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第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権

戦略記事

第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権 メタゲームブレイクダウン

Frank Karsten

2024年10月25日

 

 デッキが揃い、データも準備万端の中、明日から「第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権」が始まる! 10月25日から27日にかけて「MagicCon: Las Vegas」で、世界最高のマジック:ザ・ギャザリングプレイヤー113名が賞金総額100万ドル、未来のマジックのカードに姿を残す機会、そして今年最も名誉あるタイトルをかけて競い合うのだ。

 「第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権」は、今シーズンにおけるマジックのプレミア・プレイの頂点だ。出場選手のほとんどは、「プロツアー『カルロフ邸殺人事件』」、「プロツアー『サンダージャンクション』」、「プロツアー『モダンホライゾン3』」での傑出した戦績によって出場権を獲得した。またこの戦場には「地域チャンピオンシップ」の優勝者や、「アリーナ・チャンピオンシップ」、「Magic Online Champions Showcase」、昨年の「世界選手権」の上位選手も集っている。現世界王者のジャン=エマニュエル・ドゥプラ/Jean-Emmanuel Deprazや現プレイヤー・オブ・ザ・イヤーのサイモン・ニールセン/Simon Nielsenといった見ごたえのある選手が並び、高水準のゲームプレイと驚くほどに調整されたデッキを目の当たりにできるだろう。

 フォーマットは金曜日と土曜日の午前中に『ダスクモーン:戦慄の館』ブースタードラフトを行い、またそれぞれの午後にはスタンダード構築4回戦を行う。日曜日のトップ8決戦もスタンダード構築戦だ。すべての内容を視聴するには、Magic Twitch channelPlay MTG YouTube channelで配信を見てほしい。金曜日と土曜日はアメリカ東部時間14時から、日曜日はアメリカ東部時間13時から放送が始まる。詳細については「第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権」観戦ガイドを確認してくれたまえ。

 

スタンダードメタゲームブレイクダウン

 スタンダードは、今現在で『団結のドミナリア』以降のエキスパンション・セットを内包した、60枚のカードでデッキを組むローテーションのあるフォーマットだ。最近、『ダスクモーン:戦慄の館』の何百という新カードがメタゲームを一新した。これら新カードの流入により、世界選手権参加者たちのスタンダード・デッキは以下のように分類された。

 
アーキタイプ 使用者数 使用率
1. グルール果敢 20 17.7%
2. ディミーア・ミッドレンジ 16 14.2%
3. アゾリウス眼魔 13 11.5%
4. 版図ランプ 13 11.5%
5. ティムール果敢 9 8.0%
6. ディミーア・デーモン 9 8.0%
7. ゴルガリ・ミッドレンジ 9 8.0%
8. ジェスカイ召集 6 5.3%
9. ゴルガリ・ランプ 5 4.4%
10. 白単世話人 3 2.7%
11. オルゾフ・デーモン 2 1.8%
12. ボロス・エンチャント 2 1.8%
13. グルール昂揚 1 0.9%
14. ゴルガリ・デーモン 1 0.9%
15. スゥルタイ・リアニメイト 1 0.9%
16. 赤単アグロ 1 0.9%
17. 赤単果敢 1 0.9%
18. アゾリウス世話人 1 0.9%
 

 この大会のすべてのスタンダード・デッキリストは、10月25日(金)のアメリカ東部時間17時ごろ、つまり4回戦開始時に「第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権」イベントページにて公開される。

 このメタゲーム内には独創的で予想外な選択肢が多く含まれた幅広いアーキタイプが揃っている。この多様性により、「第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権」では刺激的なゲームプレイが期待できるだろう。また、マジック:ザ・ギャザリング『ファウンデーションズ』のリリーススタンダード戦で近々開催される「地域選手権」予選が近づくことで、魅力的なスタンダード・フォーマットの舞台も整っていく。

 

