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『カルドハイム』リーグ・ウィークエンド
『カルドハイム』リーグ・ウィークエンド(2月)注目の出来事
2021年3月3日
(編訳注:埋め込み動画は英語実況のものです。)
(編注:この記事はリーグ・ウィークエンド取材班のメーガン・ウォルフ/Meghan Wolffとコービン・ホスラー/Corbin Hosler協力のもとで作成されました。)
暦も変わり3月になると、いよいよ開幕が目前へと迫る『カルドハイム』チャンピオンシップ(参考:英語)。先月末に繰り広げられた激闘が記憶に新しい『カルドハイム』リーグ・ウィークエンドでは、みなさんの目を惹きつけたデッキやプレイヤーの活躍があったことでしょう。
あらゆるデッキに活躍の機会が見込まれ、多様化を極める今スタンダード環境。少数の限られたプレイヤーのみが参加できるイベントであるにも関わらず、本リーグ・ウィークエンドはベテランプレイヤーであっても5~6勝という平均的な成績に終わる厳しい戦いとなりました。そんな中、自身の所属リーグで最高の成績を収めたのが以下のプレイヤーです。
- ウィリアム・ジェンセン/William JensenがMPL最高の成績となる9勝2敗を記録。
- リー・シー・ティエン/Lee Shi Tian、オンドレイ・ストラスキー/Ondřej Stráskýが8勝3敗の好成績。
- イーライ・カシス/Eli Kassisと高橋優太の両名がライバルズ・リーグ最高の成績となる8勝3敗を記録。
全体的に、いずれのリーグにおいても数名の突出した成績を収めたプレイヤーはいるものの、大半のプレイヤーが平均的な成績であったため、一部のプレイヤーにとっては悲願であり目標でもあった「順位の大変動」が起こることはありませんでした。それでは、『カルドハイム』リーグ・ウィークエンド(2月)の出来事を振り返る前に、まずはMPLならびにライバルズ・リーグのプレイヤーたちが採用したデッキをご紹介いたします。
いずれのリーグにおいても、計15名のプレイヤーが採用した「ナヤ・アドベンチャー」がもっとも使用率の高いデッキとなりました。「出来事」を軸にしたデッキを採用したプレイヤーは彼らだけではありません。他にも8名が「グルール・アドベンチャー」を、そして5名が「ティムール・アドベンチャー」を本イベントでの武器として選択しました。また、11名が「白単アグロ」を、そして8名が「赤単アグロ」を採用したという結果から、アグロも今回非常に好まれた戦略であったと言えるでしょう。そしてもちろん、今回も他のどのプレイヤーとも異なるアプローチとなる、独自のデッキで挑んだプレイヤーも多数いました。
それでは、本イベントでの出来事を振り返りましょう。
マジック・プロ・リーグ
MPLでは、最高のプレイヤーが最高のデッキを使い、最高の成績を残しました。
ウィリアム・ジェンセンが「ナヤ・アドベンチャー」を使用し、9勝2敗という驚異的な成績を収めました。
3 《森》 2 《山》 2 《平地》 4 《岩山被りの小道》 1 《奔放の神殿》 4 《枝重なる小道》 4 《針縁の小道》 4 《寓話の小道》 -土地(24)- 4 《エッジウォールの亭主》 4 《巨人落とし》 3 《漁る軟泥》 1 《仮面の蛮人》 1 《絡みつく花面晶体》 4 《砕骨の巨人》 4 《カザンドゥのマンモス》 4 《恋煩いの野獣》 1 《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》 -クリーチャー(26)- |
2 《火の予言》 3 《スカルドの決戦》 4 《グレートヘンジ》 1 《髑髏砕きの一撃》 -呪文(10)- |
1 《ドラニスの判事》 1 《仮面の蛮人》 1 《運命の神、クローティス》 2 《赦免のアルコン》 1 《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》 2 《アゴナスの雄牛》 1 《長老ガーガロス》 3 《レッドキャップの乱闘》 1 《焦熱の竜火》 1 《切り裂かれた帆》 1 《エルズペス、死に打ち勝つ》 -サイドボード(15)- |
