも、新セット発売直前の時点では、依然として明確にトップに立っている。
一方で、イゼット講義とジェスカイ・コントロールは、引き続き安定した好成績を残してきた。しかし「マジック・スポットライト:アバター」における最大級の不振勢であったディミーア・ミッドレンジとスゥルタイ・リアニメイトは、成績が著しく低下した。
スタンダードの有力候補として最も重要なデッキを選出するため、私は個々のカードの人気と勝率のバランスを取るアルゴリズムを用いて、集計リストを構築した。勝者メタゲームでのシェア率で5%以上を占める、最も人気の高い6つのアーキタイプに加え『ローウィンの昏明』によって大きく恩恵を受けうる2つのマイナー戦略について見ていこう。
シミック・ウロボロイド(勝者メタゲームでのシェア率23.8%)
| 6 《森》 4 《植物の聖域》 4 《ウィローラッシュの境界》 4 《繁殖池》 4 《マルチバースへの通り道》 -土地(22)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《アナグマモグラの仔》 4 《遺伝子送粉機》 4 《ウロボロイド》 4 《量子の謎かけ屋》 4 《蜘蛛の顕現》 2 《マネドリ》 1 《孔蹄のビヒモス》 1 《マラング川の執政》 1 《失われし伝承の歩哨》 1 《再利用の賢者》 1 《鋭い目の管理者》 -クリーチャー(31)- |
4 《自然の律動》 2 《スパイダーセンス》 1 《跳ね弾き》 -呪文(7)- |
2 《鋭い目の管理者》 2 《神出鬼没の狩人、スーラク》 2 《溶かし歩きの消散》 2 《魂標ランタン》 2 《屑鉄撃ち》 1 《スパイダーセンス》 1 《バーシンセー》 1 《ビビアン・リード》 1 《声も出せない》 1 《再利用の賢者》 -サイドボード(15)- |
シミック・ウロボロイドは「マジック・スポットライト:アバター」で躍進したデッキだ。それ以降に形成した標準的リストは、サイモン・ニールセン/Simon Nielsenがフランス・リヨンで優勝した際に使用したバージョンと極めて近いものである。
このデッキは《ラノワールのエルフ》、《遺伝子送粉機》、《蜘蛛の顕現》、《アナグマモグラの仔》によるマナ加速に大きく依存している。戦場に軽量クリーチャーを次々と展開しながら、ゲームを決定づけるクリーチャーへと一気に繋いでいく。3ターン目に《ウロボロイド》を出せれば、盤面のパワーは一気に天文学的に跳ね上がるが、最適なムーブはさらに壮観である。引きがかみ合えば3ターン目に10マナ出せ、《自然の律動》から《孔蹄のビヒモス》を呼び出すことができる。
またよく似たデッキとして《スパイダーセンス》と《跳ね弾き》を、黒の干渉手段である《大洞窟のコウモリ》と《保安官を撃て》に置き換えたゴルガリ・ウロボロイドも存在する。このデッキは《量子の謎かけ屋》の代わりに《ベイルマークの大主》を使用するが、一般的には《量子の謎かけ屋》の方が強力なカードである、と捉えられている。
『ローウィンの昏明』を見据えると、《花を手入れする者》は、既に強力なこのデッキのマナ・エンジンをさらに押し上げる存在として際立っている。《量子の謎かけ屋》と《蜘蛛の顕現》が戦場にあれば、単体でタップして3マナを生み出せる。《草むした墓》と《寺院の庭》の追加は、新たな色のタッチを許容できるかもしれない。これにより、色彩メカニズムが真価を発揮し得る、意欲的な多色構築が促進されるだろう。
イゼット講義(勝者メタゲームでのシェア率18.7%)
| 6 《島》 4 《リバーパイアーの境界》 4 《尖塔断の運河》 4 《マルチバースへの通り道》 3 《山》 1 《アグナ・ケラ》 -土地(22)- 4 《ばあば》 -クリーチャー(4)- |
