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マジックフェスト・京都2019

戦略記事

グランプリ・京都2019 2日目進出者メタゲームブレイクダウン

小山 和志

 2000人以上が参加したグランプリ・京都2019。「多種多様」という言葉がふさわしいだろうか、会場は実に多くのデッキがあふれている。

 その中で、8回戦終了時点で6勝2敗以上の成績を収め、2日目に進出したプレイヤーたち413名の全デッキリストを分析した結果が以下となる。

デッキタイプ 使用者数 使用者割合
赤単系 70 16.9%
スゥルタイ・ミッドレンジ 69 16.7%
グルール・アグロ 50 12.1%
エスパー・コントロール 44 10.7%
ティムール再生 33 8.0%
白単 29 7.0%
シミック・ネクサス 23 5.6%
青単 22 5.3%
アゾリウス・アグロ 14 3.4%
ゲート・コントロール 11 2.7%
イゼット・ドレイク 6 1.5%
マルドゥ・アグロ 5 1.2%
バント・ネクサス 4 1.0%
緑単 4 1.0%
グリクシス・コントロール 4 1.0%
ラクドス・アグロ 4 1.0%
イゼット・フェニックス 3 0.7%
ティムール・ミッドレンジ 3 0.7%
その他 15 3.6%
合計 413 100.0%
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使用者数1位――赤単系 70名

 最も人気を集めた赤単系。しかし純粋な単色はそのうちの30名にとどまる。黒をタッチしたものが23名、緑をタッチしたものが17名と、単色本来の動きを損なわず、効果的なカードを補う形が人気を集めている。

 ミシックチャンピオンシップ・クリーブランド2019を制した青単、白単、赤単という「単色系」デッキは現環境における本命クラスのデッキだが、その中でももっともアグレッシブな赤単系が本イベントにおいて最も人数を集めることとなった。

使用者数2位――スゥルタイ・ミッドレンジ 69名

 トップの赤単系とほぼ同数を集めたのが、現環境の本命「スゥルタイ・ミッドレンジ」だ。「単色系」のアグロデッキを見据えた《野茂み歩き》《翡翠光のレインジャー》といった「探検パッケージ」を詰め込んだ形が57名、その「探検パッケージ」を抜き、より長期戦をも見据えた形の「オメガ・スゥルタイ」が12名という内訳となっている。

使用者数3位――グルール・アグロ 50名

 意外、と言ってはなんだろうが、「グルール・アグロ」が50名の突破者を輩出し、2日目使用者数3位に躍り出た。赤単タッチ緑とは異なり、《グルールの呪文砕き》《成長室の守護者》という緑要素を多く詰め込んだデッキであり、《包囲攻撃の司令官》などで中期戦も戦えるデッキだ。2日目上位卓にも多くこのデッキを見ることができ、環境の立ち位置が良かったことがうかがえる。

使用者数4位――エスパー・コントロール 44名

 ミシックチャンピオンシップ・クリーブランド2019で井川良彦を準優勝に導いた「エスパー・コントロール」は40名以上のプレイヤーを2日目へ送り込んだ。エターナル環境でも活躍する環境屈指の強カード《ドミナリアの英雄、テフェリー》を軸に据えた環境で最も遅いコントロールデッキは、《運命のきずな》系デッキがあまり奮っていないこともあり、上位進出に期待が持てる。

使用者数5位――ティムール《荒野の再生》 33名

 ミシックチャンピオンシップ後に勢力を拡大した「ティムール《荒野の再生》」。《運命のきずな》をメインエンジンに据え《パルン、ニヴ=ミゼット》と《発展 // 発破》をフィニッシャーとするデッキだ。コントロールに強い《パルン、ニヴ=ミゼット》、赤の豊富な除去呪文を採用しており、どのデッキにも一定の耐性を持っている。「シミック・ネクサス」に比べよりビートダウンを見据えており、「単色系」デッキが多い本大会で躍進を遂げた形だろうか。

使用者数6位――白単アグロ 29名

 中道大輔を神挑戦者まで押し上げた白単色のアグロデッキが30名近くを2日目へと送り込んだ。《議事会の裁き》という万能除去により一定の柔軟性を持ち、かつ優秀なクリーチャーを横に並べ速やかにライフを削り取る。

 後述する、青をタッチした「アゾリウス・アグロ」ではなく白単色を選択したプレイヤーが多数となった。

使用者数7位――シミック・ネクサス 23名

 《荒野の再生》を使用したデッキとして最注目の「シミック・ネクサス」だったが、ティムール型に押されたこともあってか2日目は23名にとどまっている。環境屈指のパワーカードである《荒野の再生》を使用したデッキは今後のスタンダードでも一定数見ることになるだろうが、その形は都度変遷をとげることも予想される。

使用者数8位――青単アグロ 22名

 ミシックチャンピオンシップ・クリーブランド2019を制した「青単アグロ」は「単色系」デッキの中では最も使用者数が少ない結果となった。おそらくかなり警戒されたこともあるのだろう。苦手とする赤系デッキが躍進したこともあってか、使用者数はギリギリ20人台に落ち着いた。


 さて、ここまでが使用者数20名以上のデッキとなる。それ以下のデッキについては表を参照していただければと思うが、非常に多種多様な顔ぶれとなった。

 使用者数2名以下のデッキは「その他」にまとめてしまったが、この「なんでもあり」な環境だけあって、こちらもまたさまざまなデッキが存在する。

 どんなデッキが存在するのか気になる方も多いことだろう。そこで、「その他」にカテゴライズされたデッキをご紹介して本記事を締めくくろう。

デッキタイプ 使用者数
ジェスカイ・コントロール 2
エスパー・ミッドレンジ 2
セレズニア・アグロ 2
ナヤ・ミッドレンジ 2
クラブ・ラクドス 1
バント・フラッシュ 1
4色コントロール 1
マルドゥ・アリストクラッツ 1
ボロス・アグロ 1
マーフォーク 1
ディミーア・コントロール 1
合計 15

 八十岡が自らの放送で披露し、今大会でも話題を集めた「クラブ・ラクドス」や、《秤の熾天使》を使用した「エスパー・ミッドレンジ」。白以外の4色によるコントロールデッキなど、滅多に見ることがないデッキが2日目に進出している。

 多くのプレイヤーが「いろいろなデッキがあって面白い」と口を揃えて称賛する現スタンダード環境。ぜひ『灯争大戦』発売まで駆け抜けていただければと思う。

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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