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グランプリ・神戸12
準々決勝: 竹石 宏治(埼玉) vs. 石田 弘(名古屋)
By Tomohiro Kaji
完全勝利を目指した15-0の森 勝洋の影に隠れ、2位通過の竹石はThe Limits 2011のTop8にも残った屈指のリミテッドプレイヤー、石田とマッチアップされた。
石田は初日全勝を賭けたフィーチャーマッチの席で不運にも同じコミュニティの仲間とマッチアップされてしまい、あえて一緒にTop8に残るために"フィーチャー席で"IDすることを選び、そのまま有言実行するという実力者だ。
そんなキャリアについて掘り下げる時間は与えないぞと、目の前に座るのは二人はテンポを重視した構成になっているのか、ダイスロールに一喜一憂。
マッチは2本先取なので、この結果がもたらす先手後手の関係は、1-1へもつれ込んだ時の優位に案外効いてくるからなのだろうか。
ここでサイコロの出目は石田へ傾き、当然のように彼は先攻を選択した。
決勝のために設置されたビデオの撮影設備に、そして外国人ヘッドジャッジの英語のアナウンスに一瞬二人は驚くが、過去の戦績よりも最高のものを今から作ってやると言わんばかり、ゲームが始まれば一気にヒートアップ!
石田 弘
変わって先行石田、《進化する未開地》からスタートすると、竹石のターン終了時に土地を探す。
石田 「エンドに探します!」
この発言に反射的にライフシートへと手を伸ばしてライフを19へと減らそうとするが、それはレガシープレイヤーの性なのか。
デュアルランドの使える環境に慣れ、オンスロートやゼンディカーのフェッチランドのライフ1点のやり取りと体が誤った反応をしてしまったようだ。
これに両者から笑いが溢れるも、そこから前ゲーム同様にダメージの応酬へと突入した。
Top8プロフィールでもキーカードとして良く挙げられていた《常なる狼》から竹石はボードを築き始めるのだが、先行の石田が《礼拝堂の霊》《セルホフの密教信者》と攻守は逆転している。
何気なく書かれている威嚇で竹石は攻撃を始めるも、《塔の霊》を追加した石田の航空戦力にクロックは全然及ばない。
2点、2点とダメージを刻む石田に、《ハンウィアーの砦守り》という場違いなブロッカーを出す竹石。
残りは4ターン、間に合うか? 竹石はそんなことを考えていたのではないか。
だがまさにそのタイミングで《セルホフの密教信者》へエンチャントされる《幽体の飛行》!
これで一気に石田の飛行ダメージは8点へと跳ね上がってしまい、竹石は残された時間がもうないことを悟ると、石田の地上のチャンプブロッカーを確認して投了した。
竹石 1-1 石田
サイドボードをするために悩む二人。
石田が悩み、シャッフルし、カードを入れ替えれば、
竹石も悩み、シャッフルし、カードを入れ替える。
次は竹石の先攻だ。
竹石 宏治
2マナ域のカードがそれなりに入っている竹石は、《森》《森》とターンを終えると、《平地》《平地》から《幽体の乗り手》で先に止まりにくいクロックを作る石田。
せっかくの先攻のチャンスを逃してしまったかに見えたが、その理由はすぐ明らかになった。
《夜明けのレインジャー》。
あいにく竹石のもつマナソースは3枚の《森》なのだが、石田も土地が止まってしまっており《銀筋毛の狐》をキャストするのみ。
次のターンには「山っ!!」と掛け声をかけて気合を込めながらドローした竹石が本当に《山》を引き込み、《黄昏の捕食者》へ凶暴化させてしまう。
マナもなく、除去もなく、ライフを守るためには《黄昏の捕食者》へと生け贄を捧げなければならない状況へと陥ってしまってピンチの石田は、申し訳程度に威嚇の《幽体の乗り手》を攻撃へと送り込むが、ここからは《黄昏の捕食者》の格闘でクリーチャーを順に1体づつ失ってゆくターンが始まる。
この圧倒的な盤面に、石田はただ死を待つのみ。
2枚の呪文を唱えることも叶わず、かと言って支払うライフももう残り少ない。
「《スケイズ・ゾンビ》」と冗談を言いながら唱えた《弱者の師》も相手にされないことを確認すると、石田は悔しそうにカードを片付けた。
竹石 2-1 石田
Game 1
オレンジ色のシャツが眩しい石田が《平地》《平地》と並べるのに対し、竹石は後手ながらさっそく《絡み根の霊》で速攻のダメージを与える。 そんな不死を持った面倒なクリーチャーには触らず、クロックでの競り合いに臨もうと石田は《息吹のニブリス》を唱える。 飛行vs地上。 今までも、これからも起こるマジックのリミテッドの基本対決に、竹石は《暗茂みの狼》というマナに対しての「ダメージ効率」を優先した。 回避能力故に高コスト、の裏をつく緑らしい戦略に、石田は《ドラグスコルの隊長》とさらに飛行クリーチャーを追加するのみ。 これではサイズが取り柄なカラーから受ける攻撃を止められるはずもなく、もうライフには17vs12と5点の差がついてしまっている。 さらにここでこの盤面での優位を固めようと、《ケッシグの出家蜘蛛》をキャストする竹石に、隣で観戦している自分はまるで到達の重要性を教えられているようにさえ思えてきた。 タッパーと言えど、《息吹のニブリス》は青マナ喰い虫。 かといって、せっかくの《ドラグスコルの隊長》もアタック・ブロックに使いにくい戦況と、いちいち竹石のクリーチャーの性能の高さが光り、全く動けないのだ。 なんとか《スレイベンの歩哨》を出して相打ちに持ち込みたい石田だが、損なトレードを嫌ってライフを差し出すことを選ぶのみ。 ここまでくれば詰将棋。 手札に抱えたカードを見つめ、ターン終了時に《待ち伏せのバイパー》をキャストし、少なくなったライフへ向かってそのまま自軍クリーチャー全てをレッドゾーンへ! どうブロックしても接死と《野生の飢え》のトランプル・シナジーで石田にライフは残らなかった。 竹石 1-0 石田 やっぱりビートダウンは先行有利?Game 2
Game 3
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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