4 《爆裂の技》 4 《忍耐の記念碑》 4 《火の技の修行》 4 《積み重ねられた叡智》 4 《美術家の才能》 4 《ブーメランの基礎》 3 《愛着を捨てる》 3 《嵐追いの才能》 2 《アイローの表演》 1 《飲めば潤う!》 1 《呪文貫き》 -呪文(34)- |
2 《魂標ランタン》 2 《瞬間凍結》 2 《無効》 2 《否認》 1 《轟く機知、ラル》 1 《量子の謎かけ屋》 1 《呪文貫き》 1 《紅蓮地獄》 1 《アイローの表演》 1 《舷側砲の一斉射撃》 1 《愛着を捨てる》 -サイドボード(15)- |
イゼット講義は、『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』に収録されたコモンとアンコモンを中心に構成されたデッキであり、第31回マジック世界選手権で躍進したデッキである。このデッキは複数の効率的な除去呪文を含む講義カードを大量に採用しており、墓地に講義を3枚置くことが容易である。
戦場に《ばあば》がいれば、《積み重ねられた叡智》は実質的に《Ancestral Recall》となり、《爆裂の技》は《剣を鍬に》のように読める。最も成功しているバージョンは、自己完結したバリューの流れを生み出すために《美術家の才能》と《忍耐の記念碑》も取り入れている。
『ローウィンの昏明』からは、《蒸気孔》がマナベースを明確に強化する。《マルチバースへの通り道》を置き換えるにせよ、補完するにせよ、マナの安定性を向上させるだろう。
《呪文嵌め》もまた、少なくともサイドボード後で後攻のときに、青いデッキにとって潜在的に大幅な強化となる。《アナグマモグラの仔》や《美術家の才能》をたった1マナで打ち消せることは、主導権を握る助けとなる。イゼット講義においては、適切な対象が現れないなら《呪文嵌め》は終盤にいつでも捨てることもできる。《嵐追いの才能》と《ブーメランの基礎》を削るイゼット講義使いが増えていることを踏まえると、メインデッキに採用することすら、魅力的な選択肢となり得る。
ジェスカイ・コントロール(勝者メタゲームでのシェア率10.9%)
| 4 《フラッドファームの境界》 4 《行き届いた書庫》 4 《聖なる鋳造所》 3 《リバーパイアーの境界》 2 《湧霧の村》 2 《轟音の滝》 2 《サンビロウの境界》 1 《平地》 1 《優雅な談話室》 1 《島》 1 《コーリ山の僧院》 1 《マルチバースへの通り道》 -土地(26)- 2 《キヨシ島の大ウナギ》 1 《司書、ワン・シー・トン》 -クリーチャー(3)- |
4 《喝破》 4 《稲妻のらせん》 4 《食糧補充》 4 《失せろ》 4 《星間航路の助言》 3 《ジェスカイの啓示》 2 《審判の日》 2 《削剥》 2 《安らかなる眠り》 1 《古代魔法「アルテマ」》 1 《三歩先》 -呪文(31)- |
2 《跳ねる春、ベーザ》 2 《無効》 2 《勝利の楽士》 2 《ティシャーナの潮縛り》 1 《否認》 1 《古代魔法「アルテマ」》 1 《炎魔法》 1 《紅蓮地獄》 1 《司書、ワン・シー・トン》 1 《悪魔祓い》 1 《審判の日》 -サイドボード(15)- |
ジェスカイ・コントロールは打ち消し、除去、全体除去、ドロー効果によってゲームのペースの支配を狙う、昔ながらのコントロール・デッキだ。《審判の日》が並んだ緑のクリーチャーを一掃し、《古代魔法「アルテマ」》は土の技による帰還も阻止するため、ジェスカイ・コントロールはシミック・ウロボロイドに対して有利であると広く受け止められている。
