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グランプリ・香港2015

観戦記事

第7回戦:Ryan Young(台湾) vs. 市川 ユウキ(神奈川)

By 矢吹 哲也

 初日残り3つとなった今大会にて、1敗ラインで戦いを続ける両者。

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 惜しくもプラチナ・レベル維持を逃し新たなシーズンを迎えた市川 ユウキは、その悔しさを新シーズン開幕戦の推進力に変えることができるだろうか。白緑のデッキを組み上げた彼は1敗で中盤戦を終え、さらに歩みを進めるべくこの戦いに挑む。

 対するリャン・ヤン/Ryan Youngは昨年のグランプリ・クアラルンプール2014にてグランプリ・トップ8入賞を果たし(リンク先は英語)、そのまま準優勝という結果を残した台湾のプレイヤー。彼の白赤デッキは、実績で彼を上回る市川を打ち破るだろうか。

 この試合の命運を分けたのは、両者の展開力。序盤、中盤、終盤とクリーチャーが鍵を握り、接戦となったライフ・レースを制するのは、果たして。

ゲーム展開

 初手を眺めると、小さく唸ったヤンがマリガンを宣言。6枚の手札に「OK」と頷くと、《平地》から《》と置き、《前線の僧侶》でこのゲームを始めた。

 市川も《アクロスの看守》、《古参兵の予備武装》、そして3ターン目に《城塞の主》と順調な滑り出し。対するヤンも《飛行機械技師》と止めどなく展開を続けるが、《古参兵の予備武装》を装備した《城塞の主》の攻撃を止められない。

 ヤンの戦場に続く《イロアスの勇者》を《野性の本能》で除去し、《城塞の主》の「高名」を果たした市川。だがそこへ狙いすましたように《抑制する縛め》が差し向けられた。これで一度展開が止まった市川に対し、ヤンは《ピア・ナラーとキラン・ナラー》で盤面を一気に盛り返す。

 市川も《抑制する縛め》を握っており《ピア・ナラーとキラン・ナラー》には対処したものの、ヤンは続けて《戦乱の神託者》と展開が止まらない。ヤンはしばし考え、盤面へさらに《アクロスの英雄、キテオン》を追加した。

 横に広がった戦場はやや膠着し、市川の《果樹園の霊魂》とヤンの飛行機械・トークンの細かい攻撃がじわじわと両者のライフを削っていく。ヤンの《戦乱の神託者》による攻撃は市川の《アクロスの看守》が封じ、両者ともライフが10点を割った。


細かいライフ・レースを慎重にわたり、ヤンのライフを残り7点まで追い詰める市川。

 だがここでヤンの戦場に現れたのが、《永遠警備の歩哨》。この強力なアンコモンの登場に続き、さらにヤンは2体目の《前線の僧侶》でライフを4点回復し、タイトなライフ・レースに光明を見出す。

 反撃に出たヤンは《前線の僧侶》を1体失ったものの、《アクロスの英雄、キテオン》を《歴戦の戦士、ギデオン》へ変身させた。ギデオンの[+2]能力と《永遠警備の歩哨》によるタップが市川の盤面を襲い、彼の手から攻撃力と、そして残り少ないライフを守る防御力を同時に奪ったのだった。


ヤンの赤白デッキは序盤の展開力に加え、後半の決定打も持ちあわせる。

 2ゲーム目は、初手を見るなり市川がマリガン。ヤンは《勇者の選定師》から動き出し、一方の市川も2ターン目《白蘭の騎士》で序盤の戦線を築く。

 ヤンは続けて《前線の僧侶》、《イロアスの勇者》と続け、市川も《確固たるエイヴン》から《抑制する縛め》と盤面を譲らない。

 2体目の《イロアスの勇者》を繰り出したヤンは、続くターンに市川の《白蘭の騎士》を《稲妻の投槍》で焼き払おうとした。それを《力強い跳躍》で防いだ市川は、《重歩兵》でヤンの防御を取り去ると攻撃に出た。

 これに呼応するかのように、ヤンも除去を用いて反撃。両者のライフ・レースは突然加速する。だが、《前線の僧侶》による回復が、またしてもヤンに有利な立場をもたらした。

序盤に欠かせないクリーチャーであり、後半のライフ・レースにも役立つ、この試合大活躍の1枚

 1度のマリガンによるアドバンテージ差を埋める手段もなく、やがて盤面を押し込まれた市川は右手を差し出すのだった。

ヤン 2-0 市川

「ふた回りくらい強いデッキと当たった」と、厳しい戦いを嘆く市川。残り2ラウンドが負けられないものとなった彼だが、ここからの巻き返しを図る。

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