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プレイヤーズコンベンション静岡2024
第9回戦:中村 修平(日本) vs. 居倉 捷人(青森) ~救いか、眠りか~
総勢244名が参加した「ジャパンスタンダードカップ:『ダスクモーン:戦慄の館』 Supported by 楽天ブックス」(以下、ジャパンスタンダードカップ)も、いよいよスイスラウンド最終戦となった。
ここでは勝者がトップ8へ入れる勝ち抜け、いわゆるバブルマッチをお届けしよう。
居倉 捷人(いぐら はやと)は遥々青森からここ静岡の地へ、友人と3人とやってきた。使用デッキはアゾリウス・エンチャントであり、3人でデッキをシェアしているとのことで、1人は序盤で負けてしまったものの、もう一人は7-1、居倉自身は6-1-1とトップ8間近まで勝ち進んできた。友人と2人揃ってのトップ8入りは成るだろうか。
だが、その居倉の前に立ちふさがるのは、並大抵のプレイヤーではない。殿堂プレイヤーが一人、世界屈指のリミテッダー中村 修平その人である。
ふらりとフィーチャーエリアへと現れたのは中村へ質問を投げかけるも、のらりくらりとかわす仕草は普段と変わらない。たとえスイスラウンド1回戦であろうと、バブルマッチであろうと、中村にとっては同じ一戦に過ぎない。緊張感を欠片も感じさせない。
リミテッド巧者の印象の強い中村だが、今大会ではアゾリウス眼魔を片手に堅実に勝ち星を積み重ね、ラウンド6まで無敗で駆けあがってきたいた。
果たして居倉のボード構築が先か、中村のフライヤーが駆け抜けるかのスピード勝負。《安らかなる眠り》と《救いの手》による、瞬きも許さぬ一戦が始まる。
ゲーム1
ダイスを振ると、居倉の8に対し9を出した中村が先行を選択。互いにマリガンすると、《行き届いた書庫》、《不穏な投錨地》と両者仲良くタップインスタート。この《不穏な投錨地》を見るや否や、中村は
中村「なるほど」
とごちる。どのアゾリウスデッキか思案してのことだろう。
居倉は《グレムリンを手懐ける者》をプレイし、そのエンドに中村は《フェイの解放》から、《再稼働》を手札に加える。
2枚目の《行き届いた書庫》をセットランドすると、先程の切削過程で墓地へ落ちていた《傲慢なジン》を《救いの手》で戦場へと戻す。
対して居倉は《知りたがりの光霊》をプレイし伺いをたてると、スタックして《洪水の大口へ》がプレイされた。このタップアウトの隙を逃さず居倉は《幽霊による庇護》で《傲慢なジン》を対処する。
しかし、中村の手からさらに《失せろ》がプレイされると《傲慢なジン》がその名に違わず、一方的なダメージレースを展開していく。
マナフラッド気味の居倉の手に対抗策はなく、セットランドを繰り返すのみ。
結局、最後まで《傲慢なジン》はその傲慢さを維持し続けた。
中村 1-0 居倉
ゲーム2
居倉は2ターン目に《知りたがりの光霊》と最高の立ち上がりをみせるも、中村はどうしたものかと思案しつつゲーム展開を遅らせるべく《失せろ》で対処する。
続く居倉の手は《呑気な物漁り》、《静かなる広間這い》と順々にプレイし、前者へと+1/+1カウンターが置かれた。すると中村は強気にタップアウトで《僧院の導師》をプレイグラウンドへ送り込む。
居倉はさらに《吞気な物漁り》と《知りたがりの光霊》を追加。一気に5点のダメージが入り、《静かなる広間這い》が追加のカードを届ける。
中村は《手練》、《フェイの解放》で《失せろ》を手に入れつつ、モンクトークンを2体生成。果敢によりサイズアップした《僧院の導師》が4点のダメージを刻み、《アダーカー荒原》からのダメージも相まって残ライフは中村15-12居倉。
居倉は4体のクリーチャーと3枚の手札を前にして悩む。《僧院の導師》への対抗策はあるのだろうか。ターンを返せば《失せろ》から呪文が連鎖し始め、一気に打点を稼がれかねない。
ならばと居倉はリソースゲームへと舵を切った。《精体の追跡者》から《安らかなる眠り》で墓地をリセットし、《傲慢なジン》と《忌まわしき眼魔》の無力化に成功する。
育ち盛りのクリーチャーは2/2、2/3、3/3×2の10点分のダメージクロック。点と面での激しいダメージレースの中、中村はその全てをライフで受けることを選択し、モンク・トークンを残す。
《僧院の導師》単体で攻撃し残るは9、《傲慢なジン》をブロッカーとして追加する。
居倉はここが勝負ターンと盤面を見据える。エンチャント・クリーチャーをプレイすることで違和感を連鎖的に誘発させ、強固なボードを作り上げていく。
中村も《失せろ》を効果的に使い、果敢の誘発したモンク・トークンでブロックに当たるも、流石にサイズが違いすぎる。
静かに、そして淡々と居倉は攻撃を繰り返すと、さしもの中村も押しきれず、かといって返しきれず。数ターンの後、投了を宣言した。
中村 1-1 居倉
ゲーム3
勢いよくキープを宣言した中村とは対照的に悩みに悩む居倉。結局キープを宣言したが、一体どんな手札なのだろうか。
中村は《航路の作成》でデッキを掘り進めつつデッキ名を冠した《忌まわしき眼魔》を墓地へと送り込むと、早くも《救いの手》の影がチラつく。
対して居倉は2枚目の土地をおk……けずにディスカード。何と土地1枚でのキープだったのだ。
この状況を目にするや否や、中村は《救いの手》で《忌まわしき眼魔》をリアニメイトし、クロックを形成する。
1ターン遅れで2枚目の土地へとアクセスできた居倉だったが、時すでに遅し。《忌まわしき眼魔》に対抗すべく、ゲーム2のようなボード構築を目指すが、中村の《幻影の干渉》がそれを許さない。
《忌まわしき眼魔》に《傲慢なジン》が続き、ハードパンチャーたちが颯爽と駆け抜けていく。
数ターンたたずに膝をついた居倉の手に握られていたのは《安らかなる眠り》。仮に2ターン目に2枚目の土地が引けていれば、《安らかなる眠り》がプレイされまったく違ったゲーム展開となっていたはずだ。
わずかにカード1枚分、勝利へ届かなかった。
そして、居倉には《安らかなる眠り》が訪れた。
中村 2-1 居倉
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