個々のカード選択はさまざまだが、ジェスカイ・コントロールは一般的にメインデッキに《安らかなる眠り》を採用し、《積み重ねられた叡智》のような墓地に依存する効果を鈍らせる。このデッキは通常《ジェスカイの啓示》と《キヨシ島の大ウナギ》でゲームを締めくくる。特にイゼット講義にとって、後者は対処が難しい脅威だ。ジェスカイ・コントロールの最大の弱点は上陸戦略であり、このデッキは粘り強い終盤のアドバンテージ・エンジンと爆発的なコンボ・フィニッシュ、そして《審判の日》をすり抜ける機体を持っている。
『ローウィンの昏明』によって、ジェスカイ・コントロールは《神聖なる泉》と《蒸気孔》によって明確にマナ基盤が強化される。《焼きつけ》もまた、ほとんどのクリーチャーを焼き払える効率的なインスタント・タイミングの除去呪文として採用候補になり、《悪夢滅ぼし、魁渡》にすら対処できる。
《呪文嵌め》の再録は、さらに重要かもしれない。これは常に複数フォーマットで活躍してきたオールスターであり、コントロール・デッキにも容易に収まる。特に後手番で《アナグマモグラの仔》を打ち消すことは、ゲーム全体をひっくり返し得る。1ターン目に《神聖なる泉》や《蒸気孔》を2点ライフを支払ってアンタップインさせ、《呪文嵌め》をブラフするプレイが始まるかどうかは実に興味深いところである。フォーマットにこのカードが存在するという事実だけで、序盤のターンの進め方が作り変えられてしまう可能性すらある。
セレズニア上陸(勝者メタゲームでのシェア率8.2%)
| 10 《森》 4 《脱出トンネル》 4 《寓話の小道》 4 《ハッシュウッドの境界》 2 《バーシンセー》 1 《平地》 1 《有望な鉱脈》 -土地(26)- 4 《強靭形態の調和者》 4 《氷耕しの探検家》 4 《ラノワールのエルフ》 4 《アナグマモグラの仔》 3 《サッズのヒナチョコボ》 1 《棘を播く者、逆棘のビル》 -クリーチャー(20)- |
4 《土のベンダーの位に至る》 4 《縫い目破り》 3 《幻獣との交わり》 2 《重厚な世界踏破車》 1 《狩人の才能》 -呪文(14)- |
4 《鳴り渡る龍哮の征服者》 4 《幽霊による庇護》 2 《苔生まれのハイドラ》 2 《屑鉄撃ち》 2 《フェリダーの撤退》 1 《魂標ランタン》 -サイドボード(15)- |
セレズニア上陸は、強力なエンジンである《氷耕しの探検家》、《寓話の小道》、《脱出トンネル》、《幻獣との交わり》によって構築されている。これらが合わさり、ライブラリーから土地を素早く抜きつつ、自分自身を切削する。その過程で、フラッシュバックした《幻獣との交わり》がさらなるアドバンテージをもたらし、その自己切削を圧倒的な終盤エンジンへと変える。同時に《強靭形態の調和者》は唐突な致死級の攻撃をちらつかせ、警戒を強いる。チャンプブロッカーを用意しておけるかどうかが、安定化できるかその場で倒れるかの分かれ目となり得る。
この上陸を軸に組む方法はさまざまである。緑単型も依然人気だが、ここ1週間で最も一般的だったのは、シミック・ウロボロイドとのマッチアップを改善するための軽い白タッチだ。《縫い目破り》は相手のマナの伸びを妨害し、《鳴り渡る龍哮の征服者》はマナ・クリーチャーに対する最も苛烈なサイドボード回答の一つである。これは土の技した土地さえもバニラ・クリーチャーに変えてしまう。《鳴り渡る龍哮の征服者》を投入する際、自分の《アナグマモグラの仔》をサイドアウトする羽目になることもあるだろうが、この攻め筋は間違いなく強力だ。
『ローウィンの昏明』からは、《寺院の庭》がマナベースを改善し得る。これが《ハッシュウッドの境界》と入れ替わるなら、1ターン目の《縫い目破り》が現実的になり、さらに別の興味深い新顔である《若木の生育場》のための森の枚数も増える。このエンチャントは序盤に置け、いずれ巨大なツリーフォーク・トークンで戦場を埋め尽くすことができる。それは《フェリダーの撤退》と同様、ジェスカイ・コントロールに対する価値あるサイドボード選択肢として台頭するかもしれない。違いは、より大きいクリーチャーを供給し、全体除去を生き残る助けとなる破壊不能を備えている点である。