今季、前半戦を下位グループの一員として過ごすことを余儀なくされたジェンセンにとって、此度の躍進はまさに絶好のタイミングでした。これによって順位は大きく上がり、「MPLガントレット」を出場圏内に捉える上位グループのプレイヤーとして返り咲いたのです。デッキリストにつきましては、チームメイトであるイーライ・カシスやリード・デューク/Reid Dukeと同様、《黄金架のドラゴン》の採用はありませんでした。もしあなたが《黄金架のドラゴン》のファンであるなら、ハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguezが採用したデッキリストを参考にするのが良いかもしれませんね。
2 《森》 2 《山》 2 《平地》 4 《枝重なる小道》 4 《岩山被りの小道》 4 《針縁の小道》 2 《寓話の小道》 -土地(20)- 4 《エッジウォールの亭主》 4 《巨人落とし》 4 《群れの番人》 4 《砕骨の巨人》 4 《恋煩いの野獣》 4 《黄金架のドラゴン》 -クリーチャー(24)- |
4 《セジーリの防護》 4 《憤激解放》 3 《カズールの憤怒》 4 《スカルドの決戦》 1 《髑髏砕きの一撃》 -呪文(16)- |
2 《ドラニスの判事》 2 《運命の神、クローティス》 3 《アゴナスの雄牛》 1 《トーモッドの墓所》 1 《レッドキャップの乱闘》 1 《巻き添え》 2 《火の予言》 2 《ガラスの棺》 1 《萎れ》 -サイドボード(15)- |
ジェンセンのリストとはまた別の型であるこの「ナヤ・アドベンチャー」は、《黄金架のドラゴン》、《憤激解放》、そして《カズ―ルの憤怒》を使った面白いコンボでゲームを締めることができますよ。
そして今回、ジェンセンの背後にピタリとつける活躍をしたのがオンドレイ・ストラスキーとリー・シー・ティエンでした。苛烈な戦いを8勝3敗で勝ち越した2人の、異なるアプローチをご覧ください。
3 《森》 3 《島》 2 《沼》 4 《ゼイゴスのトライオーム》 1 《ケトリアのトライオーム》 4 《樹皮路の小道》 4 《疾病の神殿》 4 《闇孔の小道》 4 《清水の小道》 4 《寓話の小道》 -土地(33)- 2 《絡みつく花面晶体》 1 《嘘の神、ヴァルキー》 1 《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》 -クリーチャー(4)- |
1 《強迫》 4 《無情な行動》 4 《海の神のお告げ》 4 《狼柳の安息所》 4 《耕作》 2 《神秘の論争》 4 《古き神々への拘束》 2 《多元宇宙の警告》 1 《絶滅の契機》 3 《影の評決》 4 《出現の根本原理》 3 《アールンドの天啓》 3 《海門修復》 1 《キオーラ、海神を打ち倒す》 3 《エシカの戦車》 -呪文(43)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
-相棒(1)- 2 《鎖を解かれしもの、ポルクラノス》 1 《長老ガーガロス》 3 《強迫》 3 《否認》 2 《取り除き》 1 《屍呆症》 2 《サメ台風》 -サイドボード(14)- |
3 《ラウグリンのトライオーム》 4 《連門の小道》 4 《針縁の小道》 2 《陽光昇りの小道》 4 《河川滑りの小道》 1 《荒廃踏みの小道》 1 《清水の小道》 -土地(19)- 4 《繁栄の狐》 4 《ドラニスの癒し手》 4 《ドラニスの刺突者》 4 《雄々しい救出者》 -クリーチャー(16)- |
3 《踏み穴のクレーター》 4 《血の希求》 4 《驚くべき発育》 3 《型破りな協力》 2 《切り裂かれた帆》 3 《記憶漏出》 4 《天頂の閃光》 2 《願い与えの加護》 -呪文(25)- |
1 《夢の巣のルールス》
-相棒(1)- 2 《レッドキャップの乱闘》 2 《魂標ランタン》 2 《火の予言》 2 《ガラスの棺》 2 《否認》 1 《切り裂かれた帆》 2 《神秘の論争》 1 《空の粉砕》 -サイドボード(14)- |
