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EVENT COVERAGE
グランプリ・名古屋2016
準々決勝:竹内 亮太(静岡) vs. Shawn McNeace(沖縄)
By 矢吹 哲也
参加者2600人を超える大戦乱を経て、トップ8入賞者が決まった。ヘッドジャッジから次々と名前が呼ばれ、会場に拍手が響く。
そのとき、ひと際大きな歓声が聞こえた。
「第5位、ショーン・マクニース/Shawn McNeaceさん」
日本人が大多数を占める会場の一角で、喜びを爆発させる外国人のグループ。その中心で、沖縄在住のアメリカ人、ショーン・マクニースは満面の笑顔を浮かべていた。前年のグランプリ・神戸2015で第10位と惜しくもトップ8入賞を逃した男が、念願の1席を獲得したのだ。
だが念願叶ったのは彼だけではない。準々決勝でマクニースと対峙する竹内 亮太も、国内グランプリへの参加を続けて、ついに花開いたプレイヤーだ。決勝ドラフト後、先に席についていた竹内にドラフトの出来を聞くと、彼は「自信作です」と歯を見せた。
赤黒の軽量クリーチャーを中心にしたビート戦略の竹内。
青黒のコントロール寄りに組み上げたマクニース。
この環境のリミテッドを象徴する色の組み合わせが、両者のさらなる望み――グランプリ優勝の夢を乗せて、交錯する。
竹内 vs マクニース。グランプリ・トップ8初入賞同士のふたりが、さらなる成功を求めて対決する。 |
ゲーム展開
マリガン・チェックを開始すると両者は初手を眺め、ややあって先手の竹内がマリガンを宣言。それを聞いて後手のマクニースが「I keep」と7枚の手札でゲームを始める。
竹内は6枚となった手札に視線を落とし、再びマリガン。この大一番で5枚スタートとなった。
動き出しは竹内。3ターン目《不快な集合体》で先陣を切るが、マクニースはそれを《巻き締め付け》で無力化する。それでも竹内は《攻性エルドラージ》、《殺戮ドローン》、《空の探索者》と少ない手札をひと息に展開した。
対するマクニースの戦場には、この時点で《形状の管理人》のみ。《タイタンの存在》で《空の探索者》を除去したが、同時に繰り出した《耕作ドローン》を火力で焼かれ、竹内の軍勢に攻撃を許す。
しかしリソースの差はいかんともし難いか。竹内の小型クリーチャーでは他の呪文の助けなしになかなか有効な打撃を与えられない。《ヴァラクートの捕食者》を「上陸」させて攻撃の糸口を作るが、マクニースはこれを《荒廃の一掴み》でしのいだ。
だが竹内も食らいつく。マクニースの《竜巻の種父》には《忘却の一撃》をしっかり当て、軽量クリーチャーを再展開。マクニースは《雲マンタ》で上空から攻撃しつつ、除去で竹内の勢いを寸断する。
土地が並んだマクニースの戦場に《泥這い》が加わると、この1マナ・クリーチャーは十分な脅威になった。竹内も《無謀な奇襲隊》で反撃を試みるが、致命打になるには遠い。
そしてマクニースは、彼のデッキの凶悪さを解き放った。
《現実を砕くもの》で攻守を完全に逆転させると、続けて《真実を覆すもの》!
強力なエルドラージの中でもエース級の2体が立ち並ぶと、竹内は自陣のカードを片付けることになった。
豊富な除去と強烈なフィニッシャーでこの試合の王手をかけるマクニース。 |
2ゲーム目、竹内は2ターン目《空の探索者》から《攻性エルドラージ》と快速のスタートを切り、《エムラクールの名残》を追加すると除去を駆使してマクニースを攻め立てる。
マクニースは《乱動の握撃》で竹内の攻勢を鈍らせ、ブロッカーも用意するが、竹内の勢いはそれを上回った。《威圧ドローン》、《怒りの具象化》とアグレッシブなクリーチャーを次々と展開し、波状攻撃でマクニースのライフを瞬く間に追い詰めた。
残りライフ4点と早くも後がないマクニースが取った決断。彼は、墓地にカードが2枚しか落ちていない状況で《真実を覆すもの》を戦場へ送り込んだ。
これでライフを残せるだけのブロッカーが用意できた......はずだったが、竹内は《エムラクールの名残》をブロックした《耕作ドローン》を《闇の掌握》で除去し、トランプル・ダメージによって押し切ったのだった。
竹内は圧倒的な速度でマクニースを置き去りにする。 |
熱戦に終止符を打つ最終ゲーム、「play first」を選択したマクニースが2ターン目《珊瑚兜の案内人》、竹内は《空の探索者》で火蓋を切る。3ターン目に《耕作ドローン》を追加したマクニースに対し、竹内は《不快な集合体》。マクニースはそれを《タイタンの存在》で除去すると、続く《鞭打ちドローン》にも《乱動の握撃》を当て、ダメージ・レースを先行した。
だが殴り合いなら竹内も望むところだ。彼は5ターン目に《怒りの具象化》を繰り出すとすぐに「上陸」を誘発させ、反撃。これでマクニースが守勢に回ることになった。竹内が追撃の手を緩めず全軍で攻撃すると、マクニースはブロックに大いに悩み、こちらも全軍を向かわせた。
ブロックの確定を見届けたのちに、竹内は手札から《多勢》と《異常な忍耐》を放つ。マクニースの軍勢は総崩れになった。
ターンを迎えたマクニースはドロー後、そのままターンを返す。
そして竹内が最後に《抑圧的支配》を見せると、マクニースは「Good Games」と右手を差し出したのだった。
竹内 亮太がショーン・マクニースを2勝1敗で下し、準決勝へ!
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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