ディミーア・ミッドレンジ(勝者メタゲームでのシェア率6.9%)
| 5 《沼》 4 《島》 4 《湿った墓》 4 《グルームレイクの境界》 3 《マルチバースへの通り道》 2 《不穏な浅瀬》 2 《魂石の聖域》 1 《噴水港》 -土地(25)- 4 《フラッドピットの溺れさせ》 4 《永劫の好奇心》 4 《遠眼鏡のセイレーン》 4 《ティシャーナの潮縛り》 4 《大洞窟のコウモリ》 2 《暗黒騎士、セシル》 -クリーチャー(22)- |
4 《悪夢滅ぼし、魁渡》 2 《苦々しい勝利》 2 《保安官を撃て》 2 《突き刺し》 1 《本質の散乱》 1 《幻影の干渉》 1 《悲劇の軌跡》 -呪文(13)- |
3 《黒い太陽の日》 2 《強迫》 2 《無効》 1 《魂標ランタン》 1 《否認》 1 《呪文貫き》 1 《突き刺し》 1 《キヨシ島の大ウナギ》 1 《除霊用掃除機》 1 《戦略的裏切り》 1 《軽蔑的な一撃》 -サイドボード(15)- |
ディミーア・ミッドレンジは、除去、手札破壊、打ち消しを織り交ぜて相手を妨害しつつ、軽く回避能力を持つクリーチャーによってプレッシャーをかけることを狙う。《永劫の好奇心》が戦場に出れば、それらのクリーチャーが手札を補充できるようになり、《悪夢滅ぼし、魁渡》は追加のカード・アドバンテージを安定して供給する。
『ローウィンの昏明』により、ディミーア・ミッドレンジはついにフェアリー同士のシナジーを本格的に探れるだけのカードが揃うかもしれない。これまでも《フェアリーの剣技》、《呪文どもり》、《タリオンの伝書使》といった見返りへのアクセスはあったが、選択肢の増加によって、それらを支える土台が整いつつある。《閃翼の嫌がらせ屋》は《遠眼鏡のセイレーン》と並ぶ上振れを持つ1/1飛行として加わり得るし、《苦花を携える者》は、かつて禁止された《苦花》を想起させる。さらに《エレンドラ谷の守護者》は、コントロール・デッキ相手に光る能力を備えた、十分なサイズのボディを提供する。
また、-1/-1カウンターを参照するフェアリーたちは、《致命的な一押し》を彷彿とさせる強力な新除去である《報いの呪詛》とのさらなるシナジーも生み出す。総じて『ローウィンの昏明』は、ディミーア・ミッドレンジに真剣に検討する価値のある新たなツールを豊富に与えている。
赤単アグロ(勝者メタゲームでのシェア率5.5%)
| 13 《山》 4 《リバーパイアーの境界》 3 《魂石の聖域》 2 《岩面村》 2 《尖塔断の運河》 -土地(24)- 4 《雇われ爪》 4 《新星のヘルカイト》 4 《剃刀族の棘頭》 4 《煮えたぎるバイパー》 3 《最深の力、オヘル・アショニル》 3 《狂信的扇動者》 2 《光砕く者、テルサ》 -クリーチャー(24)- |
4 《稲妻の一撃》 4 《噴出の稲妻》 4 《ショック》 -呪文(12)- |
4 《魔道士封じのトカゲ》 4 《アイローの表演》 3 《陽背骨のオオヤマネコ》 2 《魂標ランタン》 2 《ロクの伝説》 -サイドボード(15)- |
赤単アグロは、可能な限り速く勝つことを目指し、速攻クリーチャーと直接ダメージ呪文に頼って相手のライフを0まで削り切るデッキである。軽量で速攻を持つ脅威を、火力呪文で後押しするという古典的な公式は、今なお相変わらず強力である。