 「第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権」の全メインデッキとサイドボードを合わせた中で、土地以外で最も多く採用されたカードは《切り崩し》、《否認》、《喉首狙い》、《強迫》、そして《塔の点火》だ。これら定番のカードが、スタンダードで成功するためには軽くて効率的な干渉要素が重要であることを示唆している。とりわけ除去呪文は「グルール果敢」の電光石火の立ち上がりをくじくためにも必須だ。

 先週のフォーマット入門で予想したように、「グルール果敢」はスタンダードで最も人気な選択肢だ。しかしながら、《残響の力線》、《騒音の悪獣》、そして《裏の裏まで》を用いて2ターン目に決着をつけられる爆発的な可能性にかけたのはごく少数のプレイヤーだけだった。大多数は《残響の力線》を堅実な継続力をもつ《多様な鼠》や《亭主の才能》に入れ替えて、安定した構築を選択した。

 『ダスクモーン:戦慄の館』初期の大会から変化したもう1つの注目すべき要素は、《世話人の才能》戦術の存在感が薄れたことだ。おそらくその理由は「版図ランプ」や長期戦でその戦術を圧倒できる他のデッキ戦術との相性が悪いためだろう。

 世界選手権の参加者の内かなりのグループが、《世話人の才能》に頼る代わりに《豆の木をのぼれ》、《永劫の無垢》、あるいは《不浄な別室 // 祭儀室》でカードを引くことを重視している。この手法により、「版図ランプ」、「ディミーア・ミッドレンジ」、そして「ディミーア・デーモン」という選択肢が導かれ、これらのデッキはどれも当初の予想より採用されている。

 

 メタゲームにおける最大の驚きは、世界選手権選手9名が持ち込んだ「ティムール果敢」だ。その独創的な構築は爆発的なターンを生み出す力を持っており、その要となるのが『ブルームバロウ』の《渓間の洪水呼び》と『ダスクモーン:戦慄の館』の《永劫の活力》によるシナジーだ。両方のクリーチャーが戦場に出ているとき、《渓間の洪水呼び》をタップしてマナを生み出して、クリーチャーでない呪文を唱えてアンタップし、もう一度タップしてマナを生み出すことが可能となる。《嵐追いの才能》によって生成されるような追加のカワウソがこの戦術をさらに後押しするわけだ。豊富な相互作用とカードを引く効果により、このデッキは単一ターンに果敢を雪崩のごとく誘発させることができる。対戦でそんな場面をぜひ見てみたいね!

 このデッキのキーカードが示すように、直近の2セットはスタンダードに途方もない深みをもたらした。スタンダードのローテーション以降はプレミアトーナメントが開催されていないため、この記事の最後に『ブルームバロウ』と『ダスクモーン:戦慄の館』で最もプレイされているカードの一覧を掲載した。ともあれ、まずはアーキタイプを1つずつ詳しく見ていこう。

スタンダードアーキタイプ概説

 前述の通り、この大会のすべてのスタンダード・デッキリストは、10月25日(金)の4回戦開始時、アメリカ東部時間17時ごろに「第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権」イベントページにて公開される。それまで、使用者の多い順でアーキタイプの簡単な概要を以下に記す。

「グルール果敢」(20名):「グルール果敢」は、強化呪文一式を用いて雄姿と果敢の能力を誘発させることで、猛烈な早さでの決着を狙うアグレッシブ・デッキだ。3名のプレイヤーが《残響の力線》、《騒音の悪獣》、そして《裏の裏まで》による2ターン目決着コンボを組み込む一方、他の17名のプレイヤーはより確実な持続力を持ち不安定さを減らした構築を選択した。彼らは《残響の力線》の代わりに《多様な鼠》、《亭主の才能》、そして《ショック》といったカードを気に入ったようだ。

