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グランプリ・上海2017

トピック

ジャッジインタビュー:金澤勝久さん~助けて、助けられて、楽しく~

By Masashi Koyama

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 日本から飛行機で2~3時間の距離となる上海。非常に近いこともありグランプリ・上海2017では日本から多くのプレイヤーが参戦し、グランプリの長丁場を戦っています。

 ですが、参加している日本勢はプレイヤーだけではありません。グランプリを運営し、支えるジャッジの中にも日本から海を越えて来た方々がおり、今回は3名の日本人ジャッジがジャッジチームに加わっています。

 その中のひとり、金澤勝久さんは普段は地元の店舗を支えているレベル2ジャッジです。プロツアー予備予選の開催にはレベル2ジャッジがヘッドジャッジを務めることが必要であり、その資格を持つ金澤さんは多くの店舗でプロツアー予備予選にジャッジとして参加されています。

 それだけでなく国内グランプリでも精力的に活動されており、今回のように海を越えてグランプリジャッジとして参加されることもあるのです。

 地域、日本全国、そしてアジアとさまざまなカテゴリーで活躍されている金澤さんをご存じのマジックプレイヤーもきっと多いはず。

 お忙しい中、時間をいただいてインタビューに応じていただけました。

金澤 勝久さん インタビュー

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――金澤さんの普段のジャッジ活動について教えていただけますか?

金澤「一番多いのはプロツアー予備予選のヘッドジャッジですね。千葉のお店と北関東ですね。群馬を担当しております。車を持っていらっしゃらないジャッジが多いので、車で行けるところをカバーしている形です」

――それでは、日常的にジャッジ活動をバリバリされているのですね。会社との折り合いは大丈夫なのでしょうか?

金澤「マジックの場合は前年に翌年のグランプリの予定を全部出してくれるので、私の場合1月に(グランプリ前後の)休みの予定を入れてしまうんですね。『何があっても休むよ』と(笑)。急な変更が無いので助かっています」

――ガチっと予定を決めてしまえるのがマジックのいいところなんですね。金澤さんはどれくらいジャッジをされているのでしょう?

金澤「5年ちょっとくらいではないですかね。元々はカジュアルプレイヤーでした。リミテッドが好きでシールドやドラフトを主にプレイしていました」

――どのような経緯でジャッジになったのですか?

金澤「まだThe Limitsがあった頃なんですけど、(The Limitsの)予選を(自分がジャッジになれば)増やせるという機会があって、『ちょうどいいんじゃないの』と。その時、以前よりジャッジレベルが取りやすくなったタイミングだったので、その流れで『ジャッジになってみんなの(予選の)枠を増やそう』とジャッジを始めたのがきっかけでしたね」

――そこから今、レベル2ジャッジとして活動されていますよね。レベル2ジャッジになるには大変だと思うのですが......

金澤「そんなに変わらないですよ。レベル1の時にグランプリに行かせていただいて、その後グランプリでジャッジをするにはジャッジレベル2が必要になったので、取りました」

活動の規模が広がっても、助け合いの精神で

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――そこから海外のグランプリにも参加されるようになったのですね。今はどれくらいの頻度で参加されているのでしょう?

金澤「年に2回くらい行こうかなあと思っています。この間のグランプリ・香港2017はプレイヤーとして参加したので、今回はジャッジをしようと。ジャッジとしては年に1~2度行ければいいですね」

――日本から飛び出して海外グランプリに参加するきっかけなどはありましたか?

金澤「日本のグランプリにも海外から、特にアジアからジャッジの方に来ていただいてカバーしてもらっていて、日本からもプレイヤーがアジアのグランプリへ行くわけですので、そこは日本からカバーしてあげるべきだと思うんですね。なので、近くで行ける所があれば応募していますね」

――言葉の問題などはありませんか?

金澤「マジックはある程度用語が決まっているので6~7割は通じますね。『ここがこうなって、こうなってこう......』と複雑になればもちろん大変なことはあるのですが、そこまでゴチャゴチャすることもあまりないので、わりと分かりやすいと思いますよ」

――海外のグランプリに何度も参加されていますが、あまり大きなコミュニケーションの齟齬はないのですか?

金澤「中国のグランプリは中国語がベースになるので助けてもらうことは多いですが、英語ベースであればそこまで......ですね」

――なるほど。これから海外のグランプリに参加したいジャッジの方はどのようにすればいいのでしょうか? 最初はハードルが高いと思うのですが......。

金澤「最初は国内のグランプリで海外のジャッジたちにアピールすることは大切だと思います。『自分はこんなことができるよ』と。それと積極的に『海外のグランプリに行きたいんだ』と伝えることですね。他のジャッジから推薦をもらえるとなお良いと思います。主催者によるのですが、年の始めに早めに応募できるパターンもあるので、そこで手を挙げるのもいいと思います」

――普段から国内のグランプリで繋がりを持っておくことが大切なのですね。

金澤「そうですね。私の場合、(ジャッジを始めてから)顔見知りはだいぶ増えましたね」

求めて、求められて

――ありがとうございます。これからどのようにジャッジ活動をされていかれるのでしょうか?

金澤「そうですね......プロツアー予備予選のシーズンなどの時に急に(ヘッドジャッジにジャッジレベルが必要な)イベントが入ってくるとどうしてもジャッジの都合がつかなくなってしまうことが多いので......。だから首都圏でも実はジャッジの数がそこまで足りているわけではないんですよね。都会はお店が多すぎるので、どうしてもすべてにフィットするのは難しい。逆にジャッジの数が少ない県もあるので、できるだけイベントを開催したいと思っているお店を支援していければいいと思っています」

――最後に、金澤さんにとってジャッジ活動はどのようなものなのでしょうか?長島さん大竹さんは「楽しいもの」だとおっしゃられていました。

金澤「同じですね。趣味だと思います。もはや生きがいのひとつになっていると思うんですけれども(笑)。要望されていたり求められているところもあるし、自分もやりたいことがあってとても噛み合っている、マッチしていると思います」

――ありがとうございました!


 今のジャッジ活動がとても充実しているという金澤さん。グランプリではとても忙しそうに、でもとても楽しそうに会場を歩き回っておられます。そしてプレイヤーが手を上げればすぐに駆けつけ、彼らを助けています。きっと各地の店舗でも同じように活動されているのでしょう。

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 その姿を見て「ジャッジって楽しそうだな」と思わずにはいられないのです。

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