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EVENT COVERAGE
マジックフェスト・横浜2019
準々決勝:浅野 紅偉(大阪) vs. 磯ケ谷 怜雄(神奈川) ~墓地vs.墓地対策~
浅野 紅偉(写真左) vs. 磯ケ谷 怜雄(写真右) |
エターナル環境には墓地対策に一定の周期がある。いちど墓地利用系のデッキが結果を残せば、メインデッキからサイドボードまで墓地を意識したデッキが出現する。そして、墓地利用系デッキが駆逐されれば、やがて対策は緩やかに減少していく……。
このサイクルは必然の流れであり、ここ最近一定の勢力を保っている「ドレッジ」はまさに墓地利用系デッキの極地だ。
グランプリ・横浜2019は墓地対策がメインデッキにすら投入されているデッキがあちこちで見られる。「ドレッジ」の活躍は難しいのではないか、事実、前週に行われたグランプリ・サンパウロ2019ではトップ8にその姿はなかった。
しかし、「ドレッジ」は復権した。
このグランプリではトップ8に3名。
もはや、単なる墓地対策では止められないのか――それほどに鮮烈な結果を残した。
その「ドレッジ」を駆りトップ8入賞を果たしたひとりである、浅野紅偉。
2 《山》 2 《踏み鳴らされる地》 2 《血の墓所》 4 《樹木茂る山麓》 3 《血染めのぬかるみ》 4 《銅線の地溝》 1 《ダクムーアの回収場》 1 《マナの合流点》 1 《宝石鉱山》 -土地(20)- 4 《恐血鬼》 4 《ナルコメーバ》 2 《ゴルガリの凶漢》 4 《秘蔵の縫合体》 4 《臭い草のインプ》 -クリーチャー(18)- |
4 《信仰無き物あさり》 4 《叫び角笛》 4 《安堵の再会》 4 《壌土からの生命》 4 《這い寄る恐怖》 2 《燃焼》 -呪文(22)- |
1 《復讐に燃えたファラオ》 4 《稲妻の斧》 3 《自然の要求》 2 《暗黒破》 3 《古えの遺恨》 1 《突然の衰微》 1 《幽霊街》 -サイドボード(15)- |
そして、まさにメインデッキから墓地対策を搭載した、磯ケ谷怜雄。
4 《沼》 2 《森》 2 《草むした墓》 4 《新緑の地下墓地》 4 《花盛りの湿地》 2 《風切る泥沼》 2 《樹上の村》 4 《廃墟の地》 -土地(24)- 4 《タルモゴイフ》 3 《闇の腹心》 3 《漁る軟泥》 3 《不屈の追跡者》 2 《ゲトの裏切り者、カリタス》 -クリーチャー(15)- |
4 《致命的な一押し》 4 《コジレックの審問》 2 《思考囲い》 2 《虚無の呪文爆弾》 3 《暗殺者の戦利品》 1 《突然の衰微》 1 《大渦の脈動》 4 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(21)- |
4 《大爆発の魔道士》 1 《不屈の追跡者》 2 《外科的摘出》 1 《強迫》 1 《墓掘りの檻》 1 《人生は続く》 2 《集団的蛮行》 1 《滅び》 1 《最後の望み、リリアナ》 1 《生命の力、ニッサ》 -サイドボード(15)- |
ともに初のグランプリトップ8進出となったふたりは緊張もあってか、雑談を交わす他の卓と異なり、静かに対戦相手のデッキリストに目を通し、ジャッジからの説明を神妙な面持ちで聞いていた。
それでも、ゲームが始まればいつもと同じ――
「墓地 vs. 墓地対策」という、この週末、そして調整過程にあって何度も経験してきたであろうモダンのゲームが始まった。
ゲーム1
磯ケ谷はマリガン……だが、新たに手にした6枚には対「ドレッジ」で重要な《虚無の呪文爆弾》が。
ファーストアクションは「ドレッジ」の浅野。《信仰無き物あさり》で《恐血鬼》と《ゴルガリの凶漢》が墓地に落ちる。
そして、磯ケ谷は当然のごとく設置した《虚無の呪文爆弾》を、浅野がドロー・ステップのドローを置換したところで起動する。この「発掘」により《ダクムーアの回収場》と《恐血鬼》も墓地に落ちており、ここが使い所と踏んだのだろう。
だが、「ドレッジ」は1枚の、一度の墓地対策では止まらない。浅野は《安堵の再会》で《ゴルガリの凶漢》2枚を捨てると、ドローを置換した「発掘」で落ちたのは《這い寄る恐怖》が3枚!
これで磯ケ谷のライフは9まで落ち込み、さらに発掘は連鎖し、《ナルコメーバ》も2体戦場に舞い降りる。
だが、磯ケ谷はフェッチランドでライフをすり減らしながら、2枚目の墓地対策となる《漁る軟泥》!