「ディミーア・ミッドレンジ」(16名):「ディミーア・ミッドレンジ」は除去、手札破壊、そして打ち消し呪文をバランスよく組み合わせて対戦相手を妨害し、同時に軽量でかつ回避能力を持つクリーチャーで圧力をかけていく。いったん《永劫の好奇心》が戦場に出てしまえば、それらのクリーチャーは手札に新しいカードを補充可能だ。その多彩な相互作用によって、「ディミーア・ミッドレンジ」は環境のほぼすべてのデッキに対して堅実な動きを持てる。

「アゾリウス眼魔」(13名):このデッキの主な戦術は、《航路の作成》、《錠前破りのいたずら屋》(の《フェイの解放》)、あるいは《決定的瞬間》によって《忌まわしき眼魔》を墓地に置き、それから《救いの手》や《再稼働》によって追加コストを無視して戦場に戻すというものだ。後手であれば、1ターン目に土地をプレイせず8枚の手札から《忌まわしき眼魔》を捨て、2ターン目に《救いの手》で戻すこともできる。《洪水の大口へ》があることで、このデッキは強力なテンポ勝負を仕掛けることも可能だ。

「版図ランプ」(13名):「版図ランプ」は、《ホーントウッドの大主》を利用してランプを進めながら、《力線の束縛》のための完全な版図を達成する。《ホーントウッドの大主》は兆候コストで唱えた場合でも《豆の木をのぼれ》の誘発条件を満たし、最終的には巨大なクリーチャーへと変貌するのだ。「版図ランプ」は各デッキリストごとに勝ちカードと除去選択が異なるものの、いずれもコントロールの役割を全うするために《太陽降下》を当てにしている。

「ティムール果敢」(9名):「ティムール果敢」はコンボデッキのように機能し、爆発的なターンを生み出して猛烈な攻撃を仕掛ける。《永劫の活力》の助けを借りて《渓間の洪水呼び》をタップしてマナを出し、クリーチャーでない呪文を唱えてアンタップし、再びマナを出すという連鎖を続けられるわけだ。豊富な相互作用とカードを引く呪文により、このデッキは単一のターンに驚くほどの果敢能力を誘発させられる。タップでマナを出せるカワウソが戦場に充分いたならば、《嵐追いの才能》と《この町は狭すぎる》を無限に循環させることも可能だ!

「ディミーア・デーモン」(9名):「ディミーア・デーモン」は多くの妨害要素を「ディミーア・ミッドレンジ」と共有しているが、《永劫の好奇心》や軽量回避能力持ちクリーチャーは採用していない。代わりにこのデッキは《不浄な別室 // 祭儀室》を強力なライフ吸収の原動力へと変える《ドロスの魔神》を頼る形だ。「ディミーア・デーモン」のリストによっては、《止められぬ斬鬼》と《アクロゾズの放血者》で致命的なワンツーパンチを繰り出すものもあれば、追加のデーモンである《終末の加虐者》と《完成化した精神、ジェイス》によるしびれる致死コンボを展開できるものもある。

「ゴルガリ・ミッドレンジ」(9名):「ゴルガリ・ミッドレンジ」は黒と緑の最も強力な干渉呪文を当てにしたもので、また《苔森の戦慄騎士》と《グリッサ・サンスレイヤー》は素早さと復帰力を兼ね備えたクロックを提供する。ほぼすべての「ゴルガリ・ミッドレンジ」には《不浄な別室 // 祭儀室》と《ドロスの魔神》も含まれているが、デーモンセットに全振りするまでには至っていない。

「ジェスカイ召集」(6名):「ジェスカイ召集」は《ひよっこ捜査員》あるいは《遠眼鏡のセイレーン》から《上機嫌の解体》へとマナカーブを描き、早ければ2ターン目に《イーオスの遍歴の騎士》を召集で呼び出すことを目指すものだ。追撃の《イモデーンの徴募兵》で集中攻撃を浴びせられるほか、盤面をトークンで埋め尽くすことで利益を得られる《門道急行の事件》や《内なる空の管理人》といったカードがさらなる報酬を与えてくれる。

