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The Limits11
The Limits 2011 決勝ラウンド オールカードロチェスタードラフト
By Masami Kaneko
年の瀬、名古屋の地。
今年もLimits決勝の時がやってきた。
オールカードロチェスタードラフト。
Limitsではもうお馴染みのレギュレーションであり、お祭りのようなレギュレーションと思われがちだ。
しかしその実、研究すればするほど難しいフォーマットであり、情報や練習の差が出やすい。
それもそのはず、そもそもこのレギュレーションをプレイしている絶対数が少ない。やったことのあるプレイヤーも少ないし、そもそもやる機会が無い。
つまり、少しの練習で大きな差が出るということだ。
さて、ではTop8のメンバーは実際に練習できたのだろうか?
話を聞いてみると、石井・石田・宮下は実際にこの環境のオールカードロチェスタードラフトに参加、ないしは観戦したことがあるとのこと。
はたしてその練習により差をつけることができたのか?
Top8プレイヤーはいずれもリミテッドの予選を抜け、更にドラフトとシールドで争った1日目を抜けてきた剛の者である。
特殊な環境とはいえリミテッドはリミテッド。彼らの力がぶつかり合う決勝ラウンドに期待したい。
オールカードロチェスタードラフトとは?
10月発売の大型エキスパション全てのフォイルカードにてロチェスタードラフトを行うフォーマット。
各1枚ずつのレア・アンコモンと、各2枚ずつのコモンカードでロチェスタードラフトを行う。
1番から8番まで時計回りに、8番からは更に逆回りで1番まで1枚ずつドラフトしていく。そして延べ16枚を取り終えたら、次のターンとして2番から始め、また時計回りで今度は1番へ、また折り返して2番まで、ドラフトを繰り返す。
スタートプレイヤーが8番席まで移動したら、今度は8番から1番まで反時計回り、1番から8番まで時計回り。スタートプレイヤーを8番から1番に移動させていく。
最後に最初と同じように時計回りスタートにて8ターンを行い全てのカードを取りきっていく。
ピック時間は1-8ターン目は30秒。9-16ターンは10秒、17-24ターンは5秒と減っていくことになる。
合間に休憩を挟むとはいえ、2時間程ぶっ続けでドラフトをすることになる、ハードなフォーマットだ。
席順決め
今回まずは対戦相手がランダムに選ばれ、対戦相手を見たうえで、予選のスイスラウンドの上位から席を選択していくことになる。
ランダム抽選の結果、初戦のペアリングは以下となった。
石井vs石田
宮下vs長谷川
関根vs佐古
山内vs三村
1位通過の石田が、即決で6番を選択。
そこから続いて、2-4番の様子を見やすそうな席が埋まっていく。
5位通過の宮下が8番席を取り、最後は8位通過の長谷川が1番席を取ることになった。
ほぼ対面同士の対戦となる他の3組に対し、隣同士で準々決勝を争うことになった宮下と長谷川。
この配置がピックにどのような影響を与えるのか?
それでは各位のピックを見ていこう。
ドラフト
1番席の長谷川は、《情け知らずのガラク》をピック。
シングルシンボルで手が広く、環境で対処されにくいプレインズウォーカーをピックした。
それを受け2番席の山内、これまたシングルシンボルで強力な神話レアである、《月皇ミケウス》をピック。
3番席の石井は、強力両面レアの《血統の守り手》を選択。ここから黒を主張し、黒が濃いデッキを作りたいところだろう。
強力レアの流れを確認し、4番席の佐古は《オリヴィア・ヴォルダーレン》をピック。カードパワーとしては環境随一であるが、2色のマルチカラーであることがネックとなる。うまく使うことができるのか?
