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EVENT COVERAGE
グランプリ・シンガポール2015
ヘッドジャッジインタビュー:梅咲直瑛さん(レベル3ジャッジ)
By Masashi Koyama
今回のグランプリ・シンガポール2015では、レベル3ジャッジの梅咲直瑛さんが日本人ジャッジとして初めて海外のグランプリを務めていらっしゃいます。ジャッジをすること、その活動の中で海外グランプリに参加することはどのような魅力があるのでしょうか。お忙しい中ではありましたが、梅咲さんにこころよくインタビューに応じていただけました。
レベル3ジャッジ梅咲直瑛さん |
――日本人ジャッジとして国外グランプリで初めてヘッドジャッジを務められていますが、どのように考えていらっしゃいますか?
5年くらい前から日本グランプリに海外ジャッジがヘッドジャッジとして来るようになりました。
最初は日本人全体、ジャッジもプレイヤーも戸惑いがあったと思うのですが、最近はずいぶんと連携が取れるようになってきて、その一環として海外のジャッジたちと上手く連携がとれて大会を回せるんじゃないかということや、日本人ジャッジのスキルがアップして、それだけではなく世界的にも日本人の性能が高く、また日本のイベントは凄いというのが認められた、ということですね。
例えばジャッジに限らず飲食業などでも日本のサービスのクオリティは高いと良く言われますが、日本人ジャッジは細かいところに気を配ってくれたり、色々考えてくれているので、プレイヤーの方には安心してイベントに参加していただきたいですし、ジャッジの方はそういう頑張りが評価されているので、良かったと思います。
――海外グランプリでジャッジをすることの良さとはなんでしょう?
まずは、海外のジャッジが日本に来て、やり方の違いなどに驚きました。良いところも悪いところもあるよ、というようなことを言われたんですね。じゃあ海外のグランプリはどんな良いところがあるんだろう、と。それなら実際に行って見てみようということで、ヨーロッパ、アメリカなど色々イベントに参加しました。
向こうのジャッジたちも「ヨーロッパはすごいんだぜ」などと日本で自慢していたところに、実際に日本人が来て無下にあしらうこともできないので(笑)。それに日本人が行くと目立つので手厚く接してもらって、いろいろ丁寧に教えてもらいました。
――海外と日本のグランプリの違いとは?
海外のグランプリはおおらかですね。日本のグランプリだと8人構築などのサイドイベントがどんどん回るんですが、海外だと2日目はほんわかしていて、今回のように大会に出ずに観戦している人のほうが多い時もあるくらいです。そもそも会場の雰囲気から違いますね。日本の運営はしっかりしすぎていて、プレイヤーの人にジャッジが遠いところにいるイメージになっているかもしれませんが、海外はフレンドリーですね。
運営方式で言うと、大勢のプレイヤーが参加した時の大会を分割する方法やノウハウはヨーロッパから輸入しました。それを持ち込んでくれたのは、日本に来た海外のジャッジや進藤さん(進藤欣也さん。元レベル3ジャッジ)です。そういった方々がいなければグランプリ・千葉のような4000人近くも人が集まるイベントは回せませんでした。その点で、ヨーロッパのジャッジには非常に感謝しています。
イタリア人のレベル5ジャッジ、リカルド・テストーリさんと |
――これからジャッジとしてどのように活動をされていくのでしょう?
僕は進藤さんにすごく感謝をしていて、海外やマジックは色々な楽しみ方があるということを教えていただいたのですが、それを聞いて海外のグランプリも楽しそうだなと思って挑戦してみようという気になりました。
そういった話をしてもらえると親近感を持ったり興味が湧いたりすると思うので、下の世代に伝えたいですね。今回も山梨から若いレベル2ジャッジが来ているのですが、1人では行けなくとも一緒に連れて行ったりですとか、次の世代に繋がるよう普及していかないといけないなと思っています。
――次の世代の育成をしていきたいということですね。
ジャッジ業界にはすごくいい面があって、上から下の世代へと無償で色々なノウハウを継続的に教えているんですね。僕より上の世代の方たちが重点的に教育をしてくれたので、今2000人や4000人のグランプリを動かせるだけの戦力がいます。もし私たちが教育をサボったらイベントを動かす戦力が足りなくなってしまうんですね。そのためにはこれからも教育を続けていって、マジックを広めていくために人材を育てないといけないですね。
そのためには面白い!と思ってもらわなければいけないですよね。ジャッジにはジャッジとしてイベントを成功させる、という楽しさがあります。その後は、今回のように海外グランプリですと、イベントが終われば観光にも行ける楽しみもあります。
プレイヤーを引退しようかなと思っている人でもジャッジをしてみることをオススメします。きっと楽しいと思いますよ。マジックに詳しければその時点でジャッジの素質があるので、「一緒に文化祭を楽しみませんか」という感じですね。
――ありがとうございました。
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