ブラッド・ネルソン/Brad Nelsonやセス・マンフィールド/Seth Manfieldと同様、ストラスキは《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》、《嘘の神、ヴァルキー》、《アールンドの天啓》、《エシカの戦車》、《古き神々への拘束》、《多元宇宙の警告》など、『カルドハイム』収録のカードをふんだんに採用した「スゥルタイ・コントロール」を手に取りました。
ジャン=エマニュエル・ドゥプラ/Jean-Emmanuel Deprazとの対戦で輝きを見せたのは『ゼンディカーの夜明け』収録のカード。窮地に追い込まれたストラスキーを救う、絶大なる活躍を果たしました:
開催時間と自身の生活リズムとのズレから、これまでのリーグ・ウィークエンドを非常に困難なものと感じていたリーも、深夜過ぎの激闘の中で最高のパフォーマンスを発揮する術を見つけたようです。
「まず、深夜にプレイをしていてもタイムアウトをしないよう、速いデッキを選ぼうと思ったんだ」 リーはそう振り返りました。「なので、候補を『赤単アグロ』『白単アグロ』『サイクリング』で狭めたが、おそらく出来事ベースデッキが多くなるだろうと予想していたので、赤単はそこまで勝てないだろうと思った。『白単アグロ』と『サイクリング』を比較した時、『白単アグロ』や出来事ベースのデッキに強いサイクリングの方が良いと判断し、『4色サイクリング』を使うことにしたんだ」
ストラスキは今回の活躍により、MPL内で4位にまで浮上しました。このままこの順位をキープすることができれば、世界選手権への切符も手にすることができる好位置です。一方でリーは、来季もMPLへの残留を望むのであれば、今後も好成績を挙げ続けなければなりません。
『カルドハイム』リーグ・ウィークエンド(2月)のトリを飾ったのは、MPLの順位においてトップを走るパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosaとそのすぐ後ろを猛追するガブリエル・ナシフ/Gabriel Nassifの直接対決でした。まずはゲーム1からご覧ください。
最終ゲームまでもつれ込んだ、この重要な局面となるマッチを制したのはナシフでした。
それでは、これらの結果からMPLの順位はどのような変動があったのでしょうか? 6勝5敗で今回のリーグ・ウィークエンドを終えたダモ・ダ・ロサは首位を走り続け、わずか1点の差で2位にはナシフ。さらに2点差で3位につけているのが今回「スゥルタイ・コントロール」を武器として選択したブラッド・ネルソンとオンドレイ・ストラスキー。そこから3点離れて5位につけているのは、今回で8位から順位を上げたデューク。『カルドハイム』チャンピオンシップの開催が迫る中、5位以下との得点差を大きく広げた上位4名は、彼らの席を狙う者たちを迎撃する絶好のポジションにつくことができたと言えるでしょう。
マジック・ライバルズ・リーグ
ライバルズ・リーグでもっとも好成績を挙げたのはイーライ・カシスと高橋優太でした。
両名ともに選択したデッキは「出来事」を軸にしたもの。8勝3敗でリーグ・ウィークエンドを終えると高橋は自身の順位を7位まで押し上げました。
2 《森》 2 《島》 2 《山》 4 《ケトリアのトライオーム》 4 《樹皮路の小道》 4 《岩山被りの小道》 4 《河川滑りの小道》 3 《寓話の小道》 -土地(25)- 4 《エッジウォールの亭主》 4 《砕骨の巨人》 4 《厚かましい借り手》 4 《カザンドゥのマンモス》 4 《恋煩いの野獣》 4 《黄金架のドラゴン》 -クリーチャー(24)- |
2 《棘平原の危険》 3 《襲来の予測》 1 《神秘の論争》 3 《アールンドの天啓》 2 《グレートヘンジ》 -呪文(11)- |
1 《獲物貫き、オボシュ》
-相棒(1)- 2 《運命の神、クローティス》 3 《アゴナスの雄牛》 2 《レッドキャップの乱闘》 2 《巻き添え》 1 《魂標ランタン》 2 《神秘の論争》 2 《魂焦がし》 -サイドボード(14)- |
カシスがプレイしたのは、ジェンセンと75枚すべて同じ構成である「ナヤ・アドベンチャー」でした。リード・デュークが7勝4敗したことも考慮すると、今回「勝ち組」となったデッキの1つであることは間違いないでしょう。しかしながら、カシスは「ナヤ・アドベンチャー」を選択し損ねていたかもしれない、と語ります。
