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プレイヤーズコンベンション横浜2024
第10回戦:氣賀澤 貴史(新潟) vs. 中道 大輔(東京) ~ダメージレースを制すもの~
総勢448名が参加した「ジャパンスタンダードカップ:『カルロフ邸殺人事件』 Supported by 楽天ブックス」はスイスドロー最終戦をむかえる。トップ8を確定させるために合意の上で引き分けを選択するもの、権利をかけて最後の戦いに挑むものと、スイスドロー最終戦は自身の戦績によってさまざまな選択肢が生まれる。
ここでは2敗ラインからトップ16、つまりは次回のチャンピオンズカップエリア予選の権利をかけたマッチアップをご紹介しよう。エスパー・ミッドレンジを使用する氣賀澤 貴史と先ほどのデッキテクでご紹介した「ボロス・トークン」を構築した中道 大輔の2名だ。
新潟よりやってきたという氣賀澤 貴史は地元新潟のカードショップ・Cards of Paradiseにてマジックの研鑚を積む。マジック歴は3年と比較的短いものの、今大会はトップ16を狙えるラインまで勝ち進んできており気合十分。愛機エスパー・ミッドレンジを手に、トップメタであるボロス召集を二連続でくだしてきている。
対するはBIGMAGIC所属の中道 大輔。ジャパンオープン2023優勝、日本選手権2021 FINAL優勝と彼の戦績は枚挙にいとまがないが、ことスタンダードフォーマットを得意としている印象がある。環境初期にも関わらず高い完成度のボロストークンを披露し、ここまで勝ち進んできたことがその何よりの証明だ。
ここでジャッジのアナウンスが入り、対戦開始が告げられる。両者は初手へと手を伸ばす。
ゲーム1
氣賀澤の先手でゲームが始まり、《金属海の沿岸》、《見捨てられたぬかるみ、竹沼》のセットから《大洞窟のコウモリ》。ここで見えたのは《邪悪を打ち砕く》、《毅然たる援軍》、《忠義の徳目》に、《戦導者の号令》が2枚。ここからキーカードである《戦導者の号令》を1枚奪う。
さらに氣賀澤の猛攻は続く。3ターン目にも《大洞窟のコウモリ》を追加し、《戦導者の号令》を連続して奪ったのだ。手札を奪われた中道はせめてダメージレースは優位に立ちたいとばかりに、全力でクリーチャーを展開する。《忠義の徳目》、《ヴォルダーレンの美食家》と、ボロス召集ばりの全力展開をみせる。
想定内の展開であるため慌てず騒がず、氣賀澤は《大洞窟のコウモリ》で攻撃し返すと、《婚礼の発表》をプレイ。絆魂がゆっくりと、しかし確実にダメージレースの天秤を氣賀澤有利へと進めていく。
さらに間の悪いことに中道が《婚礼の発表》へ向けてプレイした《邪悪を打ち砕く》に《呪文貫き》が突き刺さってしまう。ライフ、ボードともに氣賀澤が掌握したかにみえた。
それでも中道は《邪悪を打ち砕く》の2枚目を引き込み、《婚礼の発表》を割る懸命な抵抗を見せる。
しかし、氣賀澤は《放浪皇》をプレイし、ボードの優位を譲らない。そのまま地上を《放浪皇》が、上空に《策謀の予見者、ラフィーン》が配備されると 、中道には敗北しか残されていなかった。
氣賀澤 1-0 中道
ゲーム2
《ひよっこ捜査員》、《忠義の徳目》と序盤は中道ペースでゲームは進む。《ひよっこ捜査員》はスルーするもダメージソースの増加は許されず、生成されたばかりのトークンは氣賀澤の《切り崩し》で落とされる。
むかえた3ターン目。当然のごとく氣賀澤はマナを立っており、中道の脳裏には先程の《呪文貫き》がこびりついて離れない。本命の《婚礼の発表》をプレイしたいところだが、慎重に《トカシアの歓待》からプレイすると、カウンターはないのか無事着地。返すターン、氣賀澤は《邪悪を打ち砕く》でこのエンチャントを割ったため、一時的に土地が寝てしまう。この隙を逃さず、中道は《婚礼の発表》を定着させる。
