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日本選手権11
日本レガシー選手権 決勝: 安田 真幸(大阪) vs. 新田 育也(神奈川)
By Shiro Wakayama
もうひとつの日本選手権として、2日間にわたって行われてきた日本レガシー選手権。
200名を超える参加者が詰めかけたことは、「レガシー熱」の高さを証明している。
今年の王者を決める一戦に注目しよう。
デッキは安田 真幸(大阪)がLandstill、新田 育也(神奈川)が《石鍛冶の神秘家》入りバント、となっている。
先手は安田。
《行き詰まり》《壌土からの生命》《不毛の大地》×2を含む土地5枚をキープ。Landstillとしては上々のハンド。
新田の《Tundra》、《Tropical Island》を連続で破壊するところからゲームがスタートする。
これで無事では決してないのだが、3ターン連続で土地を置き続ける新田。ここで《行き詰まり》が着地する。
新田はここで少し考えるが、並んだフェッチランドから《Tundra》《Tropical Island》とサーチしてきて、少し前までスタンダードを席巻していた《石鍛冶の神秘家》で《殴打頭蓋》をサーチと動く。
だが、安田はこれを《無垢の血》を《精神的つまづき》させたうえでの《四肢切断》で退け、《殴打頭蓋》を手札で腐らせる。
新田は攻撃の手を緩めず、《聖遺の騎士》をプレイするが、これも《Force of Will》でカウンターされてしまう。やはり《行き詰まり》によるアドバンテージは果てしない。
この攻防の末に、3枚目の《不毛の大地》で相手のマナを縛りつつ、手札で待ち構えていた《壌土からの生命》がその3枚の《不毛の大地》を手札に戻す。
新田も、Landstill相手によく土地を引き、絶望的な展開にはならずにすんでいるのだが、如何せん引いてくるのが特殊地形。
当然、いつかはセットランドできなくなってしまうわけで、安田の《不毛の大地》が新田の都合6枚目の土地を破壊したあたりで、新田のデッキが機能不全に陥ってしまう。
そんな新田をしり目に、安田がマナ基盤を整え始める。
4枚目の土地が揃ったところで、安田がおもむろに動く。フルタップからプレイされるのは、ひと月前までスタンダードを席巻していた《精神を刻む者、ジェイス》。
スタンダード禁止の裁定は、レガシーにおける強さの証。《Force of Will》によるカウンター合戦の上、青い悪魔が戦場に降り立ち、安田の手札が瞬時に充実する。
土地不足による機能不全状態の新田が、この状況を打開できるはずがなく、投了。
安田 1-0 新田
お互いにマリガン無しで、始まる2戦目。
新田は《モックス・ダイアモンド》を《Force of Will》でカウンターされるものの、さらに2枚目の《モックス・ダイアモンド》から、《エーテル宣誓会の法学者》という、レガシーの醍醐味と言わんばかりの派手なアクションでゲームが始まる。
ドローゴーする安田をしり目に、さらに《聖遺の騎士》を戦場に追加と、アクティブな新田。だが、この《聖遺の騎士》は《喉首狙い》によって、即墓地行きとなってしまう。
淡々と《エーテル宣誓会の法学者》がクロックを刻む中、安田の《渦まく知識》を新田が《精神的つまづき》で打消し、《エーテル宣誓会の法学者》による僅かな盤面の優位を守ろうとする新田。
だが、無情にも安田は2枚目の《渦まく知識》をプレイ。将来の為に、手札を整理して機を待つ。
少し動きが思わしくない新田だが、ここで《石鍛冶の神秘家》をトップデッキして、プレイ。だが、《渦まく知識》によって安田にもたらされていたのは《呪文嵌め》。
さらに《ミシュラの工廠》の起動によって、相手の《不毛の大地》を起動させつつ、《悪魔の布告》でクロックとなっていた《エーテル宣誓会の法学者》を除去。消耗戦の様相を呈していく。
