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プレイヤーズコンベンション愛知2023
チャンピオンズカップファイナル シーズン2ラウンド1 優勝者 増門 健太選手インタビュー
プレイヤーズコンベンション横浜2023でもトップ8に入賞しており、あちこちの大会上位でよく顔を見かける増門 健太選手。今回、ジャンド異形化デッキを使い、発見コンボや青白デッキたちをなぎ倒してみごと優勝に輝きました。大会終了後、簡単にお話をうかがいました。
――マジックはいつから始めましたか?
増門「小学校4年か5年くらいの、『インベイジョン』からですね。お兄ちゃんがいる友達の影響で始めたんですけど、やっぱり小学生にはルールが難しくて1回離れてしまって。大学3年のときに、マジックのカードを持ってる人がいて『めっちゃ懐かしい!』と思って再開して、そこからずっとです」
――確か新潟にお住まいですよね。そのころからずっと競技マジックの世界にいらっしゃる?
増門「そうです。その後大学の友達はみんなやめちゃったんですけど、カードショップに行くようになって木原 惇希とか、棚橋(雅康)さんとかに出会って、今もつながっている感じですね」
――なるほど。いわゆる「新潟勢」の皆さんですね。では、パイオニアというフォーマットはどれくらいやっていますか?
増門「コロナで大会がオンラインだけになってしまった時期、『MTGアリーナ』で大会に出ることにあんまり熱が入らなかったんですが、代わりになぜかMO(『Magic Online』)でパイオニアを初期からやってたんですよ。人数が100人そこらとかしかいない時代から……。なので、パイオニア歴は人一倍長いと思います」
――おお、そんなパイオニアの生き字引みたいな存在だったとは。なぜかパイオニアと馬が合ったんですか?
増門「そうですね、なぜかスタンダードよりも馬が合って、パイオニアの村を勝手に守ってました(笑)。いろんな禁止カードが出たりする時代を経ながら、長くやってきましたね」
――では、今回の準備はどのように?
増門「発見コンボが出てきてしまったので、《思考囲い》とかの軽い妨害を取れないといけない、というのがあり、ジャンド異形化は気に入ってわりと長く使ってたんですが、高クロックの《偉大なる統一者、アトラクサ》とか、サイドボードなら《虚空の選別者》とかを出せる点がフィットするな、ということでそのまま来ました」
――もとから好きなデッキで、発見に対応してチューンすればいけると。特に調整ポイントというと、どんな点がありますか?
増門「たとえば発見コンボが出てくる前って、《致命的な一押し》がメインの除去だったんですけど、それだと《地質鑑定士》や《クイントリウス・カンド》に対してスマートに撃てなかったり腐ったりしてしまうので、そこを《塔の点火》に変えていますね。あと、異形化デッキってラクドスとかグリクシスとかいっぱい亜種があるんですけど、私は3ターン目に《偉大なる統一者、アトラクサ》を出して盤面を抑えることに魅力を感じたので、ジャンドを選びました。マナクリーチャーを出せるのがジャンドだけなので」
――その速度のためには、ジャンドが最強なんですね。発見デッキ以外の有力デッキに関しては、どう考えていましたか?
増門「ボロス召集は多そうかなと思ってましたが、ただ《偉大なる統一者、アトラクサ》をさわれるカードの枚数が限られているので、3ターン目に出せればいけるだろうと。あとラクドスも多少いるだろうけど、2ターン目にマナクリーチャーを出して3ターン目に相手がマナを構えていなければ《異形化》を撃てますし、構えているなら《エシカの戦車》で相手に無理をさせられるので、やはり緑が使えるジャンドの強みが出るなというところでした。イゼットフェニックスはちょっと当たりたくなかったんですけど、そんなに人数も多くなかったし、1回も踏まずにすんだので、そこはラッキーでしたね。当たりがかなり偏ってました」
――どういうデッキに当たってきたんですか?
増門「ボロス召集3回、青白コントロール3回、青白ロータス2回、発見3回。あと2回ID(合意の上での引き分け)して終わりです」
――確かに偏っていますね。「青白キラー」みたいな呼ばれ方もしていましたが、本来青白に有利なデッキではないですよね?
増門「たぶん有利ではないですし、私、デッキ公開制なのにデッキの回りを優先して基本土地を取ってないんですよ。だから相手は《廃墟の地》を撃ち放題だったり。でも青白には全部勝ちました。勝因は……なんでしょうかね。要所でうまく引けて噛み合った感じですかね」
――もし今大会をやり直すなら、《廃墟の地》対策はしますか?
増門「これだけ青白コンが勝ってくるなら、1枚は取りますね。でもまあ、勝ったから別にいいかな(笑)」
――結果オーライと。世界選手権に出場できることになりましたが、ご感想は?
増門「そうですね……世界選手権に出られるのはもちろん嬉しいんですが、私はそれよりもこのチャンピオントロフィーが欲しかったんです。毎回トップ8で終わってしまったりして、こういうトロフィーに縁がなかったので。とりあえずはこの優勝を噛みしめて味わってから、世界選手権のことはおいおい考えていこうかなと思ってます」
――今はこのトロフィーが一番うれしいと。最後に、お礼を言いたい相手はいますか?
増門「やっぱりOnogames(新潟勢から始まって今は大所帯になっているチーム)を立ち上げた小野さんですね。コミュニティがどうすればうまくいくか、みんなのことをすごく考えてくれていて、頭が下がります」
――そのチームで練習とかもされてきたんですか?
増門「いや、練習というよりは飲み仲間のチームなので(笑)、みんなで集まって調整ということはあまりないんですが、何人かで情報共有や調整したり、2つ前の横浜のプレイヤーズコンベンションでトップ8に入ったときは棚橋さんとデッキシェアしましたし。大事な存在です」
MVPカードとしては、キーカードの《異形化》だけでなく2マナのマナクリーチャーたちを挙げてくれました。「1枚では弱いけど、そいつじゃないとできない仕事がある」とのこと。デッキを支える彼らがちゃんと場に出てくれたからこそ、3ターン目に《偉大なる統一者、アトラクサ》が出せます。
なお優勝賞金の8800ドル(約130万円)の使い道としては、週末に大会遠征で留守になりがちなのでご家族に恩返しするとのことです。チームの仲間や支えてくれる人たち、そしてデッキの中においても支えてくれるマナクリーチャーのような存在に対して感謝の気持ちを欠かさない……そういった素晴らしい心がけあっての優勝ではないでしょうか。このたびはおめでとうございました!
次は2月11-12日に横浜でプレイヤーズコンベンションが開催。また12月9日には「マジック:ザ・ギャザリング超感謝祭」もございます。それでは次のイベントでまたお会いしましょう!
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