「マジック・スポットライト:アバター」では、ボロス・アグロが高い勝率を叩き出した。これは主に除去重視のイゼット講義では十分に対処できない強力な火力《ボロスの魔除け》のおかげである。しかしオンラインでは、《最深の力、オヘル・アショニル》を中心に据えた赤単アグロの方が一般的である。オヘルが戦場にいれば、《狂信的扇動者》、《雇われ爪》、《煮えたぎるバイパー》、《剃刀族の棘頭》といったカードが4点ダメージと化し、デッキが素早くゲームを終わらせることを可能にする。
『ローウィンの昏明』からの採用候補を見渡すと、現行の構築から大きく外れないことが正解かもしれない。《鮮麗》はソーサリー・タイミングの《稲妻の一撃》として火力枠を増加させ、終盤にはおまけでクリーチャーまで加えることができる。ボロス・アグロの魅力の一つは、サイド後に《ウロボロイド》へ明快に対処できる《失せろ》へアクセスできる点であったが、新たに印刷された《焼きつけ》が白タッチを必要とせずにその役割を担える可能性がある。《巨石くだり》も注目に値し、《アナグマモグラの仔》への効率的な回答となりつつ、後の《最深の力、オヘル・アショニル》とも良く噛み合う。
最後に、《蒸気孔》と《血の墓所》は新たなタッチの選択肢を解禁し得る。黒に少し触って《月影》を採用し、《逸失への恐怖》と《光砕く者、テルサ》でパーマネント・カードを捨てることでクリーチャーを成長させる、といったバージョンすら想像できる。新たなツールがいくつも増える以上、赤系アグロ・デッキを決して侮ってはならない。
ゴルガリ・デーモン(勝者メタゲームでのシェア率1.6%)
| 4 《沼》 4 《花盛りの湿地》 4 《ウェイストウッドの境界》 4 《マルチバースへの通り道》 3 《眠らずの小屋》 3 《森》 2 《魂石の聖域》 -土地(24)- 4 《名もなき都市の歩哨》 4 《ラノワールのエルフ》 4 《アナグマモグラの仔》 3 《デモンズウォール》 3 《ウロボロイド》 2 《大洞窟のコウモリ》 2 《分派の説教者》 -クリーチャー(22)- |
4 《不浄な別室 // 祭儀室》 2 《突き刺し》 2 《苦々しい勝利》 1 《脅迫戦術》 1 《大渦の脈動》 1 《保安官を撃て》 1 《長い別れ》 1 《一巻の終わり》 1 《花粉の分析》 -呪文(14)- |
4 《強迫》 2 《黒い太陽の日》 2 《受け継ぎし地の開墾》 2 《蛇皮のヴェール》 2 《零地点のバラード》 1 《ビビアン・リード》 1 《魂標ランタン》 1 《一巻の終わり》 -サイドボード(15)- |
ゴルガリ・デーモンは、この1週間にMagic Onlineの複数のイベントで姿を見せた。ゴルガリ・ウロボロイドのようにマナ加速へ全力投球するのではなく、効率的な干渉手段を軸に、より伝統的なミッドレンジ・ゲームを展開する。真にこのデッキを際立たせているのは、デーモンのシナジーである。《デモンズウォール》から《不浄な別室 // 祭儀室》へとカーブを繋げることで、ライフを吸い取りつつカードも引けるエンジンが起動し、さらにゲーム後半には《魂石の聖域》がデーモンとなり、吸収を継続させられる。
このアーキタイプを強調する理由の一つは、『ローウィンの昏明』により《易変の探検者》という形で、意味のある強化を得る可能性がある点である。これは多相を持つためデーモンとして数えられ、《不浄な別室 // 祭儀室》を直接的に強化する。都合のよいことにドラゴンでもあるため、《苛性の吐息》や《ゴミあさりの執政》のようなカードもデッキに組み込め得る。《易変の探検者》は、これら複数のシナジーを束ねる「接着剤」となる可能性がある。
スゥルタイ・リアニメイト(勝者メタゲームでのシェア率0.8%)