5番席の三村はシングルシンボルでX火力である《小悪魔の遊び》を選択。できればフラッシュバックが可能な構成にしたいところだろう。
6番の石田は上の流れを見て、白が薄いと判断したうえで《天使の監視者》。
いまのところ白を主張しているのは山内1人であり、このままの流れならかなりおいしい配置となる。
7番の関根は今のところ2人が参入している黒を選択。《血統の切断》をピックする。
黒は強力なレア・アンコモンが多く、卓で3人目なら強力レアを取っていけるという判断だろう。
そして8番席の宮下は悩む。とにかく悩む。
他の7人の動向を見たうえで、何色を取るべきなのか。卓に薄い色は。これから競合しないアーキタイプは。
時間ギリギリまで悩んだ宮下は、《聖トラフトの霊》から《瞬唱の魔道士》とピック。
青系のデッキに活路を見出したようだ。
ちなみに、カードパワーが高いだけでなく、値段的にもトップレアである。
そこから(7)関根が《血の贈与の悪魔》、(6)石田は《霊誉の僧兵》、(5)三村が《扇動する集団》、(4)佐古が《ヴェールのリリアナ》と強力レアがピックされていく。
異変が有ったのは(3)石井の2枚目。ここで(3)石井は残っている強力なレア達ではなく《カラスの群れ》をピック!
これにはみんな驚きの顔を見せるが、卓で青を主張しているのがまだ(8)宮下だけだったため、参入を主張したのだろう。まだ2人目の青、このままいけばかなりおいしい思いができる。
そこから(2)山内が《ガヴォニーの居住区》、(1)長谷川が《夜明けのレインジャー》と強力レアをピック。
1パック目でのそれぞれの主張は以下のようになった。
プレイヤー名 | 1stPick | 2ndPick | 主張色 |
(1)長谷川 | 《情け知らずのガラク》 | 《夜明けのレインジャー》 | 緑(赤) |
(2)山内 | 《月皇ミケウス》 | 《ガヴォニーの居住区》 | 緑白 |
(3)石井 | 《血統の守り手》 | 《カラスの群れ》 | 青黒 |
(4)佐古 | 《オリヴィア・ヴォルダーレン》 | 《ヴェールのリリアナ》 | 赤黒 |
(5)三村 | 《小悪魔の遊び》 | 《扇動する集団》 | 赤 |
(6)石田 | 《天使の監視者》 | 《霊誉の僧兵》 | 白 |
(7)関根 | 《血統の切断》 | 《血の贈与の悪魔》 | 黒 |
(8)宮下 | 《聖トラフトの霊》 | 《瞬唱の魔道士》 | 青白 |
緑と青が現状2人と薄い。赤は(1)長谷川が参入すると3人となるため、ここから入っていくのかがキーとなるだろう。
(1)長谷川は最初まさかの緑1人かと思ったが、(2)山内が《ガヴォニーの居住区》をピックしたことにより2人となった。
イニストラード環境では色の主張と共にアーキタイプの主張が重要となるが、現時点ではそれぞれ強力なレアを取っている段階だ。
ここからの主張が注目の2パック目。
(2)山内が《ケッシグの檻破り》を確保し、緑をやることを明確に意思表示していく。
(3)石井は先程の《カラスの群れ》に続いて《精神叫び》で青を主張した。卓の青を絞る方針のようだ。
(4)佐古はまたも強力レア、《冒涜の行動》を選択。赤黒のコントロールを作る方針とした。現状赤しか主張していない(5)三村は《荘園のガーゴイル》で判断を保留。もし流れが良ければ赤単でもという判断か。
(6)石田も《悪鬼の狩人》で白単色の主張を継続。
(7)関根はここで望外の《深淵からの魂刈り》を取ることに成功。返しでも《死の支配の呪い》を取ることに成功し、黒の強力レアをほぼ独占している。
(8)宮下も《静かな旅立ち》を2枚ピックし、他人の青の参入を防ぐと共に目標とするデッキを作っていく。
返しとなった(1)長谷川は緑が薄い場で《アヴァブルックの町長》と《月桂樹の古老》の緑の強力レアを確保。2色目は赤が候補だが、他でもいいという状態。
逆順は《忌まわしきものの処刑者》、《護符破りの小悪魔》、《異教徒の罰》、《禁忌の錬金術》、《弱者の師》と強力なカードが順番に消えていく。
プレイヤー名 | 1stPick | 2ndPick | 3rdPick | 4thPick | 主張色 |
