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グランプリ・上海2014

戦略記事

初日全勝、佐伯 克久のドラフト

By 矢吹 哲也

 グランプリ・上海2日目。初日を突破した129名のプレイヤーたちは、これから2回のドラフトを通して、トップ8の席を狙う。

 ここでは、この日の開幕を飾るファースト・ドラフトから、佐伯 克久のドラフトを追っていく。シールド戦を無敗で切り抜けた彼は、ドラフトでもその力を発揮するだろうか。彼のピックを見て、その後の考えを聞いてみよう。


ドラフト前の様子。佐伯は奥から2番目。

1パック目

初手

 開封したパックから現れたレアは《本質捕らえ》と芳しくない。《ジェスカイの風物見》、《アブザンの戦僧侶》と候補を挙げていき、ここでは後者を選ぶ。

ピック:《アブザンの戦僧侶》。

2手目

 初手で取った《アブザンの戦僧侶》と噛み合う《アイノクの盟族》を見つける佐伯。《戦名を望む者》も検討したが、ここではまだ色を決めず。

ピック:《アイノクの盟族

3手目

 《雪花石の麒麟》、《ジェスカイの風物見》、《熊の仲間》と優良クリーチャーが見える中、《消耗する負傷》を見つめる佐伯。環境屈指のコモン除去をそのままピックに繋げた。

ピック:《消耗する負傷

4手目

 3枚目の《ジェスカイの風物見》が流れてくる。青が空いていると判断した佐伯は、これをピック。

ピック:《ジェスカイの風物見

5手目

 ドラフト後に「今回のドラフトの最大のポイントだった」と語る佐伯。《悟った達人、ナーセット》や《死の投下》がこの順目で見られ、とりわけ《死の投下》の存在により、黒の空きを判断したという。

アドバンテージを得られるカードの重要性は、今大会を通して至る所で聞かれた。

 それでも彼はこれまでのピックを鑑みて、ここでは《悟った達人、ナーセット》を選択した。

ピック:《悟った達人、ナーセット

6手目

ピック:《賢者眼の侵略者

7手目

 《戦場での猛進》に手をかけるが、ここで《血蠅の大群》をピック。ここから青と黒を積極的に取るようになる。

ピック:《血蠅の大群

8手目

ピック:《僧院の群れ

9手目

ピック:《マルドゥの戦叫び

10手目、11手目

ピック:《テイガムの策謀》×2

12手目

ピック:《心臓貫きの弓

13手目

ピック:《取り消し

14手目

ピック:《テイガムの策謀

「青の流れは、1パック目の時点で感じていた」とドラフト後の佐伯は語る。このまま流れに乗れるか。

2パック目

初手

 レア枠は《ウギンのきずな》と、こちらも使用に耐えないものだった。佐伯の狙う青と黒のカードも取りたいものは見つからなかったが、彼は「ゲーム序盤の戦場を支える」という観点から、《牙守りの隊長》をピックした。