「ゴルガリ・ランプ」(5名):「ゴルガリ・ランプ」は「ゴルガリ・ミッドレンジ」よりも重いカードを採用し、《ホーントウッドの大主》を用いてランプを推し進める。《豆の木をのぼれ》と《死人に口無し》はほとんどの対戦でコントロール重視の立ち回りを可能とするだろう。この革新的な黒緑の選択は予期せぬ角度からこのフォーマットを攻略する。

「白単世話人」(3名):「白単トークン」としても知られるこのデッキは、《軍備放棄》と《太陽降下》を用いてクリーチャー中心の戦略を打ち砕き、《世話人の才能》下で《人参ケーキ》からさらなる価値を引き出すまで十分な時間を確保する、盤面コントロールに長けたデッキだ。すべての「白単世話人」デッキがサイドボード後の《完成化した精神、ジェイス》のために青マナを散らしているが、《軍備放棄》への依存度とメインデッキの青のカードは1枚か0枚であることから、白単に分類されている。

「オルゾフ・デーモン」(2名):「オルゾフ・デーモン」はコンボによる壊滅的な止めを打ち込める、ほぼ黒単のミッドレンジ・デッキだ。《止められぬ斬鬼》が対戦相手に戦闘ダメージを与えると、相手のライフの半分が失われる。《アクロゾズの放血者》がライフ喪失を倍にするため、素早い一撃が対戦相手のライフをゼロにする可能性を持つ。

「ボロス・エンチャント」(2名):「ボロス・エンチャント」は《呑気な物漁り》と《天上の鎧》の力をまとめて取り入れたシナジー重視のアグロ・デッキだ。『ダスクモーン:戦慄の館』産のいくつかのオーラがそれらのカードを後押ししつつ《熾火心の挑戦者》の果敢と雄姿を誘発させることで、電光石火の勝利を与えてくれる。

「グルール昂揚」(1名):「グルール昂揚」は《継ぎ接ぎのけだもの》と《逸失への恐怖》で墓地を肥やすシナジー重視のアグロ・デッキになっている。このデッキはその後《野火の木人》と《暴力的衝動》で致命的な打撃を与える計画だ。

「ゴルガリ・デーモン」(1名):「ゴルガリ・デーモン」は「オルゾフ・デーモン」に極めて近いが、白の《軍勢を灰に》の代わりに緑を散らして《苔森の戦慄騎士》を加えている。

「スゥルタイ・リアニメイト」(1名):「スゥルタイ・リアニメイト」は《第三の道の創設》と《錠前破りのいたずら屋》(の《フェイの解放》)を自身に用いてライブラリーを削り、《偉大なる統一者、アトラクサ》を墓地に送り込むことを理想とするデッキだ。それから、そのゲームを決定づけるクリーチャーは僅か3マナの《もがく出現》でリアニメイトできる。

「赤単アグロ」(1名):「赤単アグロ」は速攻クリーチャーと本体火力を用いて対戦相手のライフをゼロにし、可能な限り早く勝利することを目指している。

「赤単果敢」(1名):「赤単果敢」は「赤単アグロ」と似た性能ではあるが、非クリーチャー呪文の比重がかなり高い。このデッキは《逃走する暗号破り》や《精鋭射手団の目立ちたがり》といったクリーチャーで果敢テーマをより重視している。

「アゾリウス世話人」(1名):「アゾリウス世話人」は《奇怪な宝石》のマナを《蒐集家の保管庫》やほかの強力な起動型能力を持つカードへとつぎ込む点が「白単世話人」と違うところだ。《奇怪な宝石》に必要なマナ基盤を持つことで《軍備放棄》の採用ができなくなるため、きわめて独特な構築となっている。

