Jacob Van Lunen / Tr. AOKI Chikara

2015年10月18日

瀧村 和幸（アブザン） vs. マーティン・ミュラー/Martin Muller（ジェスカイ・トークン）

　シルバーレベル・プロの瀧村和幸は、今週末はじめてのプロツアートップ８を戦っている。彼は婚約者と出会ってから、いつの日かプロツアー・サンデーにたどり着くと彼女と約束していた。彼は愛の巣に相当な成果だけでなく、優勝トロフィーと４万ドルの結婚祝いを持ち帰る機会に恵まれた。

　対戦相手の18歳、マーティン・ミュラーは、既にシアトルで行われた世界選手権2015で相当な成績をおさめており、これが最初のプロツアートップ８だ。今週末世界で最高のチームのひとつ「EUreka」は、この若きデンマーク人がトップ８へ至る準備の道筋をつけてくれていた。同室の面々は、決勝ラウンドへ向けて少しでも睡眠の質を高めるために、バスタブに引っ越してくれた。おかげで、ミュラーはよく眠れたそうだ。

　大部分は言語の壁があるためだが、状況の重大性もあってか、お互いに黙々と最初のゲームに向かってシャッフルをする。スイスラウンドの成績により、ミュラーが先攻を選んだ。

ゲーム

　瀧村は第１ゲームを６枚で始めたが、第１ターンに《始まりの木の管理人》を置くことができた。

　ミュラーは《ドラゴンの餌》をプレイするが、瀧村の側には３/３の《始まりの木の管理人》がいて、戦闘には心もとない。

　互いに攻撃を交えつつ《先頭に立つもの、アナフェンザ》と《軍族童の突発》がプレイされ、戦場が横に延びていく。

　ミュラーが《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を続け、素早く２/２トークンを出してターンを返す。瀧村はトークン６体とプレインズウォーカーに対して苦境にあるようだ。《先頭に立つもの、アナフェンザ》と《始まりの木の管理人》で《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》にプレッシャーをかけるが、若き達人はシンプルにゴブリン・トークン１体ずつでチャンプブロック。

　ミュラーのスタートは理想的だったが、瀧村は「ジェスカイ・トークン」デッキに対する最高の回答のひとつである《包囲サイ》を既に抱えていた。

　ミュラーは《ジェスカイの隆盛》と《絹包み》をプレイしたが、《包囲サイ》が攻撃を許してくれない。だがミュラーの側には着々と脅威が積まれており、瀧村が勝つチャンスをつかむには《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》に圧力をかける必要がある。

　思案にくれていた瀧村は最高の行動を見つけようとしていた。思考のタンクから出てきた瀧村は２体のクリーチャーで《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》に攻撃し、ダメージを与えることに成功した。《棲み家の防御者》が変異で戦場に置かれると、ミュラーはガス欠に陥ってるように見えた。

　《棲み家の防御者》が表向きになり、瀧村が致死量のダメージを持ったクリーチャーをレッドゾーンに送り込む。ミュラーはゴブリンを数体差し出し、続くターンに何もできないことがわかると、第２ゲームへと進んだ。

　ミュラーは再度《ドラゴンの餌》からゲームを始める。瀧村は《棲み家の防御者》から《先頭に立つもの、アナフェンザ》を続けるものの、後者は《絹包み》されてしまう。

　変異状態の《棲み家の防御者》が２体のゴブリンと相打つと、対ジェスカイ・トークン最高のカード、《包囲サイ》を送り込む。

　ミュラーは《軍族童の突発》でできる限りゲームの流れを取り戻そうとするが、脅威に次々と襲われ、瀧村は数度の攻撃でマッチをものにしたのだった。

瀧村和幸がマーティン・ミュラーを２－０で破って準決勝に進出！