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グランプリ・静岡2017秋
第6回戦:チーム 村岡/松山/中村 vs. チーム Chew/Lee/Dezani
By Yohei Tomizawa
レベルプロが揃ったケルヴィン・チュウ/Kelivin Chew、リー・シー・ティエン/Lee, Shi Tian、ジェレミー・デザーニ/Jeremy Dezaniという3人組は、ここまで全勝で勝ち上がってきている。
対するは地元、静岡県浜松市で精力的にマジックに取り組む村岡秀亮、松山諒亮、中村篤史の3人組。グランプリ、プロツアー予備予選にも積極的に遠征し、精力的にマジックに取り組んでいる。
友と一緒に突き進む全勝街道、このまま走り続けるのはどちらのチームだろうか。
A卓 村岡(白黒吸血鬼) vs. チュウ(青緑マーフォーク) ゲーム1
後手の村岡が《軍団の飛び刃》、《女王の任命》とクリーチャーを展開し、攻め立てる。
チュウも《葉を食む鞭尾》をブロッカーとして召喚するが、村岡は《弱者成敗》をキャストし、なお攻撃を継続する。
《葉を食む鞭尾》、《噛み付く帆背びれ》を追加しサイズでは勝るチュウだが、村岡は《饗宴への召集》で吸血鬼・クリーチャー・トークンを増やしていく。
「多勢に無勢」という言葉通り、レッドゾーンに送り込まれた8体の吸血鬼が、チュウのライフを削りきった。
村岡 1-0 チュウ
村岡 秀亮 |
B卓 松山(赤白恐竜) vs. リー(赤白恐竜) ゲーム1
攻撃的なデッキ同士の対決のため、リーの《巣荒らし》と松山の《猛竜の相棒》が相打つ幕開け。
しかし3ターン目にして一気に天秤が傾いてしまう。
松山が後続として召喚したのは殴るタッパーこと《縄張り持ちの槌頭》。
リーも《身勝手な粗暴者》でダメージレースの形を作るが、追加のクリーチャーを《崇高な阻止》で対処され、逆に《猛竜の群れ》を召喚され一方的な展開に。
不利なブロックを強要されながらもリーが懸命に繋いだライフ、断ち切ったのは松山がキャストした《決別の砲撃》。
松山 1-0 リー
松山 諒亮 |
C卓 中村(青緑マーフォーク) vs. デザーニ(白黒吸血鬼) ゲーム1
中村の《マーフォークの枝渡り》が見事に土地以外のカードをめくりサイズアップするも、土地が2枚から増えない。
デザーニは《司教の兵士》でライフをコントロールしながら盤面を作りあげていく。
土地が止まっている中村は長引いては不利は必至、《深根の戦士》でダメージを与えつつ、厄介な絆魂クリーチャーは《水罠織り》で対処する。
デザーニとしても《司教の兵士》がアンタップさえすれば《海賊のカットラス》を装備し、一気にライフ回復できるが、その希望を打ち砕いたのは《翡翠の守護者》と《風と共に》。
対処不能な飛行クリーチャーを前に、デザーニはカードを片付けた。
中村 1-0 デザーニ
中村 篤史 |
B卓 松山(赤白恐竜) vs. リー(赤白恐竜) ゲーム2
松山が《ティロナーリの騎士》、リーが《縄張り持ちの槌頭》を召喚し、すれ違いのダメージレースが開始される。
松山は《空の恐怖》を召喚し、まずは3点と先行。
