by 伊藤 敦

　モダンのグランプリが進行中のシンガポールでサプライズ。

　何と7月17日に発売となる『マジック・オリジン』の新カード、〈潮流の先駆け〉が発表されたのだ。

　さっそくグランプリに参加中のプレイヤーたちに、このカードの評価についてインタビューしてみた。

渡辺 雄也　～プラチナレベル・プロ～

渡辺 「非常に使いやすいカードだと思いますよ。スタンダードもモダンも環境が早いので、２マナで相手のテンポを崩すことができるというのは良い能力だと思います。『瞬速』の方も《造物の学者、ヴェンセール》のように使えますし、デッキの核にはならないけれど、既存のデッキをうまく強化してくれそうなカードかと」

渡辺 「種族が『マーフォーク』というのも大きいですね。モダンのマーフォークで、《蒸気の絡みつき》の枠と入れ替わる可能性もあるかもしれません。『タップ状態のクリーチャー』というのがなかなか良いバランスですね」

和田 寛也　～マーフォークでモダンのプロツアー予選突破経験あり～

和田 「このカードの登場は、モダンのマーフォーク使いとしては結構嬉しいですね。最近のモダンは《集合した中隊》や《コラガンの命令》といった『強いインスタント』で《欠片の双子》の支配に抵抗する、といった潮流を感じるので、マーフォークにもインスタントタイミングの選択肢が増えてくれたのは大きいです」

和田 「２マナ域としては《銀エラの達人》《アトランティスの王》《真珠三叉矛の達人》がさすがに優先するので、《潮縛りの魔道士》と枠を争うことになりそうですね。ただこのカードの方が、《潮縛りの魔道士》よりもハマったときのインパクトは弱めな分、幅広い相手に使えて腐りづらいので、よりメインに入れやすいかなと。あと地味に《メロウの騎兵》と相性が良いのも評価できますね、相手のクリーチャーをタップして能動的にバウンスできるので」

菅谷 裕信　～マーフォークでモダンのプロツアー予備予選・ミルウォーキー優勝～

菅谷 「スタンダードだとかなり使いたいカードですよね。今だと《岸砕きの精霊》もいますし、また《海の神、タッサ》《波使い》の時代が来るかもしれません」

菅谷 「モダンだとどうかなぁ。《潮縛りの魔道士》の方が効果は大きいので、１～２枚入れて《欠片の双子》相手にラッキーウィン狙いとかになりそうな気もしますね。ただ《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》《幻影の像》など、中途半端な枚数で入っているところがこれに差し替わる可能性もあるとは思います」

　突如発表されたこのカードだが、会場で効果を読んだプレイヤーたちから見ても概ね高評価のようだ。

　〈潮流の先駆け〉はスタンダードやモダン、あるいはレガシーのメタゲームにどんな「潮流」をもたらすのか。

　『マジック・オリジン』の発売が楽しみだ。