(1)長谷川 | 《情け知らずのガラク》 | 《夜明けのレインジャー》 | 《アヴァブルックの町長》 | 《月桂樹の古老》 | 緑(赤) |
(2)山内 | 《月皇ミケウス》 | 《ガヴォニーの居住区》 | 《ケッシグの檻破り》 | 《弱者の師》 | 緑白 |
(3)石井 | 《血統の守り手》 | 《カラスの群れ》 | 《精神叫び》 | 《禁忌の錬金術》 | 青黒 |
(4)佐古 | 《オリヴィア・ヴォルダーレン》 | 《ヴェールのリリアナ》 | 《冒涜の行動》 | 《異教徒の罰》 | 赤黒 |
(5)三村 | 《小悪魔の遊び》 | 《扇動する集団》 | 《荘園のガーゴイル》 | 《護符破りの小悪魔》 | 赤 |
(6)石田 | 《天使の監視者》 | 《霊誉の僧兵》 | 《悪鬼の狩人》 | 《忌まわしきものの処刑者》 | 白 |
(7)関根 | 《血統の切断》 | 《血の贈与の悪魔》 | 《深淵からの魂刈り》 | 《死の支配の呪い》 | 黒 |
(8)宮下 | 《聖トラフトの霊》 | 《瞬唱の魔道士》 | 《静かな旅立ち》 | 《静かな旅立ち》 | 青白 |
各自が強力レアをピックしていく中、(8)宮下の《静かな旅立ち》2枚が光る。これが吉と出るか、凶と出るか。
(3)石井の青参入により望外の黒の強力レアを2枚取ることができた(7)関根。ここから強力なデッキに仕上げていきたいところだ。
それぞれがアーキタイプも含めて固めていく中で、単色組はここから手を広げていくのか?また、発掘等特殊アーキタイプへの参入者は居るのか?これからどうなっていくのか注目していきたい。
3パック目のスタートは(3)石井から。
《閉所恐怖症》と《死の重み》というデッキの骨格を作る除去カードを2枚確保する。隣では超強力神話レア《死体生まれのグリムグリン》が仲間にしてほしそうな目で(3)石井を見つめているが、まだ「いいえ」を選択しているようだ。卓に他に青黒は居ないので、後半でまたおきあがって仲間になってくれることを想定しているのだろう。
(4)佐古は《轟く激震》と《ファルケンラスの匪賊》によりコントロール+フィニッシャーの形を強化。
(5)三村は《硫黄の流弾》と《クルーインの無法者》、(6)石田は《アヴァシン教の僧侶》と《信仰の縛め》、(7)関根は《夜の犠牲》2枚でそれぞれ単色を継続。
(8)宮下は《深夜の出没》、《雲散霧消》と優秀なスペルを確保、《瞬唱の魔道士》を生かしつつデッキを強化していく。
(1)長谷川はここで緑赤にはっきりと意思表示。《ガツタフの羊飼い》と《硫黄の流弾》により狼男系の緑赤を主張した。
(2)山内は当初の方針のまま、《アヴァシン教の僧侶》《精鋭の審問官》とピック。緑白のクリーチャーを並べるデッキを組む方針は変更無しだ。
そろそろ2色目を決めるなら考えないといけない4パック目。
スタートプレイヤーの(4)佐古は《死の重み》《地獄の口の中》と取り、2番手の(5)三村。ここで赤単しか主張していなかった(5)三村は、《霊炎》の返しに《ケッシグの狼の地》をピック! このピックには(1)長谷川の顔も歪む。緑赤のクリーチャーで殴るデッキを作っていたのだ、《ケッシグの狼の地》は喉から手が出るほど欲しかっただろう。他に緑赤を主張していたプレイヤーは居なかったため後に回していたのが仇となった。
(6)石田は《信仰の縛め》《銀の象眼の短刀》、(7)関根は《飢えへの貢ぎ物》《猛火の松明》、(8)宮下は《礼儀正しい識者》《不可視の忍び寄り》、(1)長谷川が《流城の貴族》と《霊炎》、(2)山内は《暗茂みの狼》2枚と、それぞれデッキの骨格を作る。
5パック目では(5)三村が《アヴァシンの巡礼者》によりはっきりと緑を主張。また、(6)石田も2色目として《禁忌の錬金術》を取り青に参入。卓に2人の青は強くなりすぎるという判断だろうか。
《旅の準備》2枚を確保した(2)山内をはじめそれぞれのアーキタイプを強くしていくカードを取っていくなか、(3)石井のピックはここで《吸血鬼の侵入者》と《死体生まれのグリムグリン》! 本来ならばもっと先にピックされるべき強力レアだが、どうやら他の人に仲間にされることもなく、(3)石井の元でおきあがって仲間になりたそうな目をしてくれたようだ。