『ブルームバロウ』で最も採用されたカードたち

 約3か月前に『ブルームバロウ』が発売されてから、スタンダードは大きな変貌を遂げた。最も古い4セットがローテーションで外れ、空いた枠にはこのフォーマットに新たな命を吹き込む新鮮なアニマルフォークの波が押し寄せたためだ。以下の表は、「第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権」で採用された『ブルームバロウ』カードを多い順に並べた一覧だ。

カード名 総使用枚数 メインデッキ サイドボード
脚当ての陣形 108 9 99
熾火心の挑戦者 96 96 0
心火の英雄 92 92 0
多様な鼠 83 79 4
噴水港 79 79 0
弱者の力 64 64 0
亭主の才能 52 52 0
洪水の大口へ 51 38 13
寓話の小道 49 49 0
跳ねる春、ベーザ 48 31 17
岩面村 41 40 1
稲妻罠の教練者 36 36 0
嵐追いの才能 36 36 0
渓間の洪水呼び 35 35 0
残虐爪の強奪 18 5 13
世話人の才能 17 16 1
人参ケーキ 14 14 0
お別れの突風 13 13 0
雇われ爪 8 8 0
群青の獣縛り 6 6 0
マネドリ 5 5 0
鋭い目の管理者 4 4 0
過剰防衛 4 4 0
蓄え放題 3 3 0
建築家の才能 3 3 0
長川の引き込み 3 3 0
狩人の才能 2 2 0
羽信隊の随員 2 2 0
轟く機知、ラル 2 0 2
陽背骨のオオヤマネコ 2 0 2
森の轟き、ルムラ 1 1 0
巣ごもりの季節 1 0 1
情け知らずのヴレン 1 0 1
 

 このセットの主要な貢献のひとつはハツカネズミを中心とした雄姿戦術を導入したことで、これは果敢デッキにとって有力な選択肢であることが証明されている。《心火の英雄》や《熾火心の挑戦者》といったカードが攻撃の先頭に立ち、《弱者の力》、《多様な鼠》、《岩面村》、そして《亭主の才能》が雄姿能力を繰り返し誘発させる方法を提供する。

 『ブルームバロウ』は、《世話人の才能》を中心に構築されたトークン戦術も強化した。これらのデッキは《跳ねる春、ベーザ》、《人参ケーキ》、そして《噴水港》といった支援カードによって補強されている。一方で《稲妻罠の教練者》、《嵐追いの才能》、そして《渓間の洪水呼び》のカワウソトリオはついに「ティムール果敢」に居場所を見つけ、目覚ましいシナジーを発揮することとなった。

 興味深いことだが、『ブルームバロウ』で最も多く採用されたカードはアーキタイプをより強めるものではない。《脚当ての陣形》がサイドボードに登場したため、一覧のトップに掲載されている。その汎用性によって《一時的封鎖》や《力線の束縛》から《ドロスの魔神》や《忌まわしき眼魔》に至るまで、あらゆるものに対する強力な回答となるのだ。現在のスタンダードでは、有効な対象が不足することはない。

『ダスクモーン:戦慄の館』で最も採用されたカードたち

 続いて『ダスクモーン:戦慄の館』もスタンダード・フォーマットの進化に向けて影響力に満ちた多種多様なカードをずらりと並べた。以下の表は、「第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権」で登場したスタンダードのそれら新カードすべての一覧だ。とんでもないことだが、113のデッキリストすべてに『ダスクモーン:戦慄の館』のカードが少なくとも1枚含まれていた。