リーが《縄張り持ちの槌頭》で殴り返した後に召喚したのは《結束した角冠》。このターンこそノーガードになってしまうが、次から大ダメージが与えられる。
そう思っていると、松山は4マナ立てたままターンを返してくる。《平地》が3枚に、《山》が1枚。
何もないわけがない。リーの手札にはコンバットトリック、除去呪文もないため、《突進するモンストロサウルス》を召喚するに留める。
松山はフルタップで《輝くエアロサウルス》を召喚し、次の攻撃は甘んじて受ける構えをとる。
ドローするが、やはりリーの手札にコンバットトリック、除去呪文はない。しかしこの隙を狙わずして、いつ攻撃に行くというのだ。
リー・シー・ティエン/Lee, Shi Tian |
リーは、《縄張り持ちの槌頭》、《結束した角冠》、《突進するモンストロサウルス》をレッドゾーンへ送り出すと、松山は《縄張り持ちの槌頭》を《ティロナーリの騎士》、《空の恐怖》でダブルブロックし、対処する。
10点のダメージを与え松山のライフを残り8とするが、マナフラッド気味のリーはクリーチャーの追加もなく、ターンを返すのみ。
松山はライフこそないものの、厄介な《縄張り持ちの槌頭》を対処できたため、除去呪文と合わせ丁寧にリーのクリーチャーを除去し、《結束した角冠》だけにする。
攻守が入れ替わり、松山が《ティロナーリの騎士》、《輝くエアロサウルス》をレッドゾーンに送り込むが、リーは虎の子の《残骸の漂着》。
戦場には土地と単独では攻防に参加できない《結束した角冠》のみとなる。
どちらが先にクリーチャーを引き当てるか、息の詰まるドロー合戦を制すしたのは松山の《太陽冠のハンター》。
リーは右手を差し出した。
松山 2-0 リー
C卓 中村(青緑マーフォーク) vs. デザーニ(白黒吸血鬼) ゲーム2
互いのデッキを象徴する《見習い形成師》、《司教の兵士》からスタートするが、今回はデザーニがゲームの主導権を握る。
《海賊のカットラス》を装備すると、次のターンには5マナから《選定された助祭》を召喚し、パンプアップ能力が絆魂と噛み合いダメージレースを突き放す。
6点の絆魂をひっくり返すカードは中村にはなかった。
中村 1-1 デザーニ
A卓 村岡(白黒吸血鬼) vs. チュウ(青緑マーフォーク) ゲーム2
チュウの《クメーナの語り部》が《鉤爪の切りつけ》で対処されると、続くクリーチャーは《イクサーリの守り手》。
そして3ターン目にしてチュウは厳しい決断を迫られることとなる。チュウの手札は《風と共に》の他は土地のみ。
村岡の白黒というコンビネーションを考えると、《崇高な阻止》や《依頼殺人》といくらでも除去呪文は考えられる。
チュウは《弱者成敗》が打たれないこのタイミングしかないと腹をくくり、エンチャントし4点のダメージクロックがスタート。
村岡は地上こそブロッカーを並べるが、除去呪文も飛行クリーチャーもなく、これが止まらない。
チュウはトップデッキした《巨大な戦慄大口》で戦線を拡大するが、村岡は待ってましたと《人質取り》。
チュウの手札は土地1枚。苦しそうな顔を浮かべながら《巨大な戦慄大口》を渡し、カードをドローする......
間髪いれず、土地を2枚タップして唱えたのは《襲撃》!
