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マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン2024
準決勝:Soohan Yoon vs. 加藤 健介 ~傲慢に、解放的に~
462名が参加した、MTGアリーナを使用した『ブルームバロウ』発売直後の大型スタンダード大会、ジャパンオープン2024。
そのトップ8のアーキタイプは、「アゾリウス・メンター」「アブザン・ランプ」「赤単果敢ミッドレンジ」「アゾリウス・コントロール」「ラクドス・トカゲアグロ」「ジェスカイ召集」「版図ランプ」「ボロス・ミッドレンジ」とどれ一つ被ることのない多種多様なものだった。
準決勝初戦で対戦するのはSoohan Yoonと加藤 健介。
Soohan Yoonは準々決勝でアゾリウス・コントロールの鉄壁の防御網を《僧院の導師》で突破し、見事ビートダウンを決めてみせた。
チャンピオンズカップファイナル シーズン2ラウンド3でのトップ8入賞も記憶に新しいYoonは、同大会と同様にアゾリウス・メンターを手にここまで勝ち進んできた。独創的かつシンプルな戦略でありながら、相手の除去呪文を掻い潜り《僧院の導師》や《傲慢なジン》を定着させる必要があり、手の内を巡る駆け引きがり、プレイ難易度は高い。
それをいとも容易く操ってみせるところに、Yoonの使い込み、練度がみてとれる。
対するはグランプリ3度の入賞歴があり、最近は解説と多岐にわたる活躍を見せている加藤 健介。準々決勝では世界屈指のトッププレイヤーであり、殿堂プレイヤーの八十岡 翔太との苛烈なダメージレースを制した。
加藤のデッキは単色ながら速攻、ミッドレンジのいずれに偏ることのない構築であり、折衷型とでも呼ぶべき赤単果敢ミッドレンジを持ち込んでいる。《僧院の速槍》と《雇われ爪》の速攻を、火力でサポートし、中盤以降は《陽背骨のオオヤマネコ》が後押しする。マッチアップに応じ、可変的にゲームプランを構築できるのが、このデッキの魅力である。
果たして、決勝へと進むのはどちらのプレイヤーか。
ゲーム 1
Yoonの《行き届いた書庫》からゲームは始まると、流れるように《幻影の干渉》を構え、ターンを返す。
対する加藤は《雇われ爪》からスタートを切るも《幻影の干渉》を見抜き、《精鋭射手団の目立ちたがり》を計画することでマナを無駄にすることなくターンを終える。
しかし、この《幻影の干渉》は構えていながらも、Yoonの狙いは別にあった。加藤のターンエンドに《フェイの解放》をプレイし、切削した4枚に《傲慢なジン》を見つけると、返すターンに《手練》経由で《救いの手》をプレイし着地させる。しかも《行き届いた書庫》を立たせた状態で、だ。
この重要な局面で加藤の土地は2枚で止まってしまい、2枚目の《雇われ爪》、先ほど計画しておいた《精鋭射手団の目立ちたがり》をプレイし攻撃へ向かうしか選択肢がない。《ショック》までYoonへと打ち込み一気にライフを削ろうと画策するも、《洪水の大口へ》が《精鋭射手団の目立ちたがり》に突き刺さる。
ダメージレースこそ13-20と加藤リードだが、《幻影の干渉》に守られた《傲慢なジン》に隙はなく、4点のダメージを与え、さらに2体目のジンが着地したことで攻守が入れ替わりつつある。
加藤は2体の《雇われ爪》を慎重にアタックへと送り出すもスルー。ライフは9まで落ち込むもアンタップの《行き届いた書庫》から嫌がおうにも《幻影の干渉》を想起してしまう。再び《精鋭射手団の目立ちたがり》を計画し、ターンを終える。
そして、Yoonがドローするとそこには《決定的瞬間》が。都合2枚のインスタントを墓地へ送り込みつつ《錠前破りのいたずら屋》を手札に加えたことで《傲慢なジン》のパワーは6へと上がり、クロックは8点から尋常ならざる12点まで跳ね上がる。その上で《フェイの解放》で2枚以上のインスタントかソーサリーが落ちれば、勝利が決定的となる。
解説をして「一瞬の出来事とだった」と言わしめた《決定的瞬間》から《フェイの解放》への連鎖は追加のインスタントを呼び込み、《傲慢なジン》のパワーを8まであがる。
急転直下、16点あったライフはわずか一度の攻撃0を割った。
Yoon 1-0 加藤
ゲーム 2
追いつめられた加藤をさらなる苦難が襲う。ここで痛恨のダブルマリガンスタートとなり、その手札には低コストのクリーチャーの姿はない。
対してYoonは《手練》、《決定的瞬間》とデッキを回し、《救いの手》で3ターン目にして《僧院の導師》を着地させる。
加藤の手に《抹消する稲妻》はあるが、Yoonの戦場にはアンタップ状態の土地が2枚あり、何かしらのインスタントトリックを感じとらざるをえない。できればタップアウトの隙に《抹消する稲妻》で安全に対処したく、その時を待つ。仮にトークンが並んだとしても《兄弟仲の終焉》を引ければ、ボードを一掃し逆転する可能性は残されている。
先ずは《陽背骨のオオヤマネコ》をプレイし、Yoonに対処を迫る。予定調和に《魂の仕切り》がプレイされ、モンク・トークンが生成される。さらに《手練》によりトークンの数は2体となり、ダメージレースは16-13と逆転。
止む無く加藤はドローしたばかりの《焦熱の交渉人、ヤヤ》に一類の望みを託すも、無情にも《幻影の干渉》が突き刺さる。返すターンの攻撃によりライフは10まで落ち込む。
加藤は最後の手段である《抹消する稲妻》へとついに手をかけると、スタックして《フェイの解放》がプレイされ、モンク・トークンの数は4体に。見事《僧院の導師》の対処に成功するも、十分に役割を果たしていた。
返すターン、Yoonは《魂の仕切り》でブロッカーをどかすとさらにインスタントを重ねる。果敢のバックアップを得て、《決定的瞬間》が訪れたのだった。
Yoon 2-0 加藤
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