カード名 総使用枚数 メインデッキ サイドボード
除霊用掃除機 126 1 125
グルームレイクの境界 101 101 0
ソーンスパイアの境界 85 85 0
不浄な別室 // 祭儀室 78 76 2
ホーントウッドの大主 76 76 0
フラッドファームの境界 60 60 0
忌まわしき眼魔 55 52 3
永劫の好奇心 55 55 0
ハッシュウッドの境界 48 48 0
止められぬ斬鬼 45 45 0
叫ぶ宿敵 41 22 19
永劫の活力 36 36 0
ミストムーアの大主 34 32 2
悪夢滅ぼし、魁渡 29 27 2
静かなる広間這い 24 4 20
悪魔祓い 23 1 22
幽霊による庇護 22 18 4
別行動 18 6 12
咆哮する焼炉 // 蒸気サウナ 16 16 0
解剖道具 16 0 16
永劫の無垢 14 10 4
終末の加虐者 14 14 0
紅蓮地獄 13 0 13
裏の裏まで 12 12 0
残響の力線 12 12 0
フラッドピットの大主 11 11 0
萎縮させる責め苦 11 0 11
機械仕掛けの打楽器奏者 10 10 0
ブレイズマイアの境界 8 8 0
呑気な物漁り 8 8 0
天上の鎧 8 8 0
破片魔道士の救出 8 8 0
焦熱の竜火 5 2 3
画家の仕事場 // 汚された画廊 5 5 0
逃げ場なし 4 2 2
逸失への恐怖 4 4 0
野火の木人 4 4 0
継ぎ接ぎのけだもの 4 4 0
暴力的衝動 4 4 0
フラッドピットの溺れさせ 3 3 0
ボイラービルジの大主 3 3 0
亡者の踊り手 1 0 1
見捨てられた人形、アラベラ 1 1 0
群れの巣人 1 0 1
 

 『ダスクモーン:戦慄の館』で最も多く採用されたカードは《除霊用掃除機》だが、「アゾリウス眼魔」のような墓地中心のデッキに対する有効な回答として主にサイドボードに用意されている。メインデッキに入っているカードとしては、新たに導入された境界土地が様々なアーキタイプで好ましい選択肢となった。これらの2色土地は、基本土地の比重が高い有効色デッキであれば他の土地より優秀だ。「版図ランプ」を選んだプレイヤーであれば、《ホーントウッドの大主》や《迷路庭園》で《ハッシュウッドの境界》の機能を引き出すこともできる。

 《不浄な別室 // 祭儀室》は、黒を基盤として《ドロスの魔神》を採用したミッドレンジ・デッキにとって驚異的な性能向上を見せることが証明された。それらのデッキが《止められぬ斬鬼》と《アクロゾズの放血者》のコンボを組み込んでいるかどうかにかかわらず、《不浄な別室》は安定したカードの流入を保証してくれる。一方で、スタンダード環境における《ホーントウッドの大主》も同様に深い影響をもたらしており、「版図ランプ」、「ゴルガリ・ランプ」、「スゥルタイ・リアニメイト」などの爆発的なデッキを活性化させた。

 他にも大きな影響を与えているカードがある。《救いの手》を利用するデッキでは、比較的脆い《僧院の導師》よりも有力な後釜として《忌まわしき眼魔》が登場した。軽量飛行クリーチャーを擁するデッキには、《ヨーグモスの法務官、ギックス》よりも優秀な復帰力を持つ《永劫の好奇心》が提供された。さらに、《永劫の活力》によって加速する「ティムール果敢」デッキの出現は、メタゲームにまったく新しい動きを加えている。

 《ミストムーアの大主》が「版図ランプ」をさらに改善。《悪夢滅ぼし、魁渡》がほとんどの「ディミーア・ミッドレンジ」のリストに適合。そして他の様々なカードが多種多様なアーキタイプで欠かせない役割を担当。以上から、『ダスクモーン:戦慄の館』がスタンダードに新しい可能性を溢れんばかりに送り込んだことは明白だ。

明日からのマジックの行方を観戦しよう!

 どのカードと戦略が勝利を収めるのか、そして誰が今年のマジックの競技シーンの歴史に名を刻むのかが気になりすぎる方は、すべての放送をお見逃しなく。「第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権」の配信は10月25日(金)からMagic Twitch channelPlay MTG YouTube channelで開始される! ぜひご覧あれ。

 
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