(8)宮下はここで早くも《熟慮》2枚に手を出しており、目標とするデッキが見えているようだ。ここは1回でもオールカードロチェスタードラフトを観戦したことのある強みか。
この時点でほとんどの人が2色でアーキタイプも含めて主張しているのに対して、(7)関根は黒単ピックを継続。受けを広く取り後から2色目を取りに行くのか、はたまた黒単を貫くのか。
その後はそれぞれのデッキを強化。
(1)長谷川は狼男や赤の除去を確保、(2)山内も緑白の優秀クリーチャーや巨大化系スペルを確保。
(3)石井も地上を止めて空を殴るの形を作り、(4)佐古は除去や《肉切り屋のグール》でコントロール色を強めていく。
(5)三村が《待ち伏せのバイパー》や《解放の樹》で重めの緑赤を目指した。
(6)石田も青白の優秀クリーチャーや《閉所恐怖症》、《戦慄の感覚》といった強力のカードを確保。また、先に取った《悪鬼の狩人》《忌まわしきものの処刑者》と相性が良い《大笑いの写し身》を7ターン目、13枚目のピックとして確保している。
(7)関根も《戦墓のグール》や《歩く死骸》を確保し、(8)宮下が《戦慄の感覚》→《ムーアランドの憑依地》→《秘密を掘り下げる者》2枚とデッキの大切なパーツを確保したところで、8ターン目までの時計回りスタートが終了した。
反時計回りスタートの9ターン目からは、それぞれのデッキに足りないパーツを確保していくが、ここで(7)関根が今までずっと残っていた強力レアの《邪悪な双子》をピック。黒単の状態からタッチ青で強力レアを入れる方針のようだ。
対して(3)石井は苦い顔。「ぬわーっ!」と叫んだりはしなかったが、内心は穏やかではないだろう。誰も青黒をやっていなかったのをいいことに《錯乱した助手》や《チフス鼠》といったカードを優先してピックしていたが、(7)関根に参入されてしまった。
また、作ることができれば強力なアーキタイプである発掘のキーカードである《蜘蛛の発生》は(5)三村が確保。自身は緑赤なので発掘に行くわけではないだろうが、他者へのカットと共に、自身が使う可能性も模索している。その後も《裂け木の恐怖》や《根囲い》を確保し、他者のカットをすると共にデッキパターンに渡りをつけた。他のプレイヤーも「そろそろ」ということでカットも頻繁に行われてきている。
(8)宮下は確保している《聖トラフトの霊》《不可視の忍び寄り》と相性の良い《幽体の飛行》を2枚確保することに成功した。
(1)長谷川は初戦の相手である(8)宮下が《静かな旅立ち》など軸をズラすカードが多いのを意識して《レインジャーの悪知恵》を2枚早めに確保。他にも《流城の貴族》や《スカースダグの信者》は相性が良いカードであることを見越して優先的にピックしている。
また、(7)関根も対戦相手の(4)佐古がクリーチャー除去デッキなのを見て《血まみれの書の呪い》2枚を確保していくが、(4)佐古はそれに対応するように《幻月》や《魔女封じの宝珠》を確保。
それぞれが初戦の相手を知っているため、こんなメタゲームが発生するシーンも。
17〜24ターン目はそれぞれのデッキの補完とサイドボードカードの確保が主。
最後は基本土地と《業火への突入》が残ってしまい、みんなで《業火への突入》を無視しながらどの基本土地のイラストが良いかを選び出すお茶目な一コマも有った。
プレイヤー感想
長谷川 学 (東京)
「1番手で場所が悪かった、下家(山内)に緑を主張されたうえ、途中からの他の緑赤(三村)も参入されてしまった。」と語る長谷川は、しかしそれでも強力なカード陣と、1戦目の相手である宮下を意識したデッキを構築した。
「《聖トラフトの霊》+《幽体の飛行》には勝てないが、守りきって強力レアに繋げられれば・・・。」と話している。
山内 一史 (神奈川)
「3番に座りたかったが埋まってしまったので2番に座った。」と語る山内は、緑白の安定したビートダウンデッキ。
「除去が取れず、呪文が全部強化系になってしまったのが弱点。」と反省しているが、対してクリーチャーは強力であり《月皇ミケウス》《ガヴォニーの居住区》と強化するカードも強い。
