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グランプリ・上海2014
決勝ドラフト:中村修平の『タルキール覇王譚』のドラフトの定石!
By Masami Kaneko
グランプリ・上海2014 トップ8 中村修平 |
中村修平のことをいまさらに詳細を語る必要も無いだろう。日本を代表するトッププレイヤーであり、マジック・プロツアー殿堂のひとり。世界が認める「なかしゅー」だ。
前期の成績が奮わずプラチナレベルからゴールドレベルに落ちてしまったため、本人は「引退だ!」「もう老体だから!」などと言っているが、まぁそれもキャラのひとつというものだろう。今、このトップ8の席に座っているという事実だけで、依然として彼の実力は疑いようもない。トップ8写真はこんなおちゃめな写真だが、まぁ彼の愛嬌だ。
ここでは、彼のドラフトを詳しく追っていこう。
1パック目
1st Pick
《龍流派の双子》
他の候補:《吠える鞍暴れ》《鱗の隊長》《眼の管理人》
初手は様々な選択肢があったが、中村の選択したのは、カードとしては一番強そうだったレア、《龍流派の双子》。
2nd Pick
《増え続ける成長》
圧倒的に強いアンコモン。初手の色と合わせて、ティムールを視野に入れる。
3rd Pick
単純にカードパワーが他と違うためのピック。
4th Pick
4手目にしてはカードが弱い。中村としても不本意なピック。
5th Pick
《スゥルタイの占い屋》
他の候補:《ケルゥの吸血者》《マルドゥの戦叫び》
一転、今後の方針を決めても良いレベルのパックがやってきた。
中村は《スゥルタイの占い屋》を獲得、スゥルタイを組む方針に転換。
6th Pick
《うねる塔甲羅》
他の候補:《グドゥルの嫌悪者》《スゥルタイのゴミあさり》《牙守りの隊長》
またも強力なカードが詰まったパックがやってきた。中村の選択は《うねる塔甲羅》。何故このピックなのか?
中村 「トップ8ドラフトだから、ちゃんと優勝できるデッキを組まないといけないんよね。自分が青を使う可能性はかなり高かったし、出されたら一番困るのがこのカードになりそうだったから。あと、要するにすごく固い壁だから、今後のデッキやゲームメイクの方針が立てやすい。カードとして一番強いわけじゃないけど、勝つために一番良いピックだと思う。」
なるほど、中村ははっきりと勝つためのピック方針を話していた。単純なカードの強さだけでなく、相性なども含めて「勝つためのピック」を。
7th Pick
《ジャングルのうろ穴》
他の候補:《苦々しい天啓》《よろめく従者》
8th Pick
9th Pick
《陰鬱な僻地》
他の候補:《わめき騒ぐマンドリル》
10th Pick
11th Pick
後ろで見ていた筆者には驚きの一周。中村としては想定していた未来で、《血蠅の大群》を獲得した。
12th Pick
《ティムールの戦旗》
13th Pick
《シディシのペット》
14th Pick
《高山の灰色熊》
13、14手目で一応ながらデッキに入るカードを獲得。
《スゥルタイの占い屋》の獲得から一気にスゥルタイに舵をとった中村。この目論見は成功するのか。
2パック目
1st Pick
《ラクシャーサの大臣》と少し迷った素振りを見せるも、単体で強いほうを選択した。現時点で、「探査」のカードが獲得できていないこともピックの理由のひとつだろう。
2nd Pick
「土地を取るくらいなら、まだこれから流れてくる可能性を考えたほうがマシか......。」というようなピック。また、先ほどの「優勝するデッキ」という観点から見てもこういったピックは、結果カットになったとしてもありだろう。
3rd Pick
タッチで入れる可能性も考慮しての強力カードをピック。
4th Pick
5th Pick
《射手の胸壁》