これにより《巨大な戦慄大口》が戦場に戻るが、ならばと《依頼殺人》で除去する村岡。
だが、《風と共に》をまとった《イクサーリの守り手》止まらない。
劇的なトップデッキでチュウが星を取り返した。
村岡 1-1 チュウ
ケルヴィン・チュウ/Kelivin Chew |
C卓 中村(青緑マーフォーク) vs. デザーニ(白黒吸血鬼) ゲーム3
先手中村は痛恨のダブルマリガン。
《見習い形成師》、《深根の戦士》とクリーチャーを展開するが、デザーニが《日の出の使者》を召喚し「探検」でサイズアップを果たすと、地上は止まってしまう。
こうなるとデザーニの《指名手配の獄道者》を除去しないことには一方的なゲームになってしまうため、中村はダブルブロックから《川守りの恩恵》を唱えるが、デザーニの手からこぼれたのは、まさかまさかの《卑怯な行為》。
この呪文が解決されると3対1交換が実現し、中村の盤面は土地のみになってしまった。
デザーニが取り返し、チームスコアはタイへ。
中村 1-2 デザーニ
ジェレミー・デザーニ/Jeremy Dezani (右) |
A卓 村岡(白黒吸血鬼) vs. チュウ(青緑マーフォーク) ゲーム3
チームの命運はチュウと村岡のゲーム3に託された。
中村が敗北を宣言すると、間髪いれずに村岡は
「後は任せてくれよ。」
と力強く言い放ち、中村と松山の二人も笑みを浮かべつつ、サポートすべく椅子を動かす。
力強く宣言した村岡の言葉に、デッキも応える。
村岡は《司教の兵士》を召喚し、チュウは《イクサーリの守り手》。
互いのクリーチャーが相打つと、村岡は《血に狂った聖騎士》を召喚、2個の+1/+1カウンターが置かれ、盤面のリードを保ち続ける。
チュウは村岡の《流血の空渡り》は《葉を食む鞭尾》で止め、《幻惑の旋律》で《血に狂った聖騎士》のコントロールを奪い、強引にダメージレースの形を作り上げる。
ライフで優位に立つ村岡は、《葉を食む鞭尾》を《依頼殺人》で除去し、攻撃を続行、チュウのライフは13へ。
チュウは5枚の土地をアンタップのままターンを返す。村岡が除去呪文、瞬速持ちのクリーチャーについて思案していると、チームメイトの松山から、
「《風を跨ぐ者》があるよ!」
と声がかかる。
《流血の空渡り》のみで攻撃し、《薄暮の賛美者》を追加、クロックを一気に6点とする。
チュウはターン終了時に《噛み付く帆背びれ》を召喚、ドロー、土地を置いてから6枚をタップする。
現代に蘇りし《激動》は、土地を戻さない代わりに、対象のプレイヤーの土地以外のパーマネントを全て手札に戻す。
チュウは2体のクリーチャーで5点のダメージを与え、ダメージレースをイーブンに、いや次のターンまで考えれば、リードを奪う形となる。
村岡は7枚の土地を前に悩み、《流血の空渡り》と《血潮隊の聖騎士》で頭数を確保する。
チュウは再び2体で攻撃、(コントロールを奪っていた)《血に狂った聖騎士》と《血潮隊の聖騎士》が相打ち、《流血の空渡り》へと《襲撃》が見舞われる。
村岡も諦めない。《薄暮の賛美者》で上空からダメージを与えようと召喚を試みるが、チュウは《見張りによる消散》で打ち消し、カード面とテンポ面の両面で有利を得る。
チュウは攻撃を行い、村岡のライフを8とすると、締めくくりとして《巨大な戦慄大口》を召喚、トランプル能力により村岡を致死圏内へと引きずり下ろす。
村岡はドローすると、静かにターンを返す。
不自然な村岡の動きにチュウも手を止める。
左にたたずむリーは、自分のデッキにも入っている《残骸の漂着》を警戒し、1体のみの攻撃を勧める。
右に寄り添うデザーニは、ブラフであると考え、2体の攻撃を推奨する。
左右に座る、友人にしてトッププロの意見、どう選択すべきか。
チュウは深く息を吐くと、勢いよく2体をレッドゾーンへ。
村岡は、土地だらけの手札を公開し、投了の代わりとした。
村岡 1-2 チュウ
チュウが5枚の土地をアンタップで返した場面、村岡ひとりでプレイしていたらどうなっただろうか。
村岡の思考を読み取り応えた松山の言葉、それはチーム戦だからこその場面であった。
互いを補い合うことでより高みを目指す、チーム戦の醍醐味はここにある。
勝利したチュウ/リー/デザーニはもちろん、村岡/松山/中村もまだ1敗。
両チームが今後勝ち続けることで、再びフューチャーエリアで相見えることを期待したい。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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