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ミシックインビテーショナル

トピック

トップ4を栄光が待つ

Corbin Hosler

2019年3月30日

 

(編訳より:埋め込み動画は英語実況となります。)

 ミシックインビテーショナルは64名の参加者で始まった。マジック・プロリーグ(MPL)に参加している世界最高のマジック・プロプレイヤー、大人気の配信者、コミュニティの一員、そしてMTGアリーナの予選を勝ち抜いてきた者。2日間の過酷な、観ていても消耗させられるグループラウンドを経て、トップ16が出揃った。

 日曜日のトップ4決戦の権利を懸けて激突した、以下のプレイヤーたちについて、土曜日の取材からお届けする。

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 マジック・プロリーグから8名、コミュニティからの「挑戦者」8名。対戦表にあるそれぞれの名前が独自の物語を紡いでいる。

 ルイス・サルヴァット/Luis Salvatto。ステージでの重圧には慣れていながらも、現プレイヤー・オブ・ザ・イヤーとしての期待に応えるための重圧と戦っている者。

 "Quicksort" エドアルド・アヌンツィアータ/Edoardo Annunziata。この週末まで一度も公認マッチでプレイしたことがなかったものの、昨月のMTGアリーナでトップ8に入賞し、このミシックインビテーショナルの出場権利を獲得した者。

 "MTGNerdGirl" ブリタニー・ハミルトン/Brittany Hamilton、"Amazonian" エイミー・デミッコ/Amy Demicco、"TheAsianAvenger" デイヴィッド・グエン/David Nguyenといった、真の伏兵とされながらもトップ16に残った者。

 最終的に、4人のプレイヤーがトップ4として生き残った。

  • アンドレア・メングッチ/Andrea Mengucci(MPL選手)
  • ピオトル・グロゴウスキ/Piotr Głogowski(MPL選手)
  • "Honey" オンドレイ・ストラスキー/Ondřej Stráský(挑戦者にしてMTGアリーナ権利獲得者)
  • "Savjz" ジャン・ミッコネン/Janne Mikkonen(挑戦者)

 MPL選手2名、「挑戦者」2名。しかしミッコネンとストラスキーをよく知る方にとっては、彼らが日曜日に駒を進めたことに驚きはないだろう。おめでとう、トップ4入賞者たち!

今日のハイライト

トップ4選手紹介

ピオトル・グロゴウスキ/Piotr Głogowski
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 グロゴウスキはマジックにおいて、いくつかの点で知られている。「ランタン・コントロール」などのモダンのアーキタイプへの貢献。ハンドルネーム「kanister」としてのオンラインでの優れた能力。プロツアー『イクサラン』でのトップ8入賞。しかしミシックインビテーショナルが進行しグロゴウスキが勝ち進むにつれ、彼のマッチ後のインタビューはハイライトに満ちたものとなった。普段はストイックな選手が、少しの遊び心を許したのだ。

 そして、彼はトップ4に進出し、日曜日が終わったときにトロフィーを掲げ25万ドルの小切手を手にするかもしれないところまで来た。彼のトップ4インタビューが失望させるものにはならなかったと思えるときが来るだろう。

アンドレア・メングッチ/Andrea Mengucci
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 メングッチはイタリアのマジック界の顔であり、近年になってマジックの真のスーパースターとして開花した。その創造力、立て続けにミシックチャンピオンシップ(プロツアー)で3度トップ8に入賞した実績で世界中のファンを魅了し、日曜日のステージの常連となった。中でも、2015年の優勝を含む、3度のワールド・マジック・カップのベスト4入賞は、今回のトップ4入賞者にあって最も印象的な戦績と言えるだろう。

"Honey" オンドレイ・ストラスキー/Ondřej Stráský
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 ストラスキーが「挑戦者」だというのは名目上だけだ。実際のところ、彼は数年にわたりマジック・プロリーグの面々とともに、あるいは相対してプレイしてきた。彼と同格にある者たちの多くが別の手段でミシックインビテーショナルの権利を得る中、ストラスキーは困難な方法でそれをやり遂げた。つまり、昨月のMTGアリーナでミシック・ランクのトップ8に入るという形で。途方もなく困難な道であったが、今週末の彼の驚異的な走りを見れば合点がいく。

 現在進行形のジョークとして、ストラスキーは競技マジックからの引退と復帰を繰り返し続けているというものがある。彼が次のトーナメントに勝つ限りにおいては。ということは、少なくとも明日においては、ストラスキーは引退していないと考えられるだろう。

"Savjz" ジャン・ミッコネン/Janne Mikkonen
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 「Savjz」は、他の参加者ほど輝かしいマジックの戦績を伴ってこのミシックインビテーショナルに参加したわけではなかった。結局のところ、彼の背景は別のゲームにあり、マジックのレジェンドたちで埋まったフィールドにおいては「Savjz」の有利さが見くびられる方向に働いたということだろう。

 しかし、今週末のトップ4入賞をもって、同じ間違いを繰り返す者はいなくなるだろう。

今日の名勝負

勝利からの漂流

 計算された動きと呼べる。幸運の炸裂と呼べる。あるいはその瞬間のマーシャル・サトクリフ/Marshall Sutcliffeの実況によれば「奇跡の勝ち筋/miracle line」と呼べる。いずれにせよ、それはトーナメント全体を通じて最も予期せぬ勝利、あるいは敗北をもたらした。マット・ナス/Matt Nassはセス・マンフィールド/Seth Manfieldを相手に、本当に劇的な形で番狂わせを演じたのだった。

 これは世紀の瞬間であるが、実に見応えのあるマッチを象徴する最注目の出来事のひとつに過ぎないのだ。

マッチ・フロアより

紙かデジタルか?