6th Pick
この順目でこの強力カードが獲得できたのはおいしい。
7th Pick
《煙の語り部》
8th Pick
《砂草原の城塞》
先ほどピックした《軍備部隊》のことも考えると、かなりありがたいピック。
9th Pick
《雪角の乗り手》
10th Pick
《熊の覚醒》
11th Pick
《岩だらけの高地》
12th Pick
《強大化》
13th Pick
《従順な復活》
14th Pick
《殻脱ぎ》
順調にデッキに入るカードは獲得できているのだが、「これ!」といったカードが獲得できておらず、3パック目に期待したいところ。
3パック目
1st Pick
《スゥルタイの剥ぎ取り》
他の候補:《族樹の発動》
しかし引けたのは、「普通に強い」だけのカードだった。悪くはないのだが、今ひとつである。
2nd Pick
これもまた、「普通に強い」カードではあるのだが、現時点で中村のデッキが「長久」や「+1/+1カウンター」だらけなわけではなく、単体のカードとしての価値しか持たない。
3rd Pick
《絞首》
4th Pick
現状デッキの重い中村、カードパワーだけならば《死の投下》のほうが高いのだが、軽い除去を獲得した。
5th Pick
《スゥルタイの剥ぎ取り》
その他の候補:《アブザンの先達》
これまた「普通に強い」カード、ではある。
6th Pick
7th Pick
8th Pick
9th Pick
《ジャングルのうろ穴》
他の候補:《朽ちゆくマストドン》《よろめく従者》
10th Pick
《よろめく従者》
11th Pick
《跳躍の達人》
12th Pick
《煙の語り部》
この順目でデッキに入る2マナ域が獲得できたのは僥倖だ。
13th Pick
《大牙コロッソドン》
14th Pick
《境界の偵察》
インタビューにて
ドラフトの感想を訊いてみると、「いやー苦しいドラフトでしたわー」といつもとおりの口調でトークが始まる。
中村 「正直1パック目初手が一番後悔してる。この環境で赤なんでほとんど使わんのにとっちゃった。あそこでもし色々割りきって、もしくは決め打って《鱗の隊長》取ってたら最強デッキができてたんじゃないかな、流れ的に。」
で、実際デッキ自体はどうなのよ?と尋ねてみれば、「キツい。さっくり負けそう。正直厳しい。」と素直な感想が返って来た。
確かにデッキ全体としてコンセプトが弱く、カードを詰め込んだだけのようなデッキになってしまっていて厳しそうだ。
が、しかしそこは中村。彼の力に期待しよう。
何故か今日はカメラを向けると顔を隠したがる中村 |
4 《森》 3 《島》 2 《平地》 2 《沼》 1 《華やかな宮殿》 1 《砂草原の城塞》 2 《ジャングルのうろ穴》 1 《陰鬱な僻地》 1 《茨森の滝》 -土地(17)- 2 《煙の語り部》 1 《射手の胸壁》 1 《高山の灰色熊》 2 《スゥルタイの剥ぎ取り》 1 《マー=エクの夜刃》 2 《松歩き》 1 《軍備部隊》 1 《うねる塔甲羅》 1 《サグの射手》 1 《スゥルタイの占い屋》 1 《血蠅の大群》 1 《真珠湖の古きもの》 -クリーチャー(15)- |
1 《スゥルタイの戦旗》 1 《消耗する負傷》 1 《鐘音の一撃》 1 《熊の覚醒》 1 《スゥルタイの魔除け》 1 《増え続ける成長》 1 《絞首》 1 《強大化》 -呪文(8)- |
1 《殻脱ぎ》 1 《跳躍の達人》 2 《境界の偵察》 1 《ティムールの戦旗》 1 《従順な復活》 1 《シディシのペット》 1 《龍流派の双子》 1 《対立の終結》 1 《氷河の忍び寄り》 1 《雪角の乗り手》 1 《大牙コロッソドン》 1 《よろめく従者》 -サイドボード(13)- |
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