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グランプリ・台北2016

第10回戦:大森 健一郎(兵庫) vs. Lee, Shi Tian(香港)
By 矢吹 哲也
今大会における「Day1 Undefeated Player」、すなわち無敗で初日を切り抜けたプレイヤーは4人。そのうち3人が9戦全勝を果たしており、そのひとりに大森 健一郎がいる。
2日目初戦で迎える相手も、全勝。だが香港のリー・シー・ティエン/Lee Shi Tianの名がここで出てくることは、もはや驚くことではないだろう。アジアを代表するトップ・プレイヤーは悠然とフィーチャー・マッチ・テーブルにつき、微笑をたたえて構える。
リーと比較してしまっては大森の側が「挑む」形になるが、今日、今大会で立っている土俵は同じだ。このまま「全勝道」を進めるのはどちらかひとり。長い戦いに臨む両者は早くもフルスロットルで闘志を燃やす。
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大森 vs. リー。全勝同士、龍虎の戦い。 |
大森 健一郎(白赤人間)vs. リー・シー・ティエン/Lee Shi Tian(バント・カンパニー)
マリガンを喫したリーに対し大森は1ターン目《アクロスの英雄、キテオン》で口火を切ると、続くターンには《スレイベンの検査官》を2体立て続けに展開。早くも《アクロスの英雄、キテオン》の「プレインズウォーカーの灯」を点火させる準備が整う。対するリーはこれに対処できず、3体の攻撃をまともに受けて残りライフは14点。《歴戦の戦士、ギデオン》とも対峙することになった。
続く攻撃を《跳ねる混成体》で防いだものの、大森は《石の宣告》でブロッカーを排除。4マナを立ててターンを返したリーに対し、《歴戦の戦士、ギデオン》をクリーチャー化して殴りかかった。
リーの手札から放たれた《集合した中隊》は《不屈の追跡者》と《薄暮見の徴募兵》を彼にもたらし、《不屈の追跡者》が彼にカード・アドバンテージと高打点の脅威をもたらす。しかし大森は2枚目の《石の宣告》でブロッカーを退場させると攻撃を通し、リーのライフを残り1点に。
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手負いの虎こそ恐ろしい。相手がリー・シー・ティエンであるなら、なおさらだ。 |
タップ・アウトしてブロッカーを繰り出してもライフを守り切れない状況に追い詰められたリーは、マナを残して大森にターンを渡す。手札に《集合した中隊》の姿はないが、「何かある」と思わせる気迫も戦略だ。
大森は一瞬考える素振りを見せたが、全軍で攻撃。リーはこの状況を耐える「手掛かり」を求めて小さなアーティファクトを生け贄に捧げたものの、カードを片付けることになった。
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全勝継続に向けて確かな歩みを進める大森。 |
2ゲーム目もマリガンを喫し苦笑するリーだが、大森の詰めは揺るがない。1ターン目《探検隊の特使》で素早くリーのライフを脅かすと、続くターンには2枚目の《探検隊の特使》と《アクロスの英雄、キテオン》を展開。
リーは《巨森の予見者、ニッサ》を繰り出したが、芳しくない手札を抱える今、大森の攻撃を防ぐことはできない。大森は《スレイベンの検査官》、《勇者の選定師》と追撃の手を緩めず、大軍による包囲でリーに降伏を迫る。
思うような動きができないリーは口惜しそうに頭を振り、天を仰いだ。彼にできるのは、投了を受け入れることだけだった。
大森 2-0 リー