ここまで防戦一方だった氣賀澤は《策謀の予見者、ラフィーン》をプレイグラウンドへ。地対空のダメージレースをスタートさせるも、現状7点のビハインドを背負っている。攻撃後は4マナオープンで返し、《放浪皇》を匂わせる。
土地が3枚で止まっていた中道は無事4マナ目をセットするも、ここで考えに考える。結局、《放浪皇》をケアして攻撃へは向かわず、ターンを終了フェイズまで進める。《婚礼の発表》の誘発に氣賀澤は《ティシャーナの潮縛り》を合わせるも、中道はスタックして《策謀の予見者、ラフィーン》へ《邪悪を打ち砕く》をプレイし、お互いの脅威を対処し合う。
だが、氣賀澤のプレイは一時しのぎに過ぎない。1ターン後、無事《婚礼の祭典》へと変身を果たし、《ティシャーナの潮縛り》には《稲妻のらせん》が差し向けられる。
クリアになったボードへ《反逆のるつぼ、霜剣山》が魂力されると、《婚礼の祭典》のバックアップを受けて、総勢6体のクリーチャーが一気に駆け抜ける。残るは1に。
氣賀澤は土地で溢れた手札を見て、苦笑するしかなかった。
氣賀澤 1-1 中道
ゲーム3
序盤から《忠義の徳目》をプレイし合うも、どうも氣賀澤の様子がおかしい。3枚目としてセットランドされたのは《砕かれた聖域》であり、どうやら青マナを引けていないようだ。やむなく《ヨーグモスの法務官、ギックス》をプレイし、トークン同士が相打つ。
中道は《婚礼の発表》をプレイし、返す氣賀澤の攻撃はスルー。ここで青マナを引くも、このタイミングではやや厳しいタップインの《金属海の沿岸》。返すターンの中道の《戦導者の号令》に《かき消し》を合わせることはかなわず、《邪悪を打ち砕く》で対応する。
その間も《ヨーグモスの法務官、ギックス》がダメージを刻み、リソースを伸ばしていく。すでに《かき消し》の効果は薄いと判断し、構えるよりはと《敬虔な新米、デニック》を追加する。
中道は再度《戦導者の号令》をプレイし、今度は無事着地。氣賀澤は《婚礼の発表》の誘発に合わせて《門衛のスラル》をプレイし、中道が《忠義の徳目》をスタックしてプレイ、1点のダメージを与える。氣賀澤のライフは17と余裕はあるものの、《婚礼の祭典》へと変身を果たしたことで、地上に配備された4体のクリーチャー・トークンは+2/+2修正を受けており、尋常ではないクロックが形成されてしまう。
ならばと氣賀澤は地上を捨てた。《策謀の予見者、ラフィーン》をプレイし、《門衛のスラル》を謀議で育てていく。序盤に稼いだ5点分のリードを守り切れるか。
ボードは中道が有利だが、手札は2枚のみ。《策謀の予見者、ラフィーン》を対処できないとなるといよいよ厳しい。そのため3/3の人間トークン×3、4/4の侍トークンで攻撃へと向かう。氣賀澤は人間と《ヨーグモスの法務官、ギックス》の相打ちを選択し、ビートダウン完遂のための時間を稼ぐ。中道は《忠義の徳目》をプレイし、更なる自軍の強化を図る。
氣賀澤が攻撃するのみでターンを終え、返す中道のアタックを《邪悪を打ち砕く》と《敬虔な新米、デニック》のチャンプブロックでしのぎ、残ライフを5とする。中道の残ライフは8だが、《策謀の予見者、ラフィーン》の謀議次第では削りきれない値ではない。
しかし、中道が第2メインフェイズにプレイしたのは《石術の連射》。《策謀の予見者、ラフィーン》を打ち落とすと、万全の状態でターンを終える。
あの《金属海の沿岸》がアンタップインの青マナだったならば勝負の行方は変わっていたかもしれない。氣賀澤の手札には使いきれなかった《かき消し》が2枚残されていた。
氣賀澤 1-2 中道
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