「我々の調整チームは2グループに分かれていたんだ。こちらのグループはグルールが好きで、ミラーを《巨人落とし》で有利に動きたいと思ったので『ナヤ・アドベンチャー』を選択した。もう一方のグループは『赤単アグロ』を選んだが、私は自分の力で戦局を作り上げづらいデッキを好まないので、赤単のようなデッキはよっぽどのことがない限り手に取らないんだ。アドベンチャーでプロツアーのトップ8に入ったということもあったので、それも要素として大きかったかな。自分で調整していたデッキ(ほぼローグ)は有効ではなさそうだったので、アドベンチャーのリード・デューク、赤単アグロのLSV(ルイス・スコット=ヴァーガス/Luis Scott-Vargas)のうちどちらかを信用するか選択しなければならなかったんだ。そしてこの決断が報われることとなった」
彼の決断が、彼に好成績をもたらしたことは間違いありません。ダモ・ダ・ロサとナシフの対戦と同様、ライバルズ・リーグでも行われたスタニスラフ・ツィフカ/Stanislav Cifkaとの首位対決。大事な一戦となるこのマッチは見事カシスが制しました。
今回のリーグ・ウィークエンドの結果を反映した現在の順位をご覧いただくと、いかに緊張感のある戦いが行われているかが見てとれるでしょう。カシスとツィフカの2名が首位に立ち、世界選手権出場圏内となる上位4名をわずか4点差以内で12名のプレイヤーが追いかける形となりました。
この中には、7勝という素晴らしい成績を収めたクリス・ボッテロ/Chris Botelhoやトラルフ・セヴラン/Thoralf Severinの姿もあります。両名とも今回は「出来事」をベースにしたデッキを選択したようです:
2 《森》 2 《島》 2 《山》 4 《ケトリアのトライオーム》 4 《樹皮路の小道》 4 《岩山被りの小道》 4 《河川滑りの小道》 3 《寓話の小道》 -土地(25)- 4 《エッジウォールの亭主》 4 《砕骨の巨人》 4 《厚かましい借り手》 4 《カザンドゥのマンモス》 4 《恋煩いの野獣》 4 《黄金架のドラゴン》 -クリーチャー(24)- |
1 《棘平原の危険》 2 《神秘の論争》 2 《襲来の予測》 4 《アールンドの天啓》 2 《グレートヘンジ》 -呪文(11)- |
1 《獲物貫き、オボシュ》
-相棒(1)- 2 《運命の神、クローティス》 2 《灰のフェニックス》 4 《長老ガーガロス》 1 《アゴナスの雄牛》 1 《星界の大蛇、コーマ》 1 《レッドキャップの乱闘》 2 《魂焦がし》 1 《神秘の論争》 -サイドボード(14)- |
9 《森》 4 《山》 4 《岩山被りの小道》 4 《寓話の小道》 -土地(21)- 4 《エッジウォールの亭主》 4 《山火事の精霊》 1 《漁る軟泥》 4 《砕骨の巨人》 4 《カザンドゥのマンモス》 4 《恋煩いの野獣》 1 《傷頭のアーニ》 3 《探索する獣》 -クリーチャー(25)- |
4 《焦熱の竜火》 2 《アクロス戦争》 4 《髑髏砕きの一撃》 4 《エンバレスの宝剣》 -呪文(14)- |
2 《運命の神、クローティス》 1 《傷頭のアーニ》 1 《灰のフェニックス》 2 《アゴナスの雄牛》 3 《レッドキャップの乱闘》 3 《萎れ》 1 《解き放たれた者、ガラク》 2 《怪物の代言者、ビビアン》 -サイドボード(15)- |
この2人に共通しているのは、ゲームを楽しむ心を忘れないということです。多くのものが懸かった戦いの中ではそれも容易なことではないはずですが、クリスのこの言葉が彼の姿勢をよく表しています:
It's a pretty good sign that a deck is really fun when five hours after the end of a six hour tournament you're failing to convince yourself to stop jamming ladder games and go to sleep.