ピック:《牙守りの隊長

2手目

 《シディシのペット》と《鐘音の一撃》を見比べ、後者をピック。佐伯がこの色を進めるなら、対戦相手の序盤の攻勢を留める役目が必要だ。

ピック:《鐘音の一撃

3手目

 《スゥルタイの占い屋》が佐伯の色を決定する。

ピック:《スゥルタイの占い屋

4手目

 決めた色をサポートする土地も流れてきた。《春の具象化》もマナ基盤を支えてくれる候補だが、佐伯は《陰鬱な僻地》を選択した。

ピック:《陰鬱な僻地

5手目、6手目

 《グドゥルの嫌悪者》が続けて流れてくる。1枚目は《悪寒》との選択に悩んだが、強力な「変異」クリーチャーを2枚確保できた。

ピック:《グドゥルの嫌悪者》×2

7手目

ピック:《クルーマの盟族

8手目

「色マナのサポートは欠かせない」と語る佐伯。ここで自身の戦旗を掲げる。

ピック:《スゥルタイの戦旗

9手目

ピック:《龍鱗の加護

10手目

 ドロー・カードも確保。スゥルタイ・カラーのデッキに必要なものを揃えていく。

ピック:《宝船の巡航

11手目

ピック:《大牙コロッソドン

12手目

ピック:《僧院の速槍

13手目

ピック:《物静かな熟考

14手目

ピック:《従順な復活

3パック目

初手

 レアは《汚染された三角州》。最後までレアに恵まれなかった。他に取るものも見つからないためこの土地をピックすることも検討した佐伯だが、クリーチャーの少なさが気になったか、《よろめく従者》を選択。《テイガムの策謀》や《スゥルタイの占い屋》との組み合わせを見据える。

ピック:《よろめく従者

2手目

 初手から一転、《血蠅の大群》、《縁切られた先祖》、《絞首》と黒のカードが並ぶ。佐伯は序盤の守りを固めるべく、《縁切られた先祖》を選択した。

ピック:《縁切られた先祖

3手目

ピック:《龍の眼の学者

 ここでも序盤の守りを優先し続ける佐伯。

4手目

ピック:《遠射兵団

5手目

 《ジャングルのうろ穴》が来たものの、佐伯のデッキと相性抜群のレア、《時を越えた探索》が目に入る。マナ基盤の安定は捨てがたいが、ここは後者を選択。

ピック:《時を越えた探索

6手目

 一度は諦めた《絞首》が再び流れてきた。序盤の動きとなる《湿地帯の水鹿》も検討したが、除去を優先。

ピック:《絞首

7手目

ピック:《龍鱗の加護

8手目

ピック:《旋風の達人

 《悪寒》も欲しいところだが、クリーチャーを優先。

9手目

ピック:《クルーマの盟族

10手目

ピック:《ラクシャーサの秘密

11手目

ピック:《境界の偵察

12手目

ピック:《ケルゥの戦慄の大口

13手目

ピック:《頭蓋書庫

14手目

ピック:《粉砕


デッキを構築する佐伯

 ドラフト後、佐伯に今回の方針を尋ねると、彼は特に色を決めるのではなく、流れの良い色を選んでそこに入ることを心がけたという。1パック目で青と黒の流れが良いと判断した後は、選択した色に苦労することはなかった。

 ただし、レアに恵まれなかったこともあり、単純なカードの強さとしては満足できなかった様子だ。手応えを聞くと、「2勝1敗を目指したい」とやや控えめな口調。


完成したデッキ
佐伯 克久
グランプリ・上海2014 ドラフト1回目 / 『タルキール覇王譚』ブースタードラフト[MO] [ARENA]
7 《
6 《
3 《
1 《陰鬱な僻地

-土地(17)-

1 《縁切られた先祖
1 《龍の眼の学者
1 《ジェスカイの風物見
1 《僧院の群れ
2 《クルーマの盟族
1 《スゥルタイの占い屋
1 《血蠅の大群
1 《旋風の達人
2 《グドゥルの嫌悪者
1 《よろめく従者

-クリーチャー(12)-
2 《テイガムの策謀
1 《消耗する負傷
1 《鐘音の一撃
1 《物静かな熟考
1 《ラクシャーサの秘密
1 《スゥルタイの戦旗
1 《龍鱗の加護
1 《絞首
1 《時を越えた探索
1 《宝船の巡航

-呪文(11)-
1 《僧院の速槍
1 《アイノクの盟族
1 《頭蓋書庫
1 《心臓貫きの弓
1 《粉砕
1 《テイガムの策謀
1 《取り消し
1 《境界の偵察
1 《牙守りの隊長
1 《アブザンの戦僧侶
1 《龍鱗の加護
1 《従順な復活
1 《遠射兵団
1 《マルドゥの戦叫び
1 《ケルゥの戦慄の大口
1 《賢者眼の侵略者
1 《悟った達人、ナーセット
1 《大牙コロッソドン

-サイドボード(18)-

 続けて、試合の様子も追っていく。併せてご覧いただきたい。

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