| 4 《繁殖池》 4 《花盛りの湿地》 3 《湿った墓》 2 《ウェイストウッドの境界》 2 《ウィローラッシュの境界》 2 《地底の遺体安置所》 1 《沼》 1 《迷路庭園》 1 《魂の洞窟》 1 《地底街の下水道》 1 《島》 1 《森》 -土地(23)- 4 《最後の贈り物の運び手》 4 《スーペリア・スパイダーマン》 4 《不注意な読書家》 4 《ベイルマークの大主》 4 《繁殖蜘蛛》 3 《簒奪者、アーデン》 2 《苦難の収穫者》 1 《オリジナル、アシエン・エメトセルク》 -クリーチャー(26)- |
4 《誉れある死者の目覚め》 4 《苦々しい勝利》 3 《花粉の分析》 -呪文(11)- |
3 《大洞窟のコウモリ》 3 《緊急の検死》 2 《魂標ランタン》 2 《災厄の占い師、グラルブ》 2 《ラクシャーサ流取り引き》 1 《破壊の嵐孵り》 1 《網撃の精鋭》 1 《受け継ぎし地の開墾》 -サイドボード(15)- |
スゥルタイ・リアニメイトは墓地を中心に据えたコンボデッキであり、墓地を肥やしつつ《スーペリア・スパイダーマン》を探しに行き、これが《最後の贈り物の運び手》のコピーとして戦場に出ることで、事実上そこでゲームを終わらせることを狙う戦略である。この戦略は《魂標ランタン》や《安らかなる眠り》のような墓地対策に脆く、近ごろこれらの効果が増えていることが、直近イベントでの振るわない成績に繋がっている。
しかし『ローウィンの昏明』は有望な強化をいくつももたらす。《並外れた語り部》は優れた準備パーツとして際立っており、《最後の贈り物の運び手》を捨てつつ《スーペリア・スパイダーマン》をサーチできる。これだけでもデッキの安定性は大きく向上し得る。《不完全な自然体、ルーウェン》も検討に値する。墓地を肥やしつつ《スーペリア・スパイダーマン》を4枚分深く掘り進められるが、よりインパクトの大きい追加要素としては《並外れた語り部》のほうが有望に見える。
一方で《欺瞞》と《幽愁》は、《スーペリア・スパイダーマン》と綺麗に噛み合いながら、墓地対策に対する耐性を高め得る。《並外れた語り部》が《幽愁》を持ってきて、相手の《安らかなる眠り》に対処する展開は容易に想像できる。さらに{U}{U}{B}{B}を支払って《スーペリア・スパイダーマン》を唱え、《欺瞞》のコピーとして戦場に出せば、バウンスと手札破壊の効果を、たった4マナで両方得られることになる。『ローウィンの昏明』は幅広い新しいプレイ手順への扉を開き、スゥルタイ・リアニメイトに探究すべき多くのトリックを与えている。
『ローウィンの昏明』で生まれた5つの新しいアーキタイプ
『ローウィンの昏明』の発売により、スタンダードは幅広い強化を受けており、その多くは既存のアーキタイプへ無理なく収まっている。だが新セットは、まったく新しいデッキを生み出し得る数多くのカードも導入している。とりわけ、5つのクリーチャー・タイプは、完全なタイプ的デッキを支え得るだけの層の厚さを持つように見える。これらのデッキはイゼット講義のような除去を厚く積んだ戦略に苦戦するかもしれないが、それは熱心なビルダーが限界を探ることを止めてきた理由にはならない。
セレズニア・キスキン:これは低カーブのアグレッシブ・デッキを指し示している。1ターン目に《寓話の大立者》または《キンズベイルの野心家》、2ターン目に《キンザーの歩哨》か《鋸折りの戦闘員》、そして3ターン目に《小村の心、ブリジッド》か《ブリジッドの命令》で畳みかける展開を想像してみてほしい。キスキンのタイプ的シナジーや干渉手段はやや限定的に見えるが、このアグレッシブの核は相手に素早く圧力をかけられる。
ゴルガリ・エルフ:《ラノワールのエルフ》がすでにスタンダード屈指のカードである以上、エルフ・デッキは強力な動きへ容易に加速できる。《完全者の闘士》は(モダンで禁止されている)《垣間見る自然》を彷彿とさせ、《無感情の栽培者、トリスタン》は墓地シナジーを支える。一方で《トリスタンの命令》はランプの見返りとして機能する。エルフはさまざまな方向に構築可能である。
