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日本選手権11

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日本レガシー選手権 準々決勝: 槙 亮(京都) vs. 成田 知聡(埼玉)

By Atsushi Ito  日本レガシー選手権2011。  日本中からレガシープレイヤーが集まるこのイベントは、日本選手権の併催イベントという位置づけではあるものの、本戦に匹敵する200人以上の参加者を動員したということで、日本レガシー界の盛り上がりを感じさせる大会となった。  そして、その200人強のプレイヤーの頂点に立った8名。そのデッキ分布は以下の通りだ。
2Hivemind
2Bant Mystic
1Zoo
1UGB Landstill
1Zenith Order
1New Horizon
 トップメタの1つであるマーフォークの不在。そして《石鍛冶の神秘家》が支配していると言われる日本のレガシー環境で、その脇をすり抜けての《集団意識》デッキの台頭が主なトピックだろう。  だが、そのようなマクロな事情はこれからトップ8を戦う当事者には関係のないことだ。  目の前に誰が、どんなデッキが座ろうと、優勝するためには勝ち続けるしかない。  デッキは槙がBant Mystic、成田がHivemindである。 レガシー選手権準々決勝1
成田 知聡(手前左)、槙 亮(手前右)
Game 1
 先手は成田。  ダブルマリガンの槙を尻目に、《思案》でコンボパーツを探しにいく。  土地を置くだけの槙に対し、成田は容赦なく2ターン目のエンド前に《古えの墳墓》からの《直観》をプレイ。これを槙がスルーし、デッキ名でもある《集団意識》が3枚サーチされ、そのうちの1枚が成田の手札へ収まる。  返すターン、成田は1マナを立たせつつそのまま《実物提示教育》をプレイ。手札に《集団意識》があるのが確定している以上これを通せない槙は《精神的つまづき》をリムーブしての《Force of Will》で弾こうとするが、成田はこれをしっかり《否定の契約》で退ける。
 結局そのまま《集団意識》が着地し、槙は3ターン目にして早くも《タイタンの契約》《召喚士の契約》と強制契約させられてしまった。 槙 0-1 成田  ここで成田は全くサイドボードからの入れ替えをしない。《ヴェンディリオン三人衆》すら不要で、純粋にコンボに特化した方が強いと考えたようだ。
Game 2
 槙の先手。今度はお互い7枚で始まる。  槙は《貴族の教主》からスタートする。  対して成田は《古えの墳墓》から《厳かなモノリス》というロケットスタート。  ここで槙のサイドカードが光る。セットランドこそできないものの、2ターン目にキャストされたのは《翻弄する魔道士》。これが通り、ゆっくり時間をかけて選んだ指定は、1ゲーム目を決定づけた《実物提示教育》。成田のデッキコンセプトの片翼をもぐ。  一方成田は淡々と土地を置き、機を待つ。  だが槙はそのような時間を与えない。続くターンにプレイされたのは2枚目の《翻弄する魔道士》!!  これを通すと6マナ払って《集団意識》素プレイのプランを封じられてしまう成田は、さすがに《Force of Will》を打たざるをえない。だが代替コストのために虎の子の《直観》を切らされてしまう。  それでも返すターンに成田は《目くらまし》の1マナを立たせつつ《集団意識》をプレイ、そしてこれが通る・・・が、コンボの相方である契約はない。  《貴族の教主》の賛美を受けた槙の《翻弄する魔道士》が静かにクロックを刻む。  そしてその時はきた。ようやく3マナ目にたどり着いた槙がプレイしたのは、刹那を持つ《クローサの掌握》!! 槙 亮
槙 亮
 自分からはプレイできないものの、通常の呪文なら何を打たれても「勝ち確」だったはずの《否定の契約》を抱えていた成田は予想外の呪文に頭を抱える。  さらに槙は成田のドロー後、ダメ押しとばかりに墓地の《集団意識》に《外科的摘出》!!  せめてこの契約が違う色だったなら・・・などと悔やんでも仕方がない。成田はやむなくこれに《否定の契約》をプレイするが、そのまま《翻弄する魔道士》に撲殺されてしまった。 槙 1-1 成田
Game 3
 お互い7枚で始まったゲームだが、フェッチランド2枚を置いて力を溜める成田に対し、槙は対コンボデッキ用の手札をキープした代償か、2枚目の土地が置けずに《剣を鍬に》をディスカードする立ち上がり。  次のターンにようやく槙が土地を引き込んだ返しで、成田はフェッチ1枚を起動してから《古えの墳墓》をセットし、1マナ余らせての《実物提示教育》で仕掛ける。  これを槙は《精神的つまづき》をリムーブしつつの《Force of Will》。とりあえず事なきをえる。  返すターンに槙は2点を払って《実物提示教育》に《外科的摘出》・・・を今度は成田が《精神的つまづき》、これも解決。お互いの手札にあと何枚カウンターがあるのか、成田にコンボパーツは既に揃っているのか・・・息詰まる攻防戦だ。 成田 知聡
成田 知聡
 ここで槙は意を決してフェッチ2枚を起動し、フルタップで《聖遺の騎士》をプレイ。成田に明確なクロックを突きつける。  成田はひとまず《渦まく知識》をプレイ、不要な《引き裂かれし永劫、エムラクール》と《裏切り者の都》をライブラリトップに積む。場にはフェッチランドが残っているため、シャッフルして新鮮なドローを求めるプランだ。  と、ここでターンが返ってきた槙は《不毛の大地》をセット。そして熟考の後、成田のアンタップ状態のフェッチランドに起動する妙手。いずれにせよドロー前に起動するつもりだった成田は当然スタックで起動する。槙はサイズを上げた《聖遺の騎士》でアタックしてエンド。  《古えの墳墓》が割られなかったことでマナが残った成田は、満を持して《集団意識》をプレイ。槙は《ヴェンディリオン三人衆》をリムーブしつつの《Force of Will》をプレイするが、ここで成田も《Force of Will》!!  ついに《集団意識》が着地してしまう。  そのまま《タイタンの契約》、そして優先権を放棄することなしに《召喚士の契約》と成田に畳みかけられ、最後の手札である《クローサの掌握》を抱えたまま、槙はマットに沈んだ。 槙 1-2 成田
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RESULTS

対戦結果 順位
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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