これが通り、《燃焼》が取り除かれ、逆に浅野のクロックは《ナルコメーバ》2体のみになってしまう。現状は緑マナ源が立っていないとはいえ、ターンが返ってくれば、浅野の墓地を迅速に掃除してくれることだろう。一転、浅野が大きな課題を突きつけられた――ように見えた。
浅野の手には4枚目の《這い寄る恐怖》が握られていた。
浅野 1-0 磯ケ谷
浅野 紅偉 |
ゲーム2
またも磯ケ谷がマリガン。墓地対策を引いていなければ、ほぼ一方的な試合となるだけに、致し方のないところか。
浅野はまたしても《信仰無き物あさり》から《恐血鬼》と《秘蔵の縫合体》を墓地へと送る。これで続くターンには土地をプレイするだけで5点クロックが生み出される。
「ドレッジ」恐るべし――そう思った矢先のことだった。
磯ケ谷は《思考囲い》で《安堵の再会》《燃焼》土地4枚の手札から《安堵の再会》を落とし、《墓掘りの檻》を設置!
浅野は《壌土からの生命》を引き込み、「発掘」パーツこそ墓地に送るもののドローを置換することは当然せず、ライブラリーからカードを引き、《墓掘りの檻》への対抗策を探しにいく。
土地が2枚で止まってしまった磯ケ谷に対し、浅野は《臭い草のインプ》を通常プレイし、ともあれダメージソースを設置。磯ケ谷の《闇の腹心》も《燃焼》で落とし、1点ずつのダメージを与えていく。
磯ケ谷は土地こそ引けないものの、《虚無の呪文爆弾》を展開。2枚目の墓地対策を引き込み浅野の動きを制限する。だが、《臭い草のインプ》により、早くも磯ケ谷のライフはは13まで減少している。
ここで、《虚無の呪文爆弾》のドロー効果を使い、ようやく3枚目の土地を引き込んだ磯ケ谷は《最後の望み、リリアナ》で《臭い草のインプ》を無力化しつつ、逆に勝利へのカウントダウンを始める。
浅野は《安堵の再会》で《墓掘りの檻》への回答を探す。が、《稲妻の斧》と《壌土からの生命》《恐血鬼》というドロー…違う。
そして、《最後の望み、リリアナ》の奥義にたどり着いた磯ケ谷は、いよいよ攻勢に出る。
《致命的な一押し》で《臭い草のインプ》を破壊すると、《タルモゴイフ》が重い一撃を与え、浅野のライフは12。
そして、《タルモゴイフ》との相打ち要員として通常プレイした《臭い草のインプ》が《大渦の脈動》で対処されると、磯ケ谷の前を遮るものは何もなくなってしまった。
浅野 1-1 磯ケ谷
磯ケ谷 怜雄 |
ゲーム3
浅野が《叫び角笛》スタート。これを即座に起動し、《臭い草のインプ》が墓地に落ちるグッドスタート……だったが、磯ケ谷もまた、先ほど浅野を苦しめた《墓掘りの檻》という絶好のスタートを切る。
だが、今度は浅野が《古えの遺恨》を握っていた。磯ケ谷が《タルモゴイフ》を召喚したターンエンドに《墓掘りの檻》を割ると、《安堵の再会》をプレイ。ここで《臭い草のインプ》が《臭い草のインプ》を呼び、《ナルコメーバ》《恐血鬼》が墓地に落ち、そして戦場へ。
さらに《信仰無き物あさり》で《壌土からの生命》2枚がめくれ、一気にライブラリーの半分以上が墓地に落ちる。《秘蔵の縫合体》2体に、《恐血鬼》《燃焼》。「上陸」さえできれば、浅野のクロックは一気に増大するだろう。
つまり、磯ケ谷はダメージレースを仕掛けるしかない。5/6に成長した《タルモゴイフ》で攻撃に向かい、《廃墟の地》で《銅線の地溝》を破壊し、マナベースを攻める。
この判断が冷静かつ的確だった。浅野のデッキ内の基本土地は《山》が2枚。1枚は先ほどフェッチランドからサーチし、戦場にある。浅野はもう1枚の《山》をライブラリーからサーチ…することができなかった。そう、先ほどの大量発掘の結果、墓地に《山》が落ちてしまい、《廃墟の地》が《不毛の大地》として機能したのだ。
浅野もダメージレースを挑むべく、《ナルコメーバ》で《タルモゴイフ》をチャンプブロックしつつ《恐血鬼》で殴り返すのだが……土地は置けず、さらに緑マナが用意できず、《壌土からの生命》すらプレイできない。
土地が置けない浅野は通常ドローを「発掘」に置換し、活路を見出す。まだライブラリーに眠る《ナルコメーバ》が墓地に落ちてくれれば……。
だが、磯ケ谷はゲームを終わらせるべく《漁る軟泥》をプレイする。
浅野は墓地から《燃焼》をフラッシュバックしてこれを処理することもできたのだが、そもそも《タルモゴイフ》によるダメージレースに間に合っていないことを確認し、投了を告げ、軍配は「墓地対策」に上がったのだった。
浅野 1-2 磯ケ谷
磯ケ谷 怜雄 準決勝進出!
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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