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グランプリ・名古屋2014

観戦記事

準決勝:松井 久剛(千葉) vs. 春日 亮佑(千葉)

By Tetsuya Yabuki

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 物語には終わりがある。

 これまで数々の勝負の中で幾多の英雄が倒れ、幾多の怪物が退治され、ときおり神々が舞い降りた。それらを扱うプレイヤーたちも今や4人。いよいよグランプリ・名古屋2014も佳境を迎える。

 シャッフルと共に呼吸を整える両者。ここまで来ればもはや気力と気力のぶつかり合いだ。この試合ではそれに応えるかのように、両者のデッキが勇躍した。繰り返されるクリーチャーと除去の交換、クリーチャーとクリーチャーの交換――激しい戦いの果てに立っているのは......

試合


松井 久剛

 《》2枚から《葉冠のドライアド》を繰り出す先手の松井。これに《稲妻の一撃》が撃ち込まれ、戦端が開かれる。

 松井は続けて《ニクス生まれの狼》、《旅する哲人》と送り込み、《ミノタウルスの頭蓋断ち》と《洞窟のランパード》を擁する春日と睨み合う。《旅する哲人》と《洞窟のランパード》が激突し、お互いに墓地へ。両者ともクリーチャーの展開は止まらない。

Fight!

 春日の《パーフォロスの使者》を《金箔付け》する松井。続けて《ミノタウルスの頭蓋断ち》と《ニクス生まれの狼》がぶつかり、相討ちに。《英雄の記録者》と《野蛮な祝賀者》も相討ち。クリーチャーとクリーチャーがぶつかっては倒れ、両者一歩も譲らずしのぎを削る。

Fight、Fight!

 松井が《乗騎ペガサス》で空から攻撃すれば、春日は《モーギスの匪賊》で反撃。松井の《ファリカの癒し人》には春日の《鞭の一振り》。松井が《巨体の狐》を繰り出せば、春日は数で勝負する――消耗戦を続ける両者の見事なまでの均衡はしかし、《巨体の狐》へ《ニクス生まれの狼》が「授与」されることで破られた。この戦闘で1対3交換を余儀なくされた春日が、松井の戦場に残る戦力を防ぎ切ることは叶わなかった。

 1ゲーム目の熱戦から一転、2ゲーム目はマリガンを喫した松井がそのまま色事故を起こし、早い段階で決着がついた。

 春日は《無謀な歓楽者》、《迷宮の勇者》、《洞窟のランパード》、そして除去を駆使し攻め込み、反撃の隙を与えなかった。


春日 亮佑

 迎えた第3ゲーム、松井は再びの2ターン目《葉冠のドライアド》。これに対し春日は《ファリカの療法》を撃ち込む。続く《ニクス生まれの狼》には《メレティスの守護者》を送り出すが、松井はそれを《存在の破棄》で取り除く。

 それでも、土地が伸び悩む松井を後目に《強欲なハーピー》の絆魂でダメージ・レースを優位に進める春日。松井も《英雄の記録者》に《残忍な発動》をまとわせ、さらにコンバット・トリックを活用して攻め込み続ける。

 サイズで負ける春日を救ったのは、《パーフォロスの槌》だった。これで彼はクリーチャーを消耗しながらも打点を維持し、ライフは11対11のイーブンに。

神器降臨

 《パーフォロスの槌》がさらにもうひとつ土地を3/3速攻クリーチャーに変え、春日が一挙8点の猛攻。これを受けて松井はさすがに守勢に回る――

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――がしかし、春日が繰り出した《洞窟のランパード》が、その横をすり抜けた。最後のターン、最後のドローを確認すると、松井は右手を差し出す。

「また次の機会に」

 そう述べる彼の顔には、清々さが感じられた。

春日 2-1 松井

 決勝の舞台へ上がるのは春日 亮佑!

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