少しの間、互いにドローゴーが続いたところ、新田は《精神を刻む者、ジェイス》をトップデッキ。だが、安田も負けてはいない。わずか2枚の手札は《Force of Will》ときっちりと青いカード。これをカウンターしてお互いに手札は0。
しかし、このトップデッキ勝負は、新田の引きが止まらない。
《ヴェンディリオン三人衆》をトップして、相手の《破滅的な行為》を退けつつ、2ターン後には、さらに《精神を刻む者、ジェイス》の2枚目をトップから叩き付ける。
そして《渦まく知識》能力を起動し、《霧深い雨林》をセット。次のターンにさらに新鮮な4枚のカードに巡り合うことが確約されている新田を前に、安田は自らのドローが土地であることを確認すると、次のゲームへと気持ちを切り替えた。
安田 1-1 新田
Game 1
安田 真幸 |
Game 2
新田 育也 | |
Game 3
安田、たっぷりと時間をかけて大きく悩み、マリガンを宣言。 ファーストアクションは新田の《森の知恵》。ゆったりとしたゲームを得意とする安田に対し、ライフをコストとしてアドバンテージを得られるこのカードは非常に強力である。カウンターされるかと思いきや、これは無事に戦場へと着地。 だが、これは《撤廃》X=2により新田の手札へと戻る。ここでアドバンテージ重視の動きから、新田は攻め方を変え、《森の知恵》ではなく《聖遺の騎士》をプレイ。ライフを詰めていこうと画策する。だが、これは《喉首狙い》で即除去されてしまう。 その後《エーテル宣誓会の法学者》がまたしても新田の場に降り立つと、少しゲームはスロウダウン。新田の《渦まく知識》を安田の《精神的つまづき》が牽制し、互いにターンを終了。レガシーという、1枚1枚のカードが強い上のこの環境では、序盤の攻防のテンポが速いため、比較的早くトップデッキ勝負になることが多い。 膠着のあと、安田が意を決して《精神を刻む者、ジェイス》をフルタップでプレイ。 これに対する新田の回答は、《聖遺の騎士》。だが、これは再び《喉首狙い》で除去。 さらに《ヴィダルケンの枷》とアグレッシブに動く安田だが、これは勇み足。《目くらまし》でカウンターされてしまう。 しかし、《精神を刻む者、ジェイス》の優位は変わらない。 安田は、《精神を刻む者、ジェイス》の加護のもと、《渦まく知識》能力で手札を拡充していく。 新田は手札で出番をうかがっていた《森の知恵》を出してみるものの、安田は意に介しない。《ミシュラの工廠》2体で果敢にライフを削り、《森の知恵》の活用を制限する。 新田の《エーテル宣誓会の法学者》も《悪魔の布告》ですぐに除去し、ライフを削り続ける。 突破口を見出そうと、安田のターン終了時に《ヴェンディリオン三人衆》をプレイするのだが、これは無情にも《Force of Will》。 安田の圧倒的優位だった盤面だが、ライフを削りきるかと思われた安田の《ミシュラの工廠》軍団を、《不毛の大地》と《クローサの掌握》で対処。さらに《ヴェンディリオン三人衆》をプレイし、一気に反撃する新田。 それでも、《精神を刻む者、ジェイス》がもたらすアドバンテージは尋常ではない。 新田が《森の知恵》で命を削り、無理矢理かき集めたリソースを、いとも簡単に《破滅的な行為》が押し流していく。 マナベースを《モックス・ダイアモンド》に依存していた新田は、土地が2枚だけと非常に寂しい場になってしまった上に、安田の側には、《精神を刻む者、ジェイス》があり、新田のライブラリートップを検閲し始める。 かくして、スタンダードフォーマットから追放された暴君は、レガシーフォーマットを制す。 安田 2-1 新田 日本レガシー選手権2011 優勝は、安田 真幸(大阪) ッッ!!RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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