アゾリウス・マーフォーク:《思考の泉のマーフォーク》は『霊気走破』で登場し、《ワンダーワインの知恵者、シグ》と《深水路の決闘者》はいずれも相手が序盤にもたついた場合に優れたサポートとなりそうである。《水流乱し》と《ワンダーブラインの罠師》は《深根の巡礼》を誘発させる助けとなり、さまざまなタップやアンタップ・シナジーへの扉を開く。《シグの命令》は追加のアドバンテージと柔軟性によってデッキをまとめ上げ得る。
イゼット・エレメンタル:このデッキは《魂光りの求道者》、《炎束ね》、そして《再点火、アシュリング》を用いて、新たな想起エレメンタルへランプし、その後《アシュリングの命令》 でそれらをコピーして追加のアドバンテージを得る、という形になり得る。《魂の洞窟》、《閑静な中庭》、《蝕界》を駆使すれば、《まだ死んでいない》の支援も受けつつ、5色すべてにまたがる想起エレメンタルを使いこなすことさえ現実的かもしれない。
ラクドス・ゴブリン:これは《グラブの命令》の最後のモードを悪用するために設計された、アグレッシブで、粘り強く、クリーチャー密度の高いデッキとなるだろう。序盤のカーブとしては《泥デコの呪い投げ》、《汚れ背のたかり屋》、《売り物のつまみ食い》、そして《名高き女族長、グラブ》といった新カードを採用し得る。これらのクリーチャーによって、ゴブリンは相手に圧力をかけつつ、カード・アドバンテージと干渉手段を確保できる。
「プロツアー『ローウィンの昏明』」に備えよ
『ローウィンの昏明』は、創造的なデッキと戦略のための扉を開く。地域チャンピオンシップとプロツアーでプレイヤーが何を持ち込むのか、見るのが待ちきれない。そして、その答えを知るのにもう長く待つ必要もない。米国地域チャンピオンシップの中継は今週末にStar City GamesのYouTubeチャンネルで視聴可能であり、「プロツアー『ローウィンの昏明』」は1月30日(金)に開幕する。
プロツアー『ローウィンの昏明』はバージニア州リッチモンドで開催され、招待されたプレイヤーのみが参加できるクローズド・イベントである。熱戦の模様はtwitch.tv/magicおよびPlay MTGのYouTubeチャンネルでライブ配信される。賞金総額50万ドルを懸け、世界最高のプレイヤーたちが栄光を求めて競い合う本大会は、ハイレベルな『マジック』の一大イベントとなるだろう。最終的に、チャンピオンはその名を競技マジックの歴史に刻むことになる。
RANKING ランキング
NEWEST 最新の記事
-
2026.2.2観戦記事
プロツアー 『ローウィンの昏明』トップ8の注目の出来事|プロツアー『ローウィンの昏明』
-
2026.2.2トピック
「プロツアー『ローウィンの昏明』」トップ8プロフィール&デッキリスト|プロツアー『ローウィンの昏明』
-
2026.2.1観戦記事
プロツアー 『ローウィンの昏明』2日目の注目の出来事|プロツアー『ローウィンの昏明』
-
2026.2.1戦略記事
Top 8 Players and Decks of Pro Tour Lorwyn Eclipsed|プロツアー『ローウィンの昏明』
-
2026.1.31観戦記事
プロツアー『ローウィンの昏明』初日の注目の出来事|プロツアー『ローウィンの昏明』
-
2026.1.31戦略記事
The Spiciest Standard Decklists from Pro Tour Lorwyn Eclipsed|プロツアー『ローウィンの昏明』



























