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グランプリ・シンガポール2015
第9回戦:Yang Zhijian(シンガポール) vs. 川崎 慧太(大阪)
by 伊藤 敦
初日8回戦を終えて8−0、唯一の日本人全勝者となったのはプロツアーを目指す大阪の川崎。デッキはモダンの初期から使い込んでいるというジャンドで、既に今シーズンのプロツアー予備予選(PPTQ)も突破済みというほどにモダンをやりこんでいる。
対するは地元シンガポールのライター、シム・チャップマン/Sim Chapmanによれば、当地の強豪だというヤン・ジャジイェン/Yang Zhijian。
初日全勝を達成するのはどちらか。
Yang Zhijian vs. 川崎 慧太 |
ゲーム1
先手の川崎が秒でマリガン。さらに開いた6枚にも渋い顔だが、苦悩の末に「キープ」の声を絞り出す。
露払いの《コジレックの審問》で明らかになったヤンの手札は、
に土地が3枚と、何とも言いがたい手札。だが土地に含まれている《踏み鳴らされる地》が怪しげな違和感を醸し出している。《思考掃き》といえば、グリクシスカラーで《黄金牙、タシグル》や《グルマグのアンコウ》の「探査」とセットで用いられるのが通常だからだ。
だがここで考えても仕方がない。ひとまず唯一の確定した有効牌である《マナ漏出》を落とすと、さらに《血清の幻視》の返し、実は先手土地1枚キープだったところに土地をトップデッキ! 3/4の《タルモゴイフ》を送り出す最高のスタートを切る。
一方ヤンは《タルモゴイフ》をブロッカーとして合わせるが、返しで3枚目の土地を引き込んだ川崎に《コジレックの審問》を撃たれると、ヤンのデッキが醸し出していた「違和感」の正体が明らかになる。
ヤンの手札は
- 《タルモゴイフ》
- 《わめき騒ぐマンドリル》
- 《思考掃き》
- 《思考掃き》
- 土地
そう、ヤンのデッキはマンドリルデルバー。
マニアックな選択だが、8−0まで勝ち上がっている以上、ヤンもこのデッキを使いこなしているに違いない。
それはさておき川崎はここから《タルモゴイフ》を落とすと、2体目の《タルモゴイフ》を送り出す。
川崎の手札は1枚。場には4/5の《タルモゴイフ》が2体......ただし川崎の墓地には土地とソーサリーしかなく、サイズを支えるクリーチャーとインスタントはヤンの墓地の側にある。まさしく絶好の「探査」し時......に見える。
川崎 慧太 |
だがそれは川崎の仕掛けた罠だった。《思考掃き》から《わめき騒ぐマンドリル》へとつなげ、2/3に縮んだ《タルモゴイフ》とともに防御に立たせるヤンだったが、そこに川崎の《突然の衰微》が突き刺さる!
再び4/5へと膨れ上がった《タルモゴイフ》2体による攻勢を《わめき騒ぐマンドリル》では止められず、ヤンは膝を屈した。
ヤン 0-1 川崎
ゲーム2
先手で土地が1枚しかなくマリガンのヤンに対し、川崎は後手で土地が5枚に《タルモゴイフ》《黄金牙、タシグル》という手札を少考ののちキープ。除去か手札破壊を1枚引けば良し、という考えだろう。
そんな川崎の後手のドローが、《コジレックの審問》。ノリにノッている。
一方《コジレックの審問》で明かされたヤンの手札は、
- 《ヴェンディリオン三人衆》
- 《マナ漏出》
- 《稲妻》
に土地が2枚というもの。ここから川崎が《マナ漏出》を落とすということは、それは当然2ターン目《タルモゴイフ》につながる。2マナにして既に3/4。これがこのカードの恐ろしさだ。
ヤンも川崎のドロー後に《ヴェンディリオン三人衆》を送り出して牽制しようとするが、川崎の手札は、
そして土地が3枚。
ヤンには知る由もないことだが、川崎の後手3枚のドローは全て呪文。やむなく《ヴェールのリリアナ》を下に送るが、さらに川崎は《漁る軟泥》をトップする始末。
ヤン・ジャジイェン/Yang Zhijian |
それでもヤンは《ヴェンディリオン三人衆》でのアタックから《高原の狩りの達人》を送り出し、ダメージレースの構えをとるのだが、満を持して川崎の場に《黄金牙、タシグル》が降臨し、《怒り狂う山峡》までセットされると、地上戦の不利は否めない。
川崎も《ヴェンディリオン三人衆》が捌けていないためライフ6まで追い詰めることに成功するのだが、この時点でヤンは完全にフラッドに陥ってしまう。
《ヴェールのリリアナ》を落とした上でどうにか最後の頼みの綱、《秘密を掘り下げる者》を送り出すのだが、川崎が引き込んだのは2体目の《漁る軟泥》。
《タルモゴイフ》と《黄金牙、タシグル》の攻撃でライフは残り1点。もはや猶予はない。アップキープ、ライブラリトップをチェック。
......「変身」せず。
それは実質、投了の証だった。
遅きに失する《タルモゴイフ》をプレイするヤンだったが、川崎はダメ押しに《稲妻》を撃ち込むのだった。
ヤン 0-2 川崎
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