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プレイヤーズコンベンション横浜2025

インタビュー

チャンピオンズカップファイナル出場者に聞くモダンで注目の新カード

大久保 寛


 チャンピオンズカップファイナル シーズン4 ラウンド1。今大会には注目すべきポイントが一つある──『マジック:ザ・ギャザリング|アバター 伝説の少年アン』が発売された直後であるということだ。新カードがモダンにどこまで影響を与えるのか、既存デッキの強化につながるのか、あるいは新たなアーキタイプが生まれるのか――この週末、その答えに最も近く迫ることができる場と言えるだろう。

 そこで、今回は今大会に出場している3名のプレイヤー、加茂 里樹細川 侑也村栄 龍司に、モダン視点で注目の新カードを聞いた。競技者たちの慧眼は、果たしてこの強力なセットに何を見出すのか?

加茂 里樹

加茂「《アナグマモグラの仔》かな」

 

加茂「すでにゴルガリ・ヨーグモスデッキで試されているカードで、今日も何人か使ってるみたい。元々このデッキはマナクリーチャーが採用されるデッキではあったけど、『土の技』でクリーチャー化した土地には+1/+1カウンターが乗るから《アガサの魂の大釜》とも相性がいいんだよね」

 

加茂「逆に他のカードは……難しいなぁ。《雷逸らし》はもしかしたらワンチャンあるかもだし、《見下す高手、メイ》も強いけど……赤くないからちょっと評価が難しいかな。モダンもカードプールが広がるにつれデッキのパワーが上がっているから、新しいカードがどれだけ活躍できるかは何とも言いにくくて。まぁ、それでも《アナグマモグラの仔》は一つ抜けていると思う」

細川 侑也

細川「《アナグマモグラの仔》!」

 

細川「俺、今回の大会はずっとジェスカイ・コントロールで出るつもりでいたんだけど、このカードを入れたゴルガリ・ヨーグモスを試したらめちゃくちゃ強かったからギリギリでデッキ変えたよ。ゴルガリ・ヨーグモスはマナが欲しいデッキだから、1ターン目に《緑の太陽の頂点》で《ドライアドの東屋》を探すか《喜ぶハーフリング》をプレイして、2ターン目に《アナグマモグラの仔》でフェッチランドに『土の技』して土地を伸ばす、みたいなプレイングも積極的に狙う。《緑の太陽の頂点》と《喜ぶハーフリング》で合わせて8枚入ってるから意外とよく決まるよ」

 

細川「他は《雷逸らし》はジェスカイ・コントロールのサイドボードに1枚入れてもいいと思ってる。ミラーマッチやフェアデッキ相手に、《神秘の論争》や《思考囲い》を対象変更できるのは強い。自分でも試して、もしジェスカイで出るなら1枚入れるつもりでいたよ。逆に、《司書、ワン・シー・トン》は使ってみたら意外と普通のカードだな、と思った」

村栄 龍司

村栄「結構いろいろ試したんですけど、《勇敢なる救出者、スキ》はボロス・エネルギーに入るかもと思ってます。シンプルに速度が上がるし、《ゴブリンの砲撃》との相性もよくて良いカードですね。色拘束がちょっと厳しいので、《歴戦の紅蓮術士》と両立できるかは怪しいですが……あと、ボロス・エネルギーではサイドボードの《スカルドの決戦》が《ロクの伝説》と差し替わるかもしれないですね。どちらがいいのかはまだ分かりませんが、《ロクの伝説》は1枚で勝てるポテンシャルを秘めたカードなので」

 

村栄「《雷逸らし》はイゼット果敢やイゼット親和に入るかも?と思って試してみたんですが、個人的には受動的なカードをあまり入れたくなくて結局抜けてしまいました。でも、なくはないと思ってます。《ゴブリンの放火砲》の対象を変えられたりするのはおもしろいかなと」


 今回のインタビューでは、やはりというか『マジック:ザ・ギャザリング|アバター 伝説の少年アン』発売前から下馬評も高かった《アナグマモグラの仔》の注目度が高かったようだ。特にゴルガリ・ヨーグモスとは非常に相性がよく、マナ加速だけでなく《アガサの魂の大釜》と「地の技」の相性のよさも語られていた。

 発売直後の段階では、まだテストされていないカードや、環境の変化によって評価が上下するカードも多い。だが、彼らの言葉からは、今後のモダンがどの方向へ動き、どのデッキが存在感を示すのか、そのヒントが確かに見えてくる。大会が進むにつれ、その可能性が現実になるのか──引き続き今後に注目したい。

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