 私が今週末のミシックインビテーショナルで目にした、最も面白いデータのひとつは、参加者によってプレイの背景が幅広く異なるという対比だった。セス・マンフィールドやリード・デューク/Reid DukeのようなMPL選手のように、何年にもわたってハイレベルのマジック・プレイヤーであり続けた者もいれば、多くの「挑戦者」のように今までミシックチャンピオンシップでプレイした経験がない者もいるのだ。

 目を惹く数字をいくつか取り上げよう。"Quicksort" エドアルド・アヌンツィアータは今週末まで、紙のマジックの認定マッチでプレイした回数はゼロだった。一方で、彼はMTGアリーナで4,919のゲームを記録していた。また断続的ハイレベル競技者ことストラスキーは、"TheAsianAvenger" デイヴィッド・グエン/David Nguyenと対峙した時点で20回以上のプロツアー出場歴を誇っていたのに対し、グエンはゼロだった。しかしMTGアリーナに目を移せば、「TheAsianAvenger」は4,604のゲームを記録しており、これはストラスキーのおよそ3倍にあたる。

 さて、今週末はどちらの経験がものを言ったのか? トップ4にはMPL選手2名、「挑戦者」2名。判断はまだ下されていない。

メングッチが彼の英雄「Yellowhat」を下す

 プロ・マジックでの真実のひとつは、一度ならず自身の友人を相手にプレイしなければならないということだ。トップ4入賞者アンドレア・メングッチにとっては、日曜日の出場権を得る過程で2人の友人を倒さなければならないことを意味していた。

 まず、メングッチは旅のパートナーにしてプレイテスト・パートナーのルイス・サルヴァットを打ち倒さねばならなかった。その後も道は険しくなるばかり、次に現れたのは彼が最も好む配信者のひとりにして、マジックにおいて間違いなく最も有名な「ハット」だった。

 友人や英雄を相手に、メングッチは土曜日の勝者となった。これは、タイトルを得るチャンスを持って日曜日に聖火を引き継いだことを意味するのだ。

「TheAsianAvenger」は楽しむ心を忘れない

 勝っても、負けても、インタビューでも、"TheAsianAvenger" デイヴィッド・グエンは楽しむ心を忘れない。そして、この2日間にわたるベッカ・スコット/Becca Scottとの会話は、単にゲームをプレイしたということを越えて、このイベントのハイライトとして目立っていた。

 トップ4への道は土曜日で断たれてしまったが、グエンは終始笑顔であり、彼をこのトーナメントで応援していた数千のファンにとって忘れられないことだろう。

スタークさんを良くは思わない。@kanister_mtg は彼の無限の帽子に無限の石を詰め込んでいた。彼のエモート・ゲームは力強く、私はそれに敬意を表したいと思う。ロッカールームに引き揚げなければいけないけれど、動画を見直して再出発して、もっとプレイする。 #MythicInvitational #mtg #paxeast

対戦相手が《稲妻の一撃》を放ってトーナメントから敗退させられる瞬間にあっても、「TheAsianAvenger」が笑っていられる様子が大好きだ。それに、彼は対戦相手と熱心に握手し、そのときも笑顔でいた。それは素晴らしい精神と、勝っても負けてもゲームをプレイできる本当の喜びを示すものだ。

そして戦いは続く

生き残るは最後の4人

 64人のプレイヤー、殿堂顕彰者や多数配信者のオールスターで占められた4つのグループ。すべては、アンドレア・メングッチ、ピオトル・グロゴウスキ、オンドレイ・ストラスキー、"Savjz" ジャン・ミッコネンの4人に絞られた。日曜日にはステージに舞い戻り、優勝賞金25万ドルとミシックインビテーショナル王者の称号をめぐって争うことになる。

 しかし、それだけではない。ミシックインビテーショナルの決勝ラウンドの前に、来たる『灯争大戦』のパネルディスカッションが用意され、かつて見られたことのないプレインズウォーカーがお披露目されることが約束されている。「PAX East」でのマジックも残り1日、すべてはアメリカ東部時間午前10:30(日本時間23:30)に始まる!

素晴らしいスタッフとともに、#PAXEastのショー・フロアに設けられたステージでの#MythicInvitational、私たちにとっての最終日が完了した。明日は「PAX Arena」から『灯争大戦』パネルディスカッションの後、トップ4の試合をお送りする。すべてのショーは明日10:30(東部夏時間)から始まる! お見逃しなく!

(Tr. Yusuke Yoshikawa)

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