「《アヴァシンの巡礼者》が思ったより早めに取られてしまった、取れていればもっと強かった。」と話すが、準々決勝の展望としては「相手に全体除去が無いので、横に並べて強化していけば相性は良いと思います。」とのこと。
石井 泰介 (神奈川)
《血統の守り手》をはじめとした青黒を構築した石井は、「7番席(関根)の青参入を想定していなくて、そのケアができなかった。」と反省していた。しきりに「《邪悪な双子》は自分で取ることができたのに・・・。」と悔やんでいる。
確かに強力レアカードの闊歩するこの環境であり、自身のデッキにもコピー先として強いであろう《血統の守り手》が入っているので、取れていればデッキの強さがかなり変わっただろう。
細かい青のパーツも早めに取られており、キツいところも多かったようだ。
「デッキとしてはわからないが、準々決勝の相手(石田)のデッキが強いのでキツい」と石井は語った。
佐古 渉 (東京)
「一巡目で黒の意思表示が3人出てしまってちょっと辛かった。」と話した佐古は、赤黒の除去中心のデッキを組み上げている。
「準々決勝の相手(関根)が《血まみれの書の呪い》を取っており、それの対策を一応ピックしたが対応しきれたか心配。」と語っていた。
「最終的には《オリヴィア・ヴォルダーレン》次第ですね。」と言っていたとおり、この強力レアが活躍すればゲームは簡単だろう。
三村 彰史 (兵庫)
「疲れたけどすごく面白いドラフトでした!」と笑顔で語ってくれた三村は、緑赤の重めのデッキを構築している。序盤は《待ち伏せのバイパー》等で守る方針のようだ。
「デッキは強いので80点、シナジーがあんまり無いのでそこは弱点かも。」と話してはいたが、《蜘蛛の発生》等を的確にカットし、他者をけん制しながらしっかりとしたデッキを作ったのはさすが。
石田 弘 (愛知)
しきりに「石井さん(準々決勝の対戦相手)のデッキが強すぎる。」と語る石田は、しかし青白の強力レアをはじめとした素晴らしいビートダウンデッキを構築している。
青白ながら除去も《悪鬼の狩人》と《忌まわしきものの処刑者》を確保したうえに《大笑いの写し身》でコピーするオプションも用意しており、軸をズラす《戦慄の感覚》も有るかなり良いデッキができているように見える。
しかし本人によると「失敗デッキ、60点ですね。」とのことで、どうやらこの環境はこのくらいでは勝てないと考えているようだ。
悲観的に考えているがデッキが強いことは間違いないだろう。
関根 尚人 (神奈川)
「ドラフト難しかったです。」と語る関根は、しかし黒の強力レアを中心とした黒青デッキを構築している。
また、途中で取った《血まみれの書の呪い》は、「相手が《幻月》とか《魔女封じの宝珠》取ってましたからね・・・無理だと思います。」と話していた。
「とにかくあとは《オリヴィア・ヴォルダーレン》次第ですね。」と佐古と同じことを言っているあたり、この強力レアはそれだけ重要なのだろう。
宮下 尚之 (埼玉)
「予選5位なのに一番やりたかった8番席になったのはラッキーでした。」と話した宮下は、青白の強力なビートダウンデッキを作り上げた。
2人目の白か3人目の黒がやりたかったと語る宮下は、しかし8番席の順番が来た時そのどちらも席も埋まってしまっていたため、テンパってしまったという。
その中で勝ちへの道を考えた結果、《聖トラフトの霊》や《不可視の忍び寄り》、《秘密を掘り下げる者》でのビートダウンという結論になったようだ。
青はその後他の人に参入されたが、アーキタイプがわかれたのである程度の住み分けができている。
「あとは白の1マナクロック《教区の勇者》や《宿命の旅人》等があれば完璧だったんですけどね。」との話のとおり、1マナ域は《秘密を掘り下げる者》2枚で終わってしまっている。これがうまく反転するかはゲームのキーになりそうだ。
準々決勝は相手の《霊炎》を懸念していたが、「まぁ《聖トラフトの霊》に《幽体の飛行》が付けば勝てますので。」と勝ちへのプランが明確に有ることによる自信が伺えた。
それぞれが強力なデッキを作り上げたオールカードロチェスタードラフト。果たして誰が勝つのだろうか?熱戦に期待したい。
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