- HOME
- >
- EVENT COVERAGE
- >
- グランプリ・京都2017
- >
- 第7回戦:Paulo Vitor Damo da Rosa(ブラジル) vs. Jon Finkel(アメリカ)
EVENT COVERAGE
グランプリ・京都2017
第7回戦:Paulo Vitor Damo da Rosa(ブラジル) vs. Jon Finkel(アメリカ)
By Sugiki, Takafumi
ここは何処なのであろうか、グランプリ・京都2017もまだ前半戦であるというのに、夢のようなマッチアップが実現した。
ジョン・フィンケル/Jon Finkel。その正確無比なプレイングからフィンケル・トロンとも称される彼は、マジックの歴史において、最も偉業をなしているプレイヤーであることは、誰の目にも明らかであろう。マジックが始まってすぐからジュニアシーンで活躍。制定されてすぐのエクステンデッドで開催されたプロツアー・シカゴ1997で初めてトップ8入りして以来、決勝ラウンドへの進出を積み重ね、その数なんと16回。2005年に制定されたプロツアー殿堂顕彰者に、こちらもすぐに選出された。
そして、対するはパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosa。通称PV。プロツアー決勝ラウンド進出回数は、11回。2011年に史上最年少での生涯プロポイント300点突破、2012年には殿堂顕彰者に選出された。
そう、プロツアー決勝ラウンド進出回数の歴代上位2人が、このグランプリ・京都2017の第7回戦で雌雄を決すべく対峙しているのだ!
ダモ・ダ・ロサとフィンケル、スタープレイヤーの夢の共演がいまここに! |
ゲーム1
ダモ・ダ・ロサは赤黒ベースのデッキを使用しており、《呪われた者の王》から、盤面を整えていく。対するフィンケルも最初のアクションが《オアシスの祭儀師》、そして《巨大百足》と重々しい展開だ。
フィンケルが《巨大百足》をゆっくりと攻撃に繰り出す。前のターンに何もアクションを起こさずにいたダモ・ダ・ロサは、即座に《毒の責め苦》を《巨大百足》に。しかし、フィンケルが《暗記》でいなし、初めてライフの均衡が崩れた。ダモ・ダ・ロサのライフが15。
ここまで、お世辞にも良い動きとは言えないダモ・ダ・ロサ。マリガンをしなかったということは、よほど残りの手札が良かったということである。ここで盤面に登場するのが、《蝗の神》。これには思わず、フィンケルも「Locust God!!」とぼそっと口に出す。
フィンケルにとっては、このまま《蝗の神》が生き続けることは負けを意味するのであるが、6枚の土地がある盤面でも《蝗の神》を除去することができない。フィンケルのプレイは《砂の下から》、《川ヤツガシラ》と極めて地味だ。
ダモ・ダ・ロサの《蝗の神》がフィンケルに飛びかかる。これで、フィンケルのライフも16へ。ダモ・ダ・ロサはこのまま《蝗の神》の能力を起動し続けていれば勝てるため、無理にアクションを行わずターンを終了。
ここで、フィンケルはおもむろに1枚のカードを提示する。それは《穿刺の一撃》。
「トップデッキであったのであろう」と、ダモ・ダ・ロサは残念そうに《蝗の神》を追放する。これでフィンケルに流れが一気に傾く。ダモ・ダ・ロサが後続として盤面に出した《ネフ一門の鉄球戦士》、《魂のたかり屋》のうち、《魂のたかり屋》を《主張》で奪い取り、フィンケルは《巨大百足》で攻撃。
フィンケルトロンの正確なプレイが徐々に盤面を引き寄せる |
ダモ・ダ・ロサは様々にブロッカーを出すも、フィンケルが2枚目の《穿刺の一撃》、《捲土》で順番に除去。フィンケルが押し切った。
ダモ・ダ・ロサ 0-1 フィンケル
ここでダモ・ダ・ロサは奇策に出る。フィンケルのデッキが緑赤をベースとした重めのデッキであること、《穿刺の一撃》、《捲土》を多く見ていること、次は先手であることなどから、《蝗の神》をサイドアウトし、より速さを求めた赤黒2色にまとめたデッキへと変形させたのだ。
ゲーム2
ダモ・ダ・ロサは《果敢なケンラ》からスタートするも、3ターン目はサイクリングにターンを費やし、4ターン目は《燃え拳のミノタウルス》とパッとしない。
フィンケルは《マナリス》から出したマナで《マグマのしぶき》を《燃え拳のミノタウルス》にプレイ。ゲームスピードを遅らせる。
ダモ・ダ・ロサはフィンケルがブロッカーとして出した《よろけ腐り獣》を《激情の試練》で除去、7マナに到達したフィンケルがプレイした《選別ワーム》も《栄光の刻》で除去するも、次にフィンケルがプレイした《巨大百足》の前に攻撃に向かうことができない。
必死に攻撃を続けるダモ・ダ・ロサ |
フィンケルが《主張》で盤面を一気に引き寄せ、そのまま《巨大百足》をはじめとしたクリーチャーたちがダモ・ダ・ロサを蹂躙する。
ダモ・ダ・ロサは笑顔で右手を差し出し、負けを認めた。
ダモ・ダ・ロサ 0-2 フィンケル
世界を熱狂の渦に巻き込むマジック界のヒーロー2人の熱戦が終わり、徐々に観覧エリアからも観客が去っていく中、フィーチャーマッチエリアでは感想戦をする声が響く。ダモ・ダ・ロサが《蝗の神》をサイドアウトしたプランを中心に、フィンケルとディスカッションを行う。フィンケルも、これだけの除去の枚数を見れば仕方のない選択だと同意し、お互いのこのグランプリでの好成績を願いつつ、フィーチャーエリアを後にしたのだった。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
RANKING ランキング
NEWEST 最新の記事
-
2024.11.12観戦記事
The Week That Was: 熱烈な勇者の帰還|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.27観戦記事
第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権 決勝戦|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.26トピック
第30回マジック世界選手権 トップ8プロフィールとデッキリスト|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.26観戦記事
Magic World Championship 30 Day Two Highlights|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.25観戦記事
Magic World Championship 30 Day One Highlights|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.25戦略記事
The Spiciest Decklists of Magic World Championship 30|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権