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戦略記事

チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド1(モダン)メタゲームブレイクダウン

大久保 寛


 チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド1。そのフォーマットであるモダンは、今最も多様性に富んだフォーマットであると呼んでも過言ではないだろう。

 9月に開催されたプロツアー『久遠の終端』ではトップ8に7種類のデッキが入賞し、その後のアメリカ地域チャンピオンシップやMagic OnlineのModern Challenge 64でも数々のデッキが入賞してきた。ここでは、これまでのモダン環境に『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』も加わった今大会におけるメタゲームブレイクダウンを通じて、最新のフォーマット概況を見ていこう。
 

メタゲームブレイクダウン

アーキタイプ 人数 割合
ジェスカイ・ブリンク 69 16.3%
イゼット親和 46 10.8%
ボロス・エネルギー 44 10.4%
ドメイン・ズー 30 7.1%
アミュレット・タイタン 29 6.8%
イゼット果敢 27 6.4%
エスパー御霊 25 5.9%
タメシ・ベルチャー 19 4.5%
エスパー・ブリンク 10 2.4%
シミック出産の儀 9 2.1%
エルドラージ・ランプ 8 1.9%
ルビー・ストーム 8 1.9%
青単トロン 7 1.7%
繁殖鱗コンボ 7 1.7%
ジェスカイ・コントロール 5 1.2%
(使用者4名以下) 81 19.1%
合計 424 -
 

※アーキタイプはプレイヤーの申告を元に集計しており、実際の数字とズレがある可能性があります。ご了承ください。

ジェスカイ・ブリンク

 今大会で最大勢力となったのはジェスカイ・ブリンクだった。《溌剌の牧羊犬、フィリア》や《儚い存在》といった「ブリンク」カードでクリーチャーのETB能力(戦場に出たときに誘発する誘発型能力の俗称。Enter the Battlefieldから)を使い回すデッキだ。また、「ワープ」でプレイした《量子の謎かけ屋》や「想起」でプレイした《孤独》を戦場に定着させるコンボもある。

 

 特に《溌剌の牧羊犬、フィリア》はこのデッキのエンジンにあたるカードで、クリーチャーだけでなく《鏡割りの寓話》のような英雄譚など、パーマネント全般をブリンクすることができる。対戦相手の邪魔なブロッカーなどを排除することもでき、シナジー一辺倒ではない強力なクリーチャーだ。

 また、ブリンクシナジーを用いるデッキの性質上、クリーチャーデッキでありながら対戦相手の使う単体除去に対して耐性がある。コンボデッキの相手だけは苦手としているが、最も人気があるアーキタイプとなったのも納得の強力なデッキだ。

イゼット親和

 ジェスカイ・ブリンクに次いで今大会のメタゲームの2番手となったのがイゼット親和だ。今から約1年前に《オパールのモックス》がモダンで解禁され、さらに『久遠の終端』で《ピナクルの特使》という強力なクリーチャーを得て着実に強化されているアーキタイプである。

 

 《ピナクルの特使》は「ワープ」で唱えればわずか1マナで戦場に出すことができ、大量のアーティファクトトークンを並べることができる有力な新戦力だ。これにより《物読み》や《河童の砲手》といった「親和」や「即席」といったキーワード能力が飛躍的に強化され、"爆発力""縦の強さ"を両立している。


 ここで紹介した他にも、チャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド2で最多使用者を記録し、かつ優勝を果たしたボロス・エネルギーや、ドメイン・ズーなどのアグロデッキや、アミュレットタイタン、《御霊の復讐》デッキなどのコンボデッキなど、環境には戦略や速度、色などを異にする多種多様なデッキが存在する。個人的には、『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』の新カードである《アナグマモグラの仔》や《司書、ワン・シー・トン》の活躍にも期待したいところだ。

 いずれのデッキも鋭角な強みを持ち、デッキパワーが拮抗している分、プレイヤーの腕前とデッキ選択が試されることとなった今大会。果たして勝利を掴むのはどのデッキになるのか今後の動向に注目したい。

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