— Chris Botelho (@CBotelhoMagic) February 28, 2021
6時間もリーグでプレイした後、5時間同じデッキを回してもラダーをやめて寝ようと思わないなんて、このデッキを回す楽しさを示す良い証拠だよね。
苦戦を強いられたプレイヤーたち
もちろん、勝ちを重ねている時の方が楽しむことが容易でしょう。しかしながら、いずれのリーグにおいても、厳しい戦いの中で辛酸をなめさせられたプレイヤーがいたことも事実です。ライバルズ・リーグでは、「グルール・アドベンチャー」を選んだベルナルド・サントス/Bernardo Santosと「赤単アグロ」を握ったルイス・スコット=ヴァ―ガス/Luis Scott-Vargasがともに3勝8敗と、両名の思惑通りにはいかない結果となりました。しかし、2人ともこれまでの成績が非常に良かったことが幸いし、「MPLガントレット」出場圏内に留まり、上位へと返り咲くための機会もまだ残されています。
MPLでは、セス・マンフィールド(スゥルタイ・コントロール)、ジャン・エマニュエル=ドゥプラ(白単アグロ)、そしてカルロス・ロマオ/Carlos Romao(グルール・アドベンチャー)が3勝8敗という結果に。マーティン・ジュザ/Martin Jůzaには大変気の毒ですが、これは彼が「赤単アグロ」を用いて残した記録より、3勝も多いのです。リーグ・ウィークエンドのルール上、「0-2ドロップ」なんてことはできません。いくら負けが重なったとしても歩みを止めることはできず、精神的疲労も生じたはずです。ジュザは今回の結果をもって、8位から「ライバルズ・ガントレット」出場圏内であるものの13位へと順位を転落させました。
多くのプレイヤーが「赤単アグロ」や「白単アグロ」を手に取りましたが、全体を通して「白単アグロ」の方が良いパフォーマンスを見せたようです。「赤単アグロ」に関してはアグロデッキへの耐性を強化したコントロールデッキにも、アグロに対して有利に立ち回れるとされるナヤ系のデッキにも苦戦をする結果となりました。
全体的に、現スタンダード環境は誰もが納得して「最強のデッキ」として挙げられるものがないような、多様性に富んだものだと言えるでしょう。アンドレア・メングッチ/Andrea Mengucciが1年以上愛用している「“エスペローネ”・予言された壊滅」や、「グルール・アドベンチャー」など、『カルドハイム』発売以前から活躍をしていたデッキや、新たに登場したデッキなど、群雄割拠の様相を呈しています。今回のリーグ・ウィークエンドも、これまで同様わずか数名のプレイヤーが群を抜いた勝利数を収める結果となりました。
両リーグとも大半のプレイヤーが5~6勝を挙げ、7~8勝が「大勝」と評された今回のリーグ・ウィークエンド。現スタンダード環境に対する明確な回答を探していた方も、きっとそれは見つからなかったのではないでしょうか? デッキごとの勝率をご覧いただければお役に立つかもしれません。
アーキタイプ | 使用者数 | 勝率 |
---|---|---|
ナヤ・アドベンチャー | 15 | 57.3% |
白単アグロ | 11 | 40.7% |
グルール・アドベンチャー | 8 | 48.1% |
赤単アグロ | 8 | 31.0% |
スゥルタイ・コントロール | 6 | 54.5% |
ティムール・アドベンチャー | 5 | 64.9% |
ディミーア・ローグ | 3 | 58.9% |
4色予言された壊滅 | 3 | 52.2% |
4色サイクリング | 2 | 61.4% |
ラクドス・サクリファイス | 2 | 55.0% |
アブザン・コントロール | 1 | 54.5% |
アゾリウス・コントロール | 1 | 50.0% |
ジャンド・サクリファイス | 1 | 60.0% |
スゥルタイ・ローグ | 1 | 36.4% |
もう1つ忘れてはならないことは、「スゥルタイ・コントロール」が『カルドハイム』の登場により新たに強力な武器を得たことですね。それでは、セス・マンフィールドが魅せた《出現の根本原理》を用いた凄まじい動きをご覧ください。
『カルドハイム』チャンピオンシップの開催もすぐそこまで迫ってきました。生中継は3月26~28日(PDT)の日程でtwitch.tv/magicにて行われますよ!(編訳注:日本語版の放送予定は後日告知いたします。) リーグポイント獲得のためだけではなく、誰もが追い求める「現環境の最適解」を